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2009年6月13日 (土)

◆世界経済定点観測 2009.6.13

 世界経済は最悪期を脱したとの期待が高まっているが、依然先行きは不透明。株価は3月を底に上向きにあるが、一方で財政赤字の拡大など新たな問題も出てきている。足元のトピックを挙げる。

▼株価回復
 株価の回復が目立つ。世界の株価は3月頃を底に上昇。特に新興国はロシアが底から2倍増、中国やインドは約5割上昇した。日米欧は3月から2-4割上昇し、昨年末のレベルに回復。日経平均は1万円を回復した。
 世界経済の悪化に歯止めがかかり、底割れリスクが小さくなったという見方が背景。金融危機後安全資産に逃避していた資金が、再びリスク資産に戻ってきた。
 ただ経済悪化歯止めは期待先行の面がある。株価の上昇スピードは急激で、反動の懸念も指摘される。

▼商品価格上昇
 NY原油は1バレルあたり70ドルを回復。年初から2倍になった。金や穀物などの価格も上昇している。資金は株だけでなく商品にも流れている格好だ。

▼経済指標
 FRBは10日地区連銀報告を発表。米国の景気は一部に底入れ感もあるものの、なお悪化が続いていると判断した。5月の失業率は9.4%に上昇した。

▼産業支援
 クライスラーは10日、主要資産を新会社に譲渡する手続きを完了したと発表した。一部債権者などの差止め請求を裁判所が退けた。これにより、破産申請時に描いた法の保護の下での再建を進められる。同じく破産法申請したGMも、同様の手続きを進めている。
 米自動車部品産業は、近く総額100億ドルの支援策を政府に求める。同業界はGM破綻などの影響で経営困難に直面している。
 米国や欧州など各国政府は経済危機以降、様々な形で産業を支援してきた。この動きは、形を変えて続いている。

▼金融不安の推移
 米政府は9日、ゴールドマン・サックスなど金融機関10社の公的資金の前倒し返済を容認した。当局は昨年10月以降、主要金融機関に事実上強制的に、一律で公的金融機関を投入した。返済は、正常化に向けた動きの一歩となる。
 ただ、欧米金融機関の損失見込みはIMF予測で4兆ドル。処理済は半分にも届いていない。
 また、財務体質の比較的いい金融機関と悪い機関の格差は一層鮮明になる。今後、また形を変えて危機が表面化する可能性は少なくない。
 
▼財政悪化
 各国は景気刺激のため財政支出を拡大。財政は急速に悪化している。2009年の財政赤字の対GDP比は、日米英が10%以上、フランスは6%程度に膨らむ見込み。この影響で長期金利が上昇、経済回復に悪影響を与える懸念がある。将来のインフレ懸念も消えない。
 12-13日にイタリアで開催したG8の財務相会合では、経済危機後の財政改善など出口作戦も議論した。

2009.6.13
 

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