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2009年5月

2009年5月31日 (日)

2009年22号(5.25-31 通算465号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2009年5月25-31日
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◆北朝鮮が核実験(25日)☆
・北朝鮮が地下核実験を実施。成功したと発表した。
・2006年10月に続く2回目。核抑止力による自衛を強調した。
・同国は続いて短距離ミサイル発射を連続で実施した。
・危機演出で国際社会との交渉を有利にする狙いとみられる。
・核拡散を助長しかねない動きで、国際社会は警戒を強めている。
・国連安保理は対応を協議。日米などは制裁を主張している。

◆GM、破産法適用ほぼ確実に ☆
・米GM救済の大詰め調整が進展。連邦破産法の適用が濃厚になった。
・債権者やUAWとの交渉は、一部で決裂。
・オバマ大統領は30日、政府が過半を出資すると明言した。
・大統領は1日に会見を予定。GMのヘンダーソンCEOも会見する。
・GM株は29日、75セントまで下落。1999年の10分の1以下に下落した。
・独子会社オペルは30日、カナダの部品大手マグナへの売却が決まった。
・独政府などが15億ユーロのつなぎ融資を実施する。

◆米大統領、イスラエルに入植停止を要求(28日)
・オバマ大統領はパレスチナのアッバス議長と会談した。
・パレスチナとイスラエルの2国家共存を目指す姿勢を確認。
・会談後、イスラエルにパレスチナでの入植停止を要求した。
・大統領は6月4日から中東を訪問する。

◆モンゴル大統領選、元首相が勝利(24日)
・大統領選が投票され、第2党民主党のエルベグドルジ元首相が勝利した。
・第1党人民革命党のエンフバヤル現大統領は敗北を認めた。
・汚職や開発優先政策への国民の不満が出た形。
・人民革命党と民主党は大連立を組んでいる。
・同国では過去大統領選や総選挙時に混乱が発生したが、今回は平静だった。

◆パキスタンで爆弾テロ(27日)
・第2の都市のラホールで大規模な爆弾テロがあり、30人以上が死亡した。
・情報機関や警察を狙ったテロとみられる。
・イスラム過激派掃討作戦への報復の可能性がある。
・同国は今年に入りアフガン国境地域での掃討を強化。
・情勢不安が拡大している。

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 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース新大統領  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【北朝鮮の核問題】 北朝鮮が地下核実験を実施した。米国などとの交渉の展開や国内体制引き締めなどを狙った瀬戸際作戦の一環とみられるが、世界にとって核拡散が引き続き深刻な問題であることを改めて見せつけた。
 オバマ大統領は先のプラハでの演説で、核廃止に向けて意欲を示したばかり。ロシアとの新たな核軍縮交渉も始動させた。しかし、現実の厳しさを改めて突き付けられた格好だ。
 現在核問題が焦点になっている北朝鮮、イランはいずれも先行きを読みにくい国。核問題の推移は、多大な不確実性を踏まえながら観察する必要がある。

 【GM破産】 米GMの救済は、連邦破産法11条の適用が濃厚になり、市場や関係者もすでにそれを前提に動き始めた。大企業の破綻はこれまでもあったが、米国を象徴する企業の破綻は、経済面のみならず社会・文化的影響も大きい。6月1日の発表の後にどんな動きが表面化してくるか。歴史的な局面になる。

 【公的資金】 金融危機以来、公的資金による企業の救済が相次いでいる。米欧の金融機関はもちろん、事業会社も対象に広がった。米クライスラーやGM、独オペル、日本の電機、自動車メーカーなど枚挙にいとまがない。
 こうした公的資金が、企業の公正な競争をゆがめているという批判も多い。ただ、議論の整理がす進むという段階にはまだ至ってない。

◎今週の注目: 2009年6月1-7日
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・GMの救済を巡り、オバマ大統領とヘンダーソンCEOが1日に会見する。連邦破産法適用を申請する可能性が大きい。米産業史にとって、歴史的な節目になる。
・欧州議会選の投票がEU27カ国で4日から始まる。各国政治への直接の影響は限定的だが、欧州政治全体の行方を映す選挙。欧州統合への影響も無視できない。
・オバマ米大統領が4日から中東を訪問する。パレスチナ問題などを協議する。カイロでは演説、イスラム社会へのメッセージを送る。
・ガイトナー米財務長官が1日から中国訪問。
・中国は4日、天安門事件20周年を迎える。

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2009年5月26日 (火)

2009年21号(5.18-24 通算465号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2009年5月18-24日
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◆スリランカの内戦終結(18日)☆☆
・政府はタミル人武装勢力LTTE(解放のトラ)を制圧。戦闘終結を宣言した。
・LTTE最高指導者のブラバカン議長は戦闘で死亡した。
・25年以上に及んだスリランカ内戦は、政府軍勝利で終結した。
・内戦は多数派シンハラ人とタミル人が対立。LTTEは一時国土の3割を実効支配した。
・いったん成立した和平も崩壊。LTTEは過激色を強め、米欧はテロ組織に指定した。
・内戦終結で、焦点は国民の融和と経済復興に移る。
・ただしこりは大きく、安定・復興への道は容易ではない。

◆韓国前大統領が自殺(23日)☆
・盧武鉉前大統領が、同国南東部の自宅の裏山で転落死した。
・遺書などが発見され、自殺とみられる。
・盧氏は2003-08年大統領。革新系政治家として旧体制打破などに努めた。
・退任後に親族の不正資金疑惑が発覚。先月30日に自身が検察に事情聴取された。
・韓国では大統領経験者が5代連続で、自身や身内の疑惑が発覚した。
・盧氏の死を、同国政治風土の問題と関連付けてみる意見が多い。

◆グアンタナモ閉鎖、議会が異義(20日)☆
・上院はグアンタナモ収容施設閉鎖の必要予算を認めない法案を可決した。
・収容施設はキューバの米海軍基地内にあり、オバマ大統領は閉鎖を表明していた。
・しかし上院は米本土に移送すればテロの危機が高まるとし、90対6で法案可決した。
・与党民主党も多くの議員が賛成。大統領にとっては打撃になった。
・同収容施設はアフガンやイラクの捕虜を収容している。
・捕虜への虐待が発覚。ブッシュ政権下の人権侵害の象徴となっていた。

◆新型インフル患者1万人超、警戒引上げは見送り
・新型インフルエンザは24日までに46カ国に拡大、患者は1万2000人以上。
・ただ毒性は弱く深刻な症状は比較的少ない。
・WHOは警戒水準を据え置き。最高の6への切り上げは見送った。

◆イラクで爆弾テロ(20日)
・バクダッドでテロがあり、40人以上が死亡。70人超が負傷した。
・同国では一時の治安改善→先月以来シーア派住民らを狙ったテロが相次ぐ。
・6月末には米軍が都市部から完全撤退する予定。
・治安維持の正念場を迎えている。

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◎寸評:of the Week
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 【スリランカ内戦終結】 4半世紀続いたスリランカ内戦が「終結」した。反政府武装勢力のタミル・イーラム解放のトラ(LTTE)の最後の拠点が陥落。最高指導者のブラバカン議長は死亡した。ラジャパクサ大統領は勝利宣言をした。
 同国内戦はもともと、多数派シンハラ人の優遇に対する少数派タミル人の抵抗が発端。1980年代に内戦が勃発。LTTEは一時国土の3分の1を実効支配した。
 その後2000年にノルウェーの仲介でいったんは停戦が成立したが、和平条件などを巡り決裂。米国はLTTEを国際テロ組織に指定した。ここ2、3年は政府軍が攻勢を強め、今回の制圧につながった。
 7万人の死者を出した内戦の終結は朗報だ。しかし「終戦」で国民の融和や経済復興が一気に進むと期待できるほど、情勢は甘くない。
 両民族の対立の根は深い。仏教徒が多いシンハラ人に対し、タミル人はヒンドゥー教徒が多数。英国のインド・スリランカ支配時代には、植民地支配に抵抗するシンダラ人に対し、タミル人が支配に協力した歴史がある。
 ラジャパクサ大統領は19日の議会演説で、シンハラ語とタミル語を使って民族の融和を強調した。しかし、タミル人の間には「2級市民として差別されている」という意識は消えない。
 問題はスリランカのみにとどまらない。タミル人はインド南部などに多数の同胞を抱え、内政時代にも海外からの資金支援を受けていた。スリランカ国内にとらわれず、海外同胞との連携を目指す「大タミル構想」も消えない。1991年のラジブ・ガンディー元インド首相の暗殺もLTTEの関与が指摘される。
 今後もひと揺れもフタ揺れもあると見るのが自然だろう。

 
 【グアンタナモ閉鎖】 オバマ大統領が熱意を示すキューバ・グアンタナモ海軍基地内の収容施設閉鎖に対し、議会が厳しい一撃を与えた。上院は20日、必要予算を認めない決議を90対6の圧倒的多数で可決した。 
 閉鎖後に容疑者をどこに運ぶかはまだ未定。米国内に移送すればテロの危険性が高まるという指摘があるし、国民も感情的に反発しそうだ。
 オバマ大統領は就任直後、事後処理のめどが立っていないのにもかかわらず1年内の閉鎖を表明した。同収容施設は捕虜虐待などが発覚。ブッシュ時代の人権侵害の象徴となっていた。それを閉鎖することで、時代の変化を印象付ける狙いがあった。しかしいざ実施の段階にきて、具体的計画作りが遅れていたことのツケが回ってきた格好だ。
 大統領は21日の演説で米国内への移送も含めた対応に国民の理解を求めた。これに対しチェイニー前副大統領がオバマ政権の政策を公然と批判。急速に政治問題化している。

◎今週の注目: 2009年5月25-31日
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・GMが近く連邦破産法を申請するとの報道が流れている。米政府の定めた期限は6月1日。大詰めの動きがある。

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2009年5月17日 (日)

◆インド総選挙の読み方 2009.5.17

 インドの下院選結果が発表され、国民会議派中心の与党連合が勝利した。事前予想を大幅に上回る快勝。国民は現政権の改革路線と穏健スタンスを強く支持した形だ。

▼インドの政治地図
 多様な地域・民族・宗教を抱えるインドの政治・政党地図は複雑だが、現在の構図を単純化すれば次の通りだ。

1.国民会議派(the Congress Party)中心の与党連合
 中道左派。会議派はインド独立時の政治運動の中心で、ネルー首相以来70年代までインド政治を事実上支配。冷戦時は社会主義的な傾向が強かったが、冷戦後は経済改革路線に転換した。世俗政党で、支持基盤は各層に広く及ぶ。ネルー→インディラ・ガンジー→ラジブ・ガンジー各元首相と続くガンジー家の存在が無視できない。
 連立与党は地方政党など。
 2004年からのシン政権は経済改革路線を推進。国内政治や外交では現実的・穏健的な政策をとってきた。

2.インド人民党(Bharatiya Janata Party=BJP)中心の野党連合
 中道右派。BJPはヒンズー教至上主義を掲げ、外交的には国家利益を前面に打ち出す傾向が強い。経済は改革路線。前身の政党は70年代、事実上の1党独裁だった国民会議派の腐敗体質を批判する中から誕生。98-2004年には政権を担当した。この際に核実験を実施した。

3.共産党など第3勢力
 格差の是正を重視。共産党は西ベンガル州やケララ州を金城湯池としてきた。
 2004-2009年のシン政権下では、キャスティングボードを握り存在感を発揮してきた。

4.その他少数政党

▼政権基盤強化
 与党連合は選挙前の222から260議席に伸長。会議派は150→206議席と、過去18年で最大の議席を獲得した。逆にBNPは130→116議席に後退。共産党は62→24議席に大幅減少した。
 
 与党はこれまで共産党など第3勢力の協力を得なければ政策運営が難しかったが、今回の勝利で政権基盤が大幅強化された。シン首相は5年の任期満了の後に再選されるが、これはネルー首相以来だ。

▼選挙の争点
 争点の一つが経済問題。好調だったインド経済も、金融危機の影響で先行き不透明感が漂い始めた。格差拡大なも重要な問題だ。
 
 この経済については、与野党とも改革推進を主張。根本的な政策対立にはならなかった。共産党などは格差是正を前面に打ち出した。

 一方、治安や安全保障問で人民党は昨年11月のムンバイのテロの対応が生ぬるかったと政府を批判。対パキスタンなどの外交で断固たる対応を主張した。国内ではヒンズー教文化や生活尊重を訴えた(ただし表向き過激な事を言ったわけではない)。

 これに対しシン首相は、テロ事件では適切な対応だったと弁護する一方、外交面では現実的な対応を強調。宗教問題では「政府は世俗主義に立つべきだ」とBNPを批判した。

▼経済改革・現実路線支持 
 選挙結果を見る限り、国民は格差是正に傾斜することなく、経済改革路線による成長維持を支持した。また外交・治安では与党の現実路線を支持した格好だ。政治家への信頼という観点では、シン首相の実績が信認されたと見ていいだろう。もちろん金融危機の悪影響がまだ限定的にとどまっていることも、与党に幸運に作用した。

 インドは21世紀に入って6-8%の高成長を維持。社会の発展は著しい(発展は今年のアカデミー賞受賞作・Slumdog Millionaire によく映し出されている)。現時点では、シン流の改革路線が支持され、推進力を与えられた。

▼注目点
 もちろん、難問は山積している。世界不況の影響がどの程度で収まるかは不明。予想以上の経済悪化なら、せっかく支持された改革路線もとん挫しかねない。
 外交面では隣国のパキスタン、スリランカの情勢悪化が深刻。それは過激派の台頭やテロの拡大に結び付きかねず、インドにとってもアキレス腱だ。 
 信認高いシン首相も76歳で、5年の任期を務め終えると見る人は少ない。ネルー・ガンジー王朝4代目のラフル・ガンジー氏(ソニア・ガンジー会議派総裁の長男)の入閣、将来の首相就任を予想する声も早くも出ている。

2009.5.17

2009年20号(5.10-17 通算464号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2009年5月10-17日
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◆インド総選挙、与党が勝利(16日)☆
・下院選結果が開票され、国民会議派中心の連立与党が勝利した。
・与党は38増の260議席(定員545)と事前予想を上回る議席を得た。
・BJP中心の野党連合は後退。共産党も議席を大幅に減らした。
・会議派のガンジー総裁はシン首相の続投を表明。連立協議に入った。
・穏健な経済改革・成長路線を進める与党の政策が支持された格好だ。
・シン政権の政治基盤は強化される。
・経済改革がさらに進む可能性が大きく、ビジネス界は歓迎表明した。
・選挙は4月16-5月13日まで地域ごとに5回に分けて投票された。

◆ミャンマーがスー・チー氏を起訴(13日)☆
・軍事政権は民主化指導者アウン・サン・スー・チーさんを起訴した。
・自宅軟禁の条件を守らず、国家転覆防御法に違反したとの主張。
・スーチーさん宅に前週米国人男性が侵入。その時の対応が問題とする。
・現在の自宅軟禁は今月末に期限を迎えることになっていた。
・事件を口実に軟禁期間延長を目指す狙いとの見方が強い。
・民主化勢力は反発。欧米諸国も軍事政権を強く批判した。
・ミャンマーでは来年、総選挙を実施の予定。
・公正な選挙なら、野党勢力の勝利は確実との見方が多い。

◆米がデリバティブ規制(13日)
・米政府はデリバティブ規制の改革案を議会に提出した。
・店頭ディリバティブの決算を一元化。その機関を当局が監督する。
・金融機関には資本規制を導入する。
・自由取引重視から規制に方向転換。欧州など各国と協調を目指す。
・ただし、具体的方法については詰めるべき問題も多い。

◆スリランカ、戦闘被害が深刻に
・スリランカ内戦の民間人被害が拡大。国際社会は重大懸念を表明した。
・国連安保理は13日懸念を表明。米大統領も戦闘停止などを求めた。
・スリランカ政府軍は過激派LTTEの最後の拠点に総攻撃中。
・これにLTTEが民間人を人間の盾に取り、抵抗している状況だ。
・ただし、国際社会もLTTEをテロ組織に認定。政府軍の制圧は容認している。
   
◆ローマ法王が中東訪問(15日)
・法王は8-15日にヨルダン、イスラエル、パレスチナ自治区を訪問した。
・各地で聖地を回るとともに、政治指導者らと会談した。
・イスラエルではパレスチナとの2国家共存を呼び掛けた。
・ただネタニヤフ首相は2国家共存に否定的。
・カトリックによる過去のユダヤ人迫害についても一部から批判が出た。

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◎寸評:of the Week
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 【一進一体】 世界経済は下降をたどる中で、今後の方向について好材料、悪材料が交錯する状態が続く。ユーロ圏の1-3月GDPは前期比2.5%、年率10%の減少。企業は人員削減やリストラを加速する。一方で、景況の先行指数などは改善の傾向もある。米GMの救済など大きな材料も控えている。

 【人間の盾】 スリランカ政府による反政府武装組織、タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)掃討作戦が最終局面。ここでLTTEが人民を人質に取り、多大な被害が出ている。パキスタンのアフガニスタン国境地域でも、米国や政府の掃討作戦に際し、過激派(タリバン)が人民を人質に取っている。紛争の残酷さを改めて思い知る。

 【インフルエンザ】 新型インフルエンザは引き続き拡大を続け、40カ国、8000人以上が確認された。ただし弱毒性ということもあり、ニュースとしての騒ぎは一段落した感じだ。

◎今週の注目: 2009年5月18-24日
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・世界経済、新型インフルエンザを引き続き注目。

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2009年5月 9日 (土)

2009年19号(5.4-9 通算463号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2009年5月4-9日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆米が金融機関の資産査定、10社で740億ドル資本不足(7日)☆
・米政府とFRBは大手金融機関19社の資産査定(stress tests)を発表した。
・景気悪化を見込んだ潜在的損失は来年末までに計6000億ドルと予測。
・19社中10社が資本不足に陥り、総額は計746億ドルになると査定した。
・10社はバンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴなど。
・資本不足を指摘された社は、増資など資本増強策を打出した。
・査定結果は市場の事前予測より良い内容。このため発表後株価は上昇した。
・米は昨年主要金融機関に一律公的資本注入したが、選別した格好。

◆新型インフルエンザ、拡大続く
・新型インフルエンザの感染拡大が続いている。
・日本時間9日までの感染確認は27カ国。3400人以上になった。
・米墨に続きカナダでも死者が出た。
・WHOの警戒水準の6への引上げは、今週は見送られた。

◆米大統領、アフガン・パキ首脳と会談(6日)☆
・オバマ大統領はワシントンでアフガン、パキスタン大統領と会談した。
・このところ悪化が進む両国の治安問題などを協議した。
・米は3月、両国の問題に包括的に対応する方針(AfPac)を表明。
・アフガンへの増派計画(2.1増派し6万人に)も発表した。
・しかしタリバンが勢力を拡大。情勢は悪化している。
・パキスタン北西部では大量の難民が発生。誤爆等を機に反米感情も高まった。
・首脳会談は問題への強い危機感を示すものとなった。

◆南ア大統領にズマ氏(6日)
・議会はANC議長のズマ氏を大統領に選出。9日に就任した。
・ANCは先の総選挙で圧勝。非議員のズマ氏は大統領就任に必要な議席を得た。
・同氏は国民の人気が高いが、大衆迎合的な傾向も指摘される。
・アフリカの大国として、政権の行方は周辺地域への影響も大きい。

◆世界の株価が回復
・世界各地の株価が3月を底に回復している。
・欧米の主要株価は年初の水準まで回復。インドなど新興国も戻している。
・経済悪化に歯止めの兆しが見えてきた、との見方から。
・先行きはまだ予断を許さないが、2-3月の悲観ムードは一服している。

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◎寸評:of the Week
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 【インフルエンザ】 先週以降の1週間は「予想の範囲内で感染が拡大が進んだ」という印象。パニックも今のところ起きていない。

 【ロシア双頭体制1年】 ロシアでメドベージェフ大統領とプーチン首相の体制が発足して1年を経過した。当初は「大統領はプーチン氏の操り人形」という見方もあったが、それなりの存在感を誇示。文字通り双頭体制になっている。この間の経済悪化も当然権力関係に影響しているだろう(ただしどう作用したか、クレムリンの内幕はなかなか伝わってこない)。不況で人々の不満がさらに高まれば、リスクを取って思い切った決断が必要になる局面も出てくるだろう。その時に政治はどう動き、力関係はどうなるのか。政治権力の構造上、双頭体制は不安定、という歴史の実例も忘れてはならない。

◎今週の注目: 2009年5月10-16日
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・引き続き新型インフルエンザ問題。
・1カ月に渡って行われたインドの総選挙が13日の第5回投票で終了。16日に一斉に開票される。

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2009年5月 3日 (日)

◆新型インフルエンザと世界 2009.5.3

 新型インフルエンザの感染が一気に拡大。世界はこのニュースで一色という状況になった。昨年9月のリーマン・ショック時、「世界の風景は一週間で一変した」と言われたが、今回もそんな印象だ。

▼1週間の推移

 事態の変化は急で、情報は氾濫。時には交錯している。まず事実関係を簡潔に押さえれば以下の通りだ。

(経緯)
4.24 WHOがメキシコで豚インフルエンザ感染の疑いを発表。
   米が国内での感染発表。
27  WHOが警戒水準を3→4に。
   欧州でも感染確認(スペイン)。 
29  WHOが警戒水準5(2カ国以上で人→人の感染拡大)に引き上げ。
   米国で死者確認。
   メキシコへの渡航制限の動き広がる(欧州諸国など)
5.1  メキシコが5日間の一斉休業。
   感染アジアに拡大(香港)。  
3   18カ国で感染確認。 

(新型インフルエンザ)
 新型インフルエンザは季節性インフルエンザと同じA型のH1N1型。世界的流行となれば4人に1人が感染の見込み。今のところ弱毒性で、致死率はそれほど高くない。

▼パンデミック不可避 

 この1週間で明確になった点を整理すると、第1に新型インフルエンザの「封じ込め」がもはや不可能となり、世界への拡散が避けられなくなったことだ。WHOが国境閉鎖や渡航禁止を勧告しなかったのも、封じ込めは無理との判断からだ。

 各国の認識もこの点は同じ。どこも公式発表はしないが、各国の政策目標は「感染阻止」ではなく、「感染の急速な拡大防止や感染規模の抑制」「社会・経済的な混乱回避」。各国の対応も、この脈略でみるとわかりやすい。

 これまでの具体策は以下の通り。いずれも上記戦略に沿ったものだ。
・世界主要国が相次いで入国管理や検疫体制を強化。
・患者発生時の病院などの受け入れ態勢を整備。
・メキシコ政府が5月1-5日に不要不急の活動自粛を求める「一斉休業」を実施。
・米国各地で相次いで学校閉鎖。
・欧州や米州各国がメキシコとの航空便を制限。

▼学習効果

 第2に、世界は比較的冷静に対応している。
 メキシコでは先月末以来繁華街から人通りが減り、サッカーの試合も中止になった。それでも、人々はパニックに陥ることなく、比較的冷静に家にとどまっている。
 感染者が出た米国や欧州諸国、韓国などでも事情は同じだ。

 感染発覚後、各国政府は事実関係を国民にかなり正直に伝え、冷静な対応を呼びかけた。
 各国メディアは感染拡大の様子やWHOの決定、空港での検疫強化の様子などを逐一報告。隠し事はほとんどない。
 こうした情報伝達があるから、「パニックになるな」という呼びかけも比較的素直に受け止められている。もちろん、新型インフルエンザが弱毒性にとどまっていることが大きいのは言うまでもない。

 SARSや鳥型インフルエンザの流行を機に、世界は国際連携の強化や正確な情報伝達の重要性などの教訓を得た。とりあえずは「学習効果」が出ている格好だ。

▼長期戦

 第3に新型インフルエンザとの戦いが長期戦になること。インフルエンザの流行は大きな山が1つあって終わり、というものではなく、第2派、第3派があるのが通常。とくに北半球が冬になる今年末からは、正念場になる。
 各国はそうしたシナリオをにらみながら、ワクチン製造など対応を検討している。

▼不確実性

 第4に問題は不確実性が大きく、今後どうなるか予断を許さないことだ。
 先進国や主要新興国の動きはこれまでのところ、上記のように冷静だ。しかし途上国には、国民への情報伝達ネットワークが未整備立ったり、そもそも政府が全く信用せれていない国も少なくない。そんな国に感染が広がった時に、先進国のように冷静な対応が期待できるか覚束ない。
 さらにインフルエンザは突然変異が多い。仮にウイルスが強毒性に変わった場合、事態は全く別のものになる。
 1918年のスペインかぜは全世界で2000-4000万人、57年のアジアかぜは100万人、68年の香港かぜは200万人の死者を出したといわれる。今回どの程度の被害になるかは、想像もつかない。
 
▼世界への影響

 世界は第2次大戦後最悪と言われる世界経済への対応に四苦八苦している。そこに今回の新型インフルエンザ。新たな別の何m今が加わったのみならず、経済にさらに悪影響を与えるのも確実だ。その悪影響がどんな形で、どの程度出るかは、まだ未知数としか言いようがない。
 とりあえず最初の1週間‐10日間は、学習効果が効いた。しかし、長期戦の1回の表が始まったばかり。Don't be panic(パニックになるな)は、各国(政府から)国民のみならず、政府自身にも向けられる。

20090503

2009年18号(4.26-5.3 通算462号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2009年4月26日-5日3日
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◆新型インフルエンザ、世界に拡大 ☆☆
・メキシコ発の新型インフルエンザが世界各地に伝播し始めた。
・感染者は北米から欧州アジアに広がり、2日までに17カ国で確認。
・2次感染も広がっている。
・WHOは27日に警戒水準を4に引上げ。29日には5に変更した。
・各国は入国管理の強化、渡航制限などの対応を打出している。
・しかし封じ込めは不可能。世界的流行になるとの見方が多い。
・工場の操業停止、学校閉鎖など経済・社会的な影響も出ている。
・焦点は流行被害の縮小、経済・社会的悪影響防止に移りつつある。

◆クライスラーが破産法申請(30日)☆
・クライスラーは連邦破産法11条の適用を申請した。
・資産を新会社に移管し、法の保護下で再建を目指す。
・30-60日で手続き完了する「早期決着」を目指す。
・米加政府が再建を支援。計105億ドルを拠出する。
・伊フィアットとの提携でも合意した。
・オバマ大統領は会見し、強いクライスラーへの再生を期待した。
・同社は経済悪化などで経営悪化。政府に支援を求めていた。
・自主再建案は債権者や労組との調整がつかず、法活用に踏み切った。
・ディーラー網の縮小など大幅な事業再編に動く可能性が大きい。
・ただ関係者利害は交錯しており、60日内の完了は困難との見方も強い。
・同社は世界11位だが、旧ビッグ3の一角。米社会への衝撃も大きい。
・6月1日に期限を迎えるGMの再建計画の行方にも影響しそうだ。

◆オバマ大統領100日 (29日)☆
・オバマ大統領が就任100日を経過。記者会見を開いた。
・この間、難問の経済対策に大きな失点なく対応。
・外交は対話重視の政策を打ち出し、ブッシュ前政権と一線を画した。
・会見は課題幅広く国民に語りかける予定だったが、状況が変化。
・クライスラー支援や新型インフルインフルエンザなどに関心が集中した。
・国民の支持率は依然高く、オバマブームはなお続いている。
・ただ、諸課題解決のめどが見えてきたわけではなく、正念場はこれから。

◆韓国、前大統領を聴取(30日)☆
・韓国最高検察庁は盧武鉉前大統領から事情聴取した。
・夫人ら親族が不正資金を受領したとの疑惑に関するもの。
・前大統領は反既得権層を掲げていたが、周囲の癒着を断ち切れなかった。
・背後に李明博政権の野党揺さぶりの思惑を指摘する向きもある。
・韓国では80年代の全斗煥政権以来、5代の大統領に不正疑惑が表面化。
・政治風土の構造的な問題を指摘する声も多い。

◆米1-3GDP、6.1%減(29日)
・米国の1-3月のGDPは、年率前期比6.1%減少した。3・4半期連続のマイナス。
・4月の米自動車販売は前年比34%減少した。
・ドイツは29日、1009年の成長率見通しをマイナス6%と発表した。
・経済指標に一部では悪化下げ止まりの兆しもあるが、悪化自体に変わりはない。

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 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース新大統領  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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◎寸評:of the Week
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 【新型インフルエンザ】 新型インフルエンザが各地に伝播。世界はこのニュースで一色だ。昨年9月のリーマン・ショック時、「世界の風景は一週間で一変した」と言われたが、今回もそんな印象だ。問題が問いかけるものは多い。

 【クライスラー破綻】 クライスラーがついに破産法申請に踏み切った。米自動車救済をめぐっては、「オバマ政権は民主党だからビッグ3をつぶさないだろう」という思惑もあったが、簡単に裏切られた。世界はもはや、そんな「昨日の政治の理屈」で動くような時代ではない。変化を改めて印象付けた。6月1日に期限を迎えるGMの再建議論に大きな影響を与えるのは必至だ。

 【メーデー】 日本ではほとんど死語になっている感もあるが、欧州や中南米などでは5月1日のメーデーは依然重要。今年はとくに世界経済悪化で労働者の不満も高まっており、事前の関心は高かった。当日各地ではデモなど様々な活動があった。ただ、世界の関心は新型インフルエンザに向かい、インパクトは薄いものになった。

 【イラク情勢】 イラクの情勢が再び悪化している。29日にはバクダッド地域で2件の爆発があり40人以上が死亡した。1-2月にはテロがかなり減少したが、そのまま平穏化に向かうと見るのは楽観的すぎる。一進一退が続くと見るのが妥当だろう。「イラクは好転、アフガンは悪化」というのは大きな流れとしてはそうなのだろうが、事態はそう単純ではない。

◎今週の注目: 2009年5月2-8日
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・新型インフルエンザの感染拡大がなお進むのは確実。WHOが経過水準を6に引き上げ、Pandemic(世界的大流行)宣言するのも近いとみられる。

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