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2008年11月

2008年11月30日 (日)

◆なりふり構わずの金融・経済対策 2008.11.29

 世界経済の悪化が加速し、金融システムの不安が続いている。OECDが25日発表した経済見通しは、先進国の09年の成長がマイナス0.4%になると予測。新興国も大幅減速を見込んだ。

 世界各地では経済指数悪化や企業の人員削減、業績悪化が続く。米国で始まったクリスマス商戦は早々の値引きにも関わらず不振。英国では早朝からのセールスが始まったが、これまた反応は鈍い。

 金融機関では米大手のシティグループが株価下落から危機に直面。米自動車ビッグ3は自力再生が不可能なところ前追い込まれた。米経済の根底が揺らいでいる。

 こうした中で各国は、なりふり構わずの対応を打ち出している。

 米国は23日深夜にシティグループの救済策を発表。2日後の25日には、追加金融対策を発表し、最大8000億ドルを使って住宅ローンをはじめとする証券化商品の買い入れなどを実施すると表明した。先の金融救済法で定めた7000億ドルの公的資金枠を活用する。それでも対応が後手後手とか、ちぐはぐとの批判が出ている。

 EUの欧州委員会は25日、2000億ユーロの経済対応を提案した。加盟国に財政支出や税制優遇などの対策を促す内容。今後2年間は景気対策を優先し、EUの経済運営の大原則だった「財政規律」の緩みも容認する。英国は24日、付加価値税の引き下げなどを核とする経済対策を発表した。

 中国は25日今年4度目の利下げを発表した。

 過去10年高成長を謳歌してきたドバイは24日、借入をてこに進めてきた大規模開発政策の見直しを表明。同時に公的負債の額を初めて公表した。

 こうした状況は、なおしばらく続きそうだ。

(2008.11.29)

◆インド・ムンバイのテロと世界 2008.11.29

 インド最大の商業都市ムンバイで26日、同時テロが発生した。治安組織の警備をかいくぐり、ほぼ同時に10か所以上を襲撃した犯行は従来にない手口。銃撃戦に至る経緯は世界に同時中継され、衝撃を与えた。世界の成長センターと期待されるインド経済への打撃や、南アジア情勢悪化の懸念など影響は大きい。

▼新型テロ
 テロは26日夜、ボンベイのチャトラパティ・シバジ駅やタージ・マハル・ホテル、トライデント・ホテル、ユダヤ教関係施設など10か所以上でほぼ同時に発生。タージ・マハルホテルなどでは人質を取って立て籠った。ホテルでは米国人や英国人を狙い撃ちにした。
 約2日後に治安部隊が突入して平定したが、死者は少なくとも190人以上の惨劇になった。
 インドではこれまで列車爆破や自爆テロなどはあるが、今回のように周到な準備の下に行われた同時多発テロは初めて。「新段階のテロ」との指摘も多い。

▼国際組織の関与
 シン首相は事件発生直後に会見し、事件への国際組織への関与を示唆した。
 犯行には少なくとも25人以上がかかわったとされる。犯人の一部は事件直前にボートでタージ・マハル・ホテル付近の海岸に上陸。また一部は、ホテルには数日前から宿泊し建物の内部を熟知していた。綿密な計画といい実行力といい、プロの手口だ。
 犯人の一部はパキスタンの言語であるウルドゥ語を語っていた模様。また拘束した犯人の少なくとも1人はパキスタン人との情報も流れている。
 犯人はデカン・ムジャヒディン(イスラム聖戦士)と名乗り、これまでのテロなどで拘束されているムジヒディンの解放などを求めた。この組織名が過去表明されたことはなく、正体は不明だが、イスラムが一つのキーワードになる。
 いずれにしろ、イスラム過激派と関係ある国際組織の関与の可能性が高く、アルカイダの関与を指摘する見方も強い。

▼インド社会への悪影響
 テロがインド社会に与えた影響は大きい。インドはここ数年開放政策の下に高成長を実現。中国と並ぶBRICsの代表格として世界の成長センターとして期待が高まっていた。
 インドには宗教対立、カースト制の弊害、格差拡大などの問題が残る。しかしここ数年は、こうした社会的な問題より経済成長に光が当たっていた。
 今回のテロで、インド社会のリスクに再度焦点が当たるのは必至。特にムンバイは金融機関などが集中する商都だ。程度は不透明だが、外資流入などに悪影響が出るのは避けられないだろう。

▼南アジア情勢
 地域の安全保障への影響も、過小評価すべきでない。
 テロ組織の活動はもともと国境に縛られないが、今回の事件はその波がインドに及んだことを印象付けた。
 アフガニスタンではここ数年タリバンが勢力を回復、情勢悪化が加速している。最近は首都カブールでもテロが頻発し、27日にはカブールの米大使館付近で自爆テロが発生、4人が死亡した。
 パキスタンでは対テロ戦争の先頭に立ってきたムシャラフ前大統領の政権が昨年から権威失墜。今夏に大統領退陣に追い込まれた。後を継いだザルダリ政権の基盤は弱く、対テロ政策の腰は定まらない。9月にはイスラマバードのマリオットホテル爆破テロで数十人が死亡した。
 パキスタン情勢混乱でアフガンとの国境地域を本拠とする国際テロ組織は勢力を拡大しているとの観測が専らだ。
 インドでもテロ頻発となれば、南アジア全体の安全保障が揺らぎかねない。
 ただでさえ経済悪化で人々の不満は増大。過激派が勢力を伸ばしやすい情勢になっている。今回のテロはそうした状況の下で起きた。南アジアの安全保障の節目となってもおかしくない。

▼視点の転換
 テロは経済や安全保障のような実際の事象だけでなく、国際情勢の認識や世界を動かす理念にも影響するかもしれない。
 インドは政治的には選挙で何度も政権交代を実現した世界最大の民主国家。一方、経済的には1980年代から開放経済政策を取り入れ、高度成長を実現してきた。
 こうした中で多数派のヒンズー教徒と少数派のイスラム教徒、仏教徒、シーク教徒らが問題を抱えながらも共存。カースト制など弊害の是正にもある程実成果を残し、社会的安定も保ってきた。
 インドへの期待と楽観的な展望も、こうした民主主義と市場経済、開放経済の共存という「インド型成功モデル」の上に成り立ってきた面がある。テロはそうした成功神話を曇らせる。
 金融危機は自由市場万能主義の終焉をもたらした。それに続く今回のテロは、世界を見る視点に再度抜本的な問いを投げかける。

(2008.11.29) 

2008年48号(11.23-29 通算440号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年11月23-29日
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◆インド・ムンバイで同時テロ(26日)☆☆
・駅やホテルなど10か所以上で同時テロが発生。190人以上が死亡した。
・犯人は25人以上。人質を取って立て籠り。平定まで約2日を要した。
・デカン・ムジャヒディンを名乗り、イスラム過激派とみられる。
・アルカイダなど国際組織が関与した可能性が高い。
・規模や周到な準備など、従来のテロと異なる手口。
・惨劇は世界各地に同時中継され、衝撃を与えた。
・インド政治・社会の安定を揺るがす事件。経済への影響も懸念される。
・南アジア地域の安全保障への影響も大きい。
・インド政府は米英パキスタンと協力して捜査を進める。

◆米、シティグループ救済策を発表(23日)☆
・米政府は経営不安に直面したシティグループの救済策を発表した。
・総額3060億ドルの不良資産から損失が発生した場合、大半を政府が保証。
・200億ドルの追加資本注入も実施する。総額450億ドルになる。
・日曜深夜に財務省、FRBなどの共同声明で発表した。
・シティの株価は直前1週間で約60%下落。破綻回避に異例の救済を決めた。
・2日後の25日には、最大8000億ドルの追加金融対策を発表した。
・住宅ローンなどの証券化商品をFRBが買入れるのが柱。
・金融危機と景気の一段悪化回避にあらゆる手を投じる構えを見せる。
・ただ、対応が後手後手になっているとの批判もある。

◆タイ、反政府デモで空港閉鎖(25日)☆
・タイで反政府団体PADによるデモが24日から拡大。
・新バンコク国際空港の周辺道路を封鎖し、当局は25日同空港を閉鎖した。
・その後旧国際空港も占拠。閉鎖に追い込んだ。
・同国の航空業務は機能不全に陥り、観光や経済に深刻な影響が出ている。
・陸軍司令官は26日会見し下院解散と選挙実施を要求。PADには自制を求めた。
・ソムチャイ首相は27日、2空港に非常事態宣言を発令。選挙は拒否した。
・事態収拾のめどはつかず、混乱が拡大している。
・同国への入国キャンセルは160万人を超えた

◆イラク議会、2009年以降の米軍駐在を承認(27日)☆
・イラク議会は米国との地位協定を条件付きで承認した。
・米軍の駐在を2009年以降も2011年まで認める内容。
・都市の戦闘部隊は2009年6月まで駐留を認める。
・ただ、7月30日までに国民投票での承認を条件にしている。
・協定承認により、米は合法的に駐在を維持。空白を回避できる。
・協定は11年末までの撤収に道筋を付けており、出口作戦にの土台にもなる。

◆オバマ氏が次期政権経済チーム発表(24日)☆
・オバマ次期大統領が政権の経済チーム人事を発表した。
・財務長官にガイトナーNY連銀総裁を起用。金融熟知を強調した。
・NEC委員長にはサマーズ元財務長官を起用。
・オバマ氏は歴史的な経済危機に直面していると強調。
・2年間で250万人の雇用創出も掲げた。
・26日には経済再生諮問委員会の新設を発表。委員長はボルカー元FRB議長。

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 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【経済も安保も】 インドのボンベイで26日同時テロが発生、世界に衝撃を与えた。国際テロ組織の関与が濃厚で、問題はインド国内にとどまらない。アフガン、パキスタンからインドにつながる南アジア情勢が悪化すれば、国際的な安全保障を揺るがしかねない。世界はテロとの対峙を改めて問われる。
 タイの空港封鎖も衝撃的なニュースとして伝わった。事件には同国の特殊事情があるのはもちろんだ。しかし、世界経済が悪化する中で国家運営が困難に直面し、社会不安が拡大し国の基盤が揺らぐ面があるのも事実。その点は共通する国も少なくなく、世界の安定にも関係する。
 9月以降、国際社会の関心はまず金融危機と経済悪化に集まっていた。それが「経済も安保も」へと推移した。

◎今週の注目: 2008年11月30日-12月6日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・米国で自動車Big3の救済論議が再開する。
・COPP14がポーランドのポズナニで。
・北朝鮮が1日、南北陸路を遮断する予定。
・ECB理事会が4日開催。再利下げの可能性が濃厚。

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2008年11月24日 (月)

2008年47号(11.17-23 通算439号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年11月17-23日
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◆海賊が巨大タンカーを乗取り ☆
・ケニア沖でサウジ国籍の大型タンカーが15-16日に海賊に乗取られた。
・犯人は身代金を要求し船をソマリア沖に曳航。1週間を経て未決着。
・海賊による乗取りでは史上最大規模。
・船は原油200万バレルを満載し米国に向かっていた。乗組員は25人。
・事件後も少なくとも3件の乗取りが続発。被害が続いている。
・米国などは軍艦を送り警戒にあたってきたが、成果は限定的だ。
・ソマリア周辺では近年海賊被害が増加。今年はすでに100件に及ぶ。

◆世界的に株、商品下落。原油は50ドル割れ ☆
・経済後退の影響で、世界的に株価や原油など商品価格の下落が続く。
・NYダウは20日7552ドルまで低下。2003年3月以来5年8月ぶりの安値。
・NYのWTI原油先物は20日に1バレル=50ドルを割り込んだ。2005年5月以来。
・銅や食料などの価格も下落している。
・経済指標は悪い数字が相次いだ。企業の人員削減も続く。

◆米自動車産業の救済議論が本格化
・米民主党は17日、公的資金による自動車業界救済法案提出を発表した。
・これを受けて自動車業界救済議論が熱を帯びている。
・Big3トップは20日上院公聴会で証言。
・GMのワゴナー会長は自力再生は無理と証言。つなぎ融資を要請した。
・しかし公的資金投入への反対も強く、議論は収束しなかった
・民主党幹部は20日審議凍結を発表。3社の再建案を待って再審議する。
・自動車業界救済は、金融と並び目下の経済運営の最大案件となっている。

◆APEC首脳会議(22-23日)
・APECの首脳会議がペルーのリマで開催。金融危機や世界経済を協議した。
・特別声明を採択はワシントンのG20首脳会議の宣言を支持。
・新たな貿易保護措置の導入禁止や、WTO交渉の年内大枠合意への意欲を示した。

◆国連、コンゴPKO増強を決議(20日)
・国連安保理はコンゴに展開するPKO部隊に3100人を増派すると決議した。
・現在の配置は約1万8500人で世界最大。
・大量の避難民発生など事態悪化に対応した。ただ、効果は不明だ。
・コンゴ東部では政府と反政府軍の戦闘が拡大。混乱が拡大している。
・国際社会の関与のあり方も問われている。

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◎寸評:of the Week
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 【海賊の背景】 サウジアラビア国籍の大型タンカーがケニア沖で海賊に乗っ取られた。タンカーの大きさは空母並みで、この種の被害としては史上最大規模。巨大船舶が海賊の支配の下に漂う映像は衝撃的だ。
 世界にこんなショックが走ったのは初めてだが、実は海賊被害は珍しいものではない。ソマリア沖でここ数年被害が頻発し、今年はすでに約100件を数える。世界では常識を超える事が起きていると、改めて思い知る。
 海賊多発の背景にあるのはソマリアの混乱だ。同国は90年代以降の内戦で事実上無政府状態で、アルカイダなどテロリストが跋扈する。高リスクのテロや犯罪行為に走らなければ生きていけない人も多い。海賊もそうした中から出てきた。
 国家崩壊による混乱や人権の侵害も、それだけでは国際社会の注目を集めにくい。海賊のような衝撃があって初めて衝撃が伝わる。これは大量の避難民を出している近隣のコンゴ紛争も同じ。悲しいけれど、それが厳しい現実だ。

 【オバマ政権】 米国のオバマ次期大統領が18日、環境政策について表明。2020年までに温暖化ガス排出量を1990年並みに抑える方針を打ち出した。人事ではヒラリー・クリントン国務長官の指名が現実味を強め、焦点の財務長官にはNY連銀のガートナー総裁が有力。大統領当選直後の高揚感はすでに過ぎ、次期大統領としての判断力、指導力が問われる段階に移っている。

 【世界経済・宴の後】 引き続き、経済悪化のニュースが相次ぐ。この1週間を見ても、経済悪化の指標発表が続き(米10月の住宅着工が過去最低など)、株価や原油など商品価格は下落した。企業は人員削減を相次いで発表した。
 金融危機関連では目下の注目は米シティグループ。17日に5万数千人の人員削減を発表したが、市場は再建計画が不十分と判断。株価は急落し窮地に陥った。
 米自動車産業の救済論議が沸騰したが、結論は持ち越し。次の山場は12月初旬だ。
 こんな中、ドバイでは20日に世界最高級の豪華ホテルがオープン。金融危機の局面に不似合いなド派手なセレモニーを行った。ドバイ経済も金融危機の影響で減速しているが、それを忘れさせる様な演出だった。
 世界経済のバブル崩壊による「宴のあと」の風景は様々だ。

◎今週の注目: 2008年11月24-29日
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・株価急落で窮地に陥った米シティグループの動向が注目。追加再建策を打ち出すか。
・米オバマ次期政権の人事調整が続く。ヒラリー・クリントン国務長官派実現するか。発表は28日以降の見込み。
・28日にIPECの臨時総会がカイロで。

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2008年11月17日 (月)

◆G20首脳会議と世界経済 2008.11.16

 金融危機を協議するG20首脳会議が14‐15日、米ワシントンで開かれた。首脳宣言は主要国の協力強化を強調。危機克服に向けたメッセージを出した。しかし具体的な対応については課題を列挙したにとどまり、詳細の検討はこれから。おおむね、事前予想に沿った内容になった。

▼首脳宣言の内容
 会議後に発表された首脳宣言は16項目で、金融危機と世界経済について幅広い内容に及ぶ。ポイントをまとめれば以下の通りだ。

・金融危機と世界経済の再建に、主要国が協力して取り組むことを強調。
・危機の原因を分析(共通認識)=金融技術革新を背景に、十分なリスクを評価することなく金融商品が急速に膨張。当局は適切な監督を行えなかった。
・金融市場改革のための共通原則=(1)健全な規制の拡大(2)規制当局の国際連携、国際基準づくり(3)IMFなど国際金融機関の改革、など。
・行動計画づくり=財務相・専門家に指示。緊急度の高いものは2009年3月末までに。
・開放経済へのコミット=市場経済の重要性、保護主義への警戒などを確認。
・今後のスケジュール=2009年4月までに次期首脳会議を開催。

▼ホワイトハウスの説明
 会議後にホワイトハウスが発表した声明は、会議の成果として次の5点を強調している。
・金融危機の原因について共通認識を持った。
・危機対応と景気政策で各国がとってきた対応をレビューした。
・金融市場改革についての基本原則に合意した。
・行動計画づくりに合意。具体的作業を財務相レベルに指示した。
・市場経済の重要さを確認。

▼政治メッセージ
 世界の主要20カ国が集まり、結束して危機に取り組む表明をした意義は、軽視すべきではない。会議に参加した20カ国のGDPは世界の85%。社会主義国家の中国や、専制国家のサウジアラビアなども参加した。
 主要国は政治や経済体制の違いを超えて、国際協調の重要性を共通認識している事を明確に示した。1920-30年代の世界恐慌の際に各国が自国利害を追及、保護主義に陥り危機を深刻化させたのとは大違いだ。
 ちなみに、世界の主要メディアがの見出し(もっとも単純化されたメッセージ)は以下の通りだ。

英Financial Times: World leaders unite to restore growth: G20 countries vow to reform financial regulation and global institutions
米NY Times: World Leaders Vow Joint Push to Aid Economy
米WSJ: G-20 Summit Presents United Front, but Offers Mostly Promises

▼予想通り
 宣言に盛り込まれた具体的な内容は、おおむね事前の市場の予想通り。当面の危機封じ込めのための資金の提供、適切な規制・ルールづくりの必要性、IMF強化などはいずれも危機表面化以来提案されてきたこと。首脳会議は詳細を話し合う場ではないので、閣僚や専門家に具体策づくりの指示をしたのも妥当な線だ。
 実体経済悪化防止のために、各国が必要な措置を取る旨を強調したのも予定通り。首脳会議に先立つ9日、G20の財務相・中銀総裁は財政支出支持を表明した。中国は9日、総額4兆元の景気刺激策を発表。ドイツ、日本などが景気刺激策を取りまとめたのも、首脳会議をにらんだ動き。

▼玉虫色
 その一方で、主要国間に温度差があるのも軽視できない事実だ。参加国は「適切な規制」で一致するが、欧州諸国がヘッジファンドなどを含めた幅広い規制を主張するのに対し、米国は慎重。中国や新興国は固有の事情を抱える。結局宣言は、大原則の確認にとどまった。
 IMFなど国際機関の改革についても、欧州諸国はIMFに監督権限を付与するなど大胆な改革を志向する。ブラウン英首相が「ブレトン・ウッズ2」などというのもこのためだ。それに対し米国は既存体制を維持した上ので改革を想定する。中国など途上国の発言力強化も総論では異論ないが、具体策になると意見が割れる。議論が詰まることはなく、玉虫色の結論にとどまった。

▼今後のスケジュール
 宣言は行動計画のうち緊急課題について、2009年3月31日までに取りまとめるよう財務相レベルに指示した。その上で2009年4月末までに次回の首脳会議を開催する。
 世界経済は急速に悪化しており、金融危機が今後もくすぶり続けるのは確実。行動計画といっても、万能薬が期待できるわけではない。課題は山積している。
 それでも危機克服に向け、主要国が協調して行動をとり続けることは極めて重要だ。目先では、米国がオバマ新政権の下でどう動くかが注目だ。

▼参加国
 今回の首脳会議は、金融危機対応という課題克服に加え、世界の意思決定プロセスの変化という意味からも重要だ。ブラジルのルラ大統領は、G8が既に重要性を失いつつあるという趣旨の発言をした。
 参加国を改めて確認すると、以下の20カ国(地域)だ。

・G8+1(9)=米国、日本、英仏独伊、ロシア、カナダ、EU
・新興国・産油国(9)=中国、インド、ブラジル、メキシコ、南ア、トルコ、アルゼンチン、インドネシア、サウジアラビア
・他の先進主要国(2)=豪州、韓国

2008.11.16

2008年46号(11.10-16 通算438号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年11月10-16日
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◆G20首脳、金融危機(14-15日)☆☆
・金融危機を協議する主要20カ国首脳会議がワシントンで開催した。
・首脳宣言は金融安定化と世界経済の再建に向けた協力を強調。
・健全な規制、IMFの改革推進、景気対策などを打ち出した。
・具体的な行動計画策定を財務相らに指示。来年4月までに次の会議を開く。
・主要国が危機克服に向け政治メッセージを発した意義は大きい。
・ただ合意は総括的・抽象的な部分も多く、具体化に向けた課題は多い。

◆ユーロ圏景気後退(14日)☆
・EUは7-9月のユーロ圏のGDPは前期比0.2%減となった。年率換算は0.8%減。
・2四半期連続のマイナスで、ユーロ圏は公式に景気後退入りした。
・独伊、スペインなどががマイナス成長を記録した。
・EU27カ国レベルの成長率はマイナス0.2%だった。

◆世界各地で人員削減相次ぐ
・世界の企業が景気悪化に対応し、相次ぎ人員削減に乗り出した。
・米シティは35万人の社員から6万人削減の予定。米紙が報じた。
・英BTは16万人から1万人を削減。地域、業種を超えて広がっている。
・実体経済悪化の影響は、失業率に影響してくる段階に入った。

◆台湾当局、陳水扁前総統を逮捕(12日)☆
・台湾検察当局は陳水扁前総統を逮捕した。
・総統府の機密費流用などの疑い。
・陳前総統は不当逮捕と主張。ハンストで抵抗している。
・改革の旗手だった前総統のイメージ低下は著しく、社会への影響も大きい。
・李登輝元総統も突き放したコメントをしている。
・陳氏は2000年に民進党から総統に就任。初の政権交代を実現した。

◆EU・ロシア首脳会議、協力協定交渉を再開(14日)☆
・EUとロシアがニースで首脳会談を開催。
・グルジア紛争を機に凍結していた協力協定の交渉再開で合意した。
・金融危機対応への協力などでも一致した。
・グルジア紛争後の対立が緩和に向かう傾向が鮮明になった。

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◎寸評:of the Week
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 【世界経済悪化とG20首脳会議】 世界経済悪化のニュースが毎日のように流れる。ユーロ圏の景気後退入りが正式に確認され、企業からは業績悪化や人員削減の発表が相次ぐ。金融機関の経営危機も続いている。そうした中でワシントンでG20首脳会議が開催。危機克服に向けた政治メッセ維持が発せられたが、具体策はこれからだ。

 【失業拡大】 世界経済の悪化で失業率が拡大しつつある。米項ではすでに10数年ぶりの失業率に上昇。低下傾向が続いていた欧州も反転の兆した出てきた。それが社会不安の原因になる懸念は消えない。途上国も過去数年の世界経済好調の恩恵が、社会の不安定回避にむずんびついていた面がある。イラク情勢がこのところ改善した背景トして、この要因は無視できない。経済悪化、失業拡大でそれがどう変わるか、目が離せない。

◎今週の注目: 2008年11月17-22日
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・APEC首脳会議が22-23日にリマで開催される。

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2008年11月 9日 (日)

◆オバマ大統領と世界 2008.11.9

 米大統領選で民主党のオバマ候補が当選した。米国初の黒人大統領誕生はそれ自体で歴史的。しかも金融危機へ対応、失われた米国の威信回復など難問に直面しており、世界のリーダーたる米大統領の課題は通常時とは比べ物ならないほど大きい。オバマ氏は色々な意味で「歴史の転換点」に向き合うことになる。

▼歴史的な意義
 オバマ大統領誕生の歴史的な意義は、いくら強調しても協調し過ぎることはない。米国230年あまりの歴史で黒人大統領は初。人種差別は1863年の奴隷解放宣言の後も続き、公民権運動で公的差別が廃止されたのは1960年代だ。
 それからわずか40年あまりで黒人大統領誕生となったのは、多くの米国人の予想を上回る速度だ。米メディアはオバマ氏当選を、黒人奴隷の歴史や公民権運動の歴史と重ね合わせながら重厚に報じた。
 NYタイムズ紙は当選を"OBAMA: Racial Barrier falls as voters embrace call for change"(人種の壁が落ちた)と評した。歴史の転換を予想した人々は、時代を体験する意図も込めて投票所に長蛇の列を作った。
 黒人大統領誕生は政治的にはもちろん、社会・文化的にも画期的な出来事となる。世界史年表上には、もちろん重要事項として記述されることになる。

▼「変化」への期待
 オバマ氏勝利は、黒人大統領を受け入れるようになった米社会の成熟や同氏の持つカリスマ性抜きには語れない。しかしそれと同時に重要なのが、米国民の「変化」への期待だった。
 ブッシュ政権の8年間を経て、米国は国家の威信の失墜、社会の分断、閉塞感など深刻な問題に直面するようになってしまった。
 国際世論の反対を押し切って進めたイラク戦争は、その後泥沼化。米国は国際的な信頼性を損ない、世界はリーダーシップ不在の状況に陥った。大義なき戦争で4000人にも上る米兵が死者し、戦費負担は拡大。米社会には閉塞感が漂い、経済にとって重い負担になっている。
 そこに加わったのが金融危機。サブプライム問題に端を発した危機は、政権が推進してきた自由市場万能主義のツケという側面が大きい。しかも結局、多額の公的資金投入による金融機関救済に動かざるを得なくなった。この結果、国民に負担を強いるのみならず、政権が唱えてきた経済哲学は自己否定された。
 金融危機の影響で米経済は深刻な不況に直面。人々は家を失い、失業率は上昇している。国民生活への負担は大きい。
 だからこそ国民はブッシュ政権時代からの決別と改革を要望。これに答えたのがオバマ氏の主張する変化(Change)だった。

▼次期大統領始動
 当選を受けて、オバマ次期大統領はさっそく動き出した。4日の勝利演説では「米国に変革が訪れた」と改革推進を強調。5日には移行準備チームを発足させ、首席補佐官にエマニュエル下院銀を指名するなど人事にも着手した。国務省からは毎日ブリーフィングを受け、主要国首脳とも電話会談をした。7日には経済専門チームの会合を開催。金融危機への対応などを協議した。
 ブッシュ政権の「死に体」ぶりは、従来の政権の末期以上。それもあって、オバマ次期大統領の動向には通常の政権交代期とは比べ物にならないほど注目が集まる。
 欧州や日本など同盟国はもちろん、ロシアや中国も次期大統領への期待を表明。シリアのアサド大統領やベネズエラのチャベス大統領のような反米指導者も、対話の糸口模索のシグナルを送った。
  
▼重い課題
 次期大統領の課題は、ある意味では明確だ。当面は、次の3つが最重要テーマ。
(1)金融危機対応
(2)景気対策
(3)イラク・アフガン政策と対テロ戦争(イラク撤退の方針、アフガン増派など)

 これに加え、以下の課題も極めて重要。いずれも世界の枠組みや政権の基盤を揺るがしかねない大問題だ。
(4)国際協調体制の再構築(欧州同盟国との関係改善、対話重視)
(5)ロシアとの関係
(6)核拡散問題(イラン、北朝鮮など)
(7)パレスチナ和平など重要な地域問題
(8)環境問題
(9)医療制度改革(選挙の公約)
(10)米社会の融和促進

▼早々の難問
 課題はいずれも「すっきりした解」などない難問だ。(2)の景気対策は財政赤字拡大や保護主義台頭とのトレードオフになるし、(3)のイラク政策はいたずらに撤退を急ぎ、現地の治安が悪化したら元も子もない。(4)の対話重視は、下手をすればテロや国際ルール無視の助長につながりかねない。
 米自動車産業からは早速、政府補助を求める声が高まってきた。ロシアのメドベージェフ大統領はオバマ次期大統領との建設的対話を強調する一方で、欧州内飛び地のカニーニングランドへのミサイルシステム配備計画を発表。米国のミサイル防衛システム(MD)の中欧配置への牽制球を投げてきた。
 オバマ氏もこうした問題の難しさを知っているから、楽観を戒める。当選決定直後の4日夜のシカゴでの勝利演説では、「今夜はお祝いでも明日には重い課題が待っている」と引き締めた。
 メディアもオバマ氏への大きな期待が、失望に変わりかねないリスクを指摘する。
 オバマ氏は「来年1月までは米大統領はブッシュ氏1人」とブッシュ政権との連帯責任回避に努める。それでも、すでに就任前から正念場を迎えている事は間違いない。 

▼大いなる期待
 英Economist誌最近号は、オバマ大統領当選を"The Great Expectation"(大いなる期待)と報道した。期待が失望に変わるリスクはもちろんある。それでも黒人大統領誕生という歴史的の新たな扉を開き、「米国に変革が訪れた」と国民を熱狂させる力のある政治家の存在は大きい。
 金融危機への対処など不可避な課題への受身の対応はもちろんだが、プラスアルファとして何ができるのか。これを早急に占う材料はもちろんまだない。ただ、世界がオバマ次期統領とともに「変化への対応」を迫られるのは間違いない。
 こうした視点も備えながら、オバマ大統領を見つめていく必要がある。

2008.11.9

2008年45号(11.1-9 通算437号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年11月1-9日
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◆米大統領にオバマ氏(4日) ☆☆☆
・米大当選が実施され、民主党のオバマ候補が第44代大統領に当選した。
・黒人の大統領は初で、米国史にとって歴史的な出来事。
・同氏は変化を強調。経済悪化やイラク政策によるブッシュ政権への不満を吸収した。
・民主党政権は8年ぶり。同時に行われた上下両院選も民主党が制した。
・5日には移行準備チームを発足。首席補佐官など人事にも着手した。
・新大統領は金融危機への対応や景気対策、イラクなど緊急の課題に直面する。

◆IMF予測、先進国マイナス成長に(6日)☆
・IMFの世界経済見通しによると、2009年の経済成長は日米欧ともマイナスになる。
・金融危機の影響によるもので、前回予測を大幅下方修正した。
・途上国も減速。世界全体では08年が3.7%、09年が2.2%の成長となる見通し。
・世界経済は急速に悪化。日米欧はすでに景気後退入りしたとの見方が強い。

◆ロシア、ポーランド隣地にミサイル配備(5日)☆
・メドベージェフ大統領は年次教書演説で、新型ミサイル配備を表明した。
・欧州内の飛び地カリーニングラードに射程400キロのイスカンデルを配備する。
・同時に妨害電波装置の設置計画も明らかにした。
・同国は米の中欧へのミサイル配備計画に反対しており、対抗措置とみられる。
・オバマ大統領当選をにらんで米国を牽制した模様。
・ロシア・欧米関係はグルジア侵攻で悪化。米政権交代後の行方が注目される。

◆欧州、一斉に利下げ(6日)☆
・欧州中銀や英中銀など欧州の中銀は一斉に政策金利を引き下げた。
・英中銀は4.5→3%に削減。53年ぶりの低水準になる。1.5%幅の下げは81年以来。
・欧州中銀は3.75%→3.25%に利下げ。スイス中銀なども追随した。
・引下げは10月8日の米欧協調利下げに次いで2カ月連続。
・欧州経済の急速な悪化、金融危機に対応した。

◆NZ総選挙、国民党が9年ぶり政権(8日)
・ニュージーランドで総選挙を実施。中道右派の野党・国民党が勝利した。
・少数政党との連立で9年ぶりに政権に復帰する。首相にはキー党首が就任する。
・景気後退色が強まる中、経済改革を強調した。

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 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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◎寸評:of the Week
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 【歴史的な米大統領選】 米大統領選は事前予想通りオバマ氏が当選。黒人初の米大統領決定という歴史的な週になった。ネットによる選挙資金の募集や、ユーチューブ選挙といわれたキャンペーンなど、選挙戦も時代を画する。様々な意味で歴史の曲がり角を感じさせた。

 【世界経済】 世界経済の悪化が、いよいよ本格化してきた。7日発表の米の10月失業率が14年ぶりに6.5%に上昇するなど、発表される統計はいずれも悪い数字のオンパレード。IMFが発表した世界経済見通しは、日米欧の先進国がいずれも20009年にマイナス成長に陥ると予想した。世界同時不況はもはや織り込み済み。問題はどこまでひどくなり、どれだけ続くか(それは政策いかんの面が大きい)に移っている。

◎今週の注目: 2008年11月9-15日
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・金融危機対応を協議するG20首脳会議が14-15日に米ワシントンで開催される。首脳らが何を協議し、どんなメッセージを打ち出すかは極めて重要。今後の世界経済の行方を左右する。
・オバマ次期大統領の政権発足に向けた動きが加速する。人事の推進や、金融危機など懸案に対する考え方などを次々に打ち出す見込み。

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2008年11月 3日 (月)

2008年44号(10.26-31 通算436号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年10月26日-31日
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◆米国がマイナス成長、金利は最低水準に(29-30日) ☆
・08年7-9月のGDPは年率実質0.3%のマイナスになった。1-3月以来の減少。
・消費は3.1 %減と17年ぶりのマイナス。設備投資、住宅もダウンした。
・先立つ29日のFRB公開市場委員会は、FF金利誘導目標を1.5→1%に引き下げた。
・金利1%は2004年6月以来4年4月ぶりで、過去最低水準に並んだ。
・サブプライム問題が表面化した2007年夏以降の利下げは9回目。
・4-6月には独日、7-9月には米英がマイナス成長。
・先進国はすでに不況入りしたとの見方が強い。

◆市場乱高下が続く、急速な円高に警戒 ☆
・株、為替、商品などは乱高下を続けた。
・27日は世界的に株が下落。日経平均は26年ぶりの水準に落ち込んだ。
・その後28日のNYで約10%上昇するなど不安定に動きを続けている。
・G7は27日、急速な円高を警戒する緊急声明を出した。
・日本は31日、政策金利を0.5%右や0.3%に引下げた。

◆コンゴ東部で紛争激化、大量の避難民 ☆
・コンゴ東部で紛争が激化。反政府武装勢力による政府軍への攻勢が強まった。
・反政府勢力は中核都市のゴマに迫り、大量の避難民が出ている。
・ゴマや郊外の難民キャンプから約20万人が追われたとの情報がある。
・国連など国際社会は、重大な人権問題と警戒を強めている。
・反政府勢力のヌクンダ将軍は地域の少数派部族の保護を名目にする。
・しかし情報は交錯。ルワンダ関与の観測も流れ、真相ははっきりしない。
・コンゴ東部には94年のルワンダ虐殺の後、フツ族住民が流れ込み民兵化した。
・98-02年には紛争が勃発。その後も情勢不安定が続いている。

◆米大統領選、オバマ氏優位で大詰め ☆
・米大統領選は選挙戦の大半を終了。11月4日の投票に臨む。
・世論調査ではオバマ氏の優勢が一段と鮮明になっている。

◆イスラエル、前倒しで総選挙へ (27日)
・与党カディマの新党首・リブニ外相による連立交渉が失敗。
・ペレス大統領は27日、2010年に予定されていた総選挙の前倒し実施を決めた。
・来年早々に実施の見込み。
・パレスチナ和平も当面は動きが見込めなくなる。

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 INCDの採点
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◎寸評:of the Week
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 【世界同時不況】 金融危機の影響で、実体経済の悪化が移送鮮明になってきた。米国の7-9月のGDPは実質年率0.3%のマイナス。10-12月はさらに悪化しそうで、すでに景気後退入りしたとの見方が強い。
 米欧日など各国は一斉に景気対策に動き出した。一層の金融緩和、減税、中小企業の資金繰り支援など。財政が一時的に悪化するのもいとわない姿勢だ。
 金融機関の破綻は引き続きあちらこちらで表面化。イングランド銀行が28日に発表した報告は、米欧の金融機関の評価損が2.8兆ドルに上るとの試算を発表した。中小・周辺国の資金繰り悪化も続いている。危機はなお先が見えない。
 当面は11月15日の金融危機対応の首脳会議などが焦点になる。

 【コンゴの紛争】 今後東部でまた紛争が激化。大量の避難民が出ている。逃げ惑う人々の映像が流れ、国際社会も対応に動き出した。それにしても1990年代のルワンダ虐殺以来、この地域は紛争の連続。人権保護の掛け声も空しく聞こえる。

◎今週の注目: 2008年11月1日-8日
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・米大統領選は4日に投票。世論調査では民主党オバマ候補が優勢で、初の黒人大統領誕生となる可能性が大きい。
・金融危機と経済の行方に引き続き注目。6日には欧州中銀が理事会を開く。
・ロシアのメドベージェフ大統領が5日、初の年次報告演説をする。

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