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2008年9月

2008年9月28日 (日)

◆緊迫続く米金融危機 2008.9.27

 前週から引き続き、米金融危機を巡り緊迫した状況が続く。
 米政府は従来の政策姿勢を大転換し、多額の公的資金投入に踏み込んだ救済策を提案。議会と調整に入った。しかし取りまとめは予想外に難航。大統領選・議会選を1か月強後に控え、納税者に不人気な案に対する政治の抵抗の強さを物語った。
 そうしている間も市場は揺れ、破綻の連鎖の波は波は大手銀行にまで及んだ。世界は「金融システム崩壊」の悪夢を振り払えないまま、綱渡りの状況が続く。

▽政策の大転換:公的資金投入へ
 前週のリーマン破綻、メリル身売り、AIG支援を受けて、米政府は7000億ドルの不良資産買い取りを柱にした金融救済策を議会に提案した。
 これまで自由経済と小さな政府を信奉し、公的資金投入に否定的だったブッシュ政権にとっては、政策の大転換になる。しかも金額は日本円で70兆円以上と半端ではない。
 ポールソン財務長官らは、もはや公的関与なしには金融システムは維持できないと危機感をあらわにした。ブッシュ大統領もプライムタイムのテレビ出演で国民に理解を訴えた。

▽調整難航
 しかし、議会での審議は予想外に難航している。いったんは運用面などで議会両党の修正を受け入れることで妥協が成立するかに見えた。しかし25日にホワイトハウスで開催したオバマ、マケイン両候補を交えての協議は合意に失敗。当初目論んだ26日までの週内決着は果たせなかった。
 土壇場になって抵抗したのは野党民主党ではなく、与党共和党だった。メディアが"House Republican"と表現する下院の保守派だ。
 保守派はもともと政府の介入に批判的。しかも11月の選挙(大統領選と同時)を控え、有権者に不人気な政策を掲げては選挙を戦えない。
 政府の救済策は、金融システムを守る目的だが、金融機関を守る側面もある。英Economist最新号の表紙は、"I want your money"というポールソン財務長官のイラストで飾られた。これが有権者のイメージだ。
 共和党は納税者に負担をかけない代替案を準備した(内容は不透明な点が多い)。こうした動きを、マケイン候補は無視できなかったとみられる。
 政府・議会はぎりぎりの調整を続けているが、予想外の難航は政治的抵抗の強さを改めて認識させた。

▽淘汰の波
 調整難航を見て、市場は荒れた。経営の悪化した金融機関株は、売りが集中。破綻に追い込まれた。
 25日には預金量で全米6位のワシントン・ミューチュアルが破綻。JPモルガンチェースが買収した。経営危機の観測と株価下落に預金流出が進展。とどめを差した。
 26日には4位のワコビアが身売りの検討に入ったとの報道が一斉に流れた。
 淘汰の波は証券会社(投資銀行)、住宅公社から銀行に及んだ。

▽銀証の垣根消滅:業界一気に再編
 先立つ21日には投資銀行首位のゴールドマン・サックスと2位のモルガン・スタンレーが持ち株会社に移行すると発表した。これにより両者はFRBの厳しい監視下に入る一方、融資を受けられるようになる。
 大恐慌下の1933年制定のグラス・スティーガル法は、銀行と証券の兼業を禁止した。両業界の垣根は1970年代以降の金融自由化以降で徐々に低くなってきたが、今回の完全に消滅する。同時に証券中心にハイリスク・ハイリターンの業務を専業で行ってきた投資銀行という業態は消滅する。
 さらにモルガン・スタンレーは22日資本強化のため、三菱東京UFJの出資を受けると発表。ゴールドマン・サックスも23日、75億ドル以上の増資を発表した。ウォーレン・バフェット氏の投資会社などから出資を受ける。
 米金融業界は金融危機を契機に、かつてない速度で淘汰と再編の波を受けている。

▽大統領選を左右
 金融危機は、11月4日の投票まで1か月強に迫った米大統領選の行方も左右する。
 共和党のマケイン候補は24日、救済策がまとまるまでの選挙戦中断と、26日に予定された第1回討論の延期を提案した。共和党内の対立に焦点が当たるのを避ける狙いなどがあったとみられる。これに民主党・オバマ候補は「大統領は同時にいくつもの案件の処理が求められる」と反論。結局討論は予定通り、ミシシッピ州で開催された。
 第1回討論は外交・安保を中心テーマにする予定だったが、ほぼ半分が金融危機対策に費やされた。
 この問題では与党共和党の党内対立が深刻で、野党民主党の方が「ブッシュ政権の失政」と攻撃しやすい。しかし、情勢は日毎に変化している。不利とみれば土壇場で有権者受けのする政策を打ち出すことも考えられる。
 さらにオバマ、マケイン両氏は25日のホワイトハウスでの協議に出席、すでに半ば当事者になっている。無責任な事をいえば自分に跳ね返ってくる。この問題でインタビューに答えるオバマ氏の表情は、いつになく深刻だった。
 ブッシュ政権の求心力はすでに低下。大統領候補者や議員は、選挙と危機を両にらみして難しい決断を迫られる。そうした中で未曾有の危機に対応できるのか。米国の政治力が問われている。

▽資本主義の行方
 金融危機は、米国や世界の資本主義のあり方そのものに焦点を当てさせた。「金融資本主義の暴走」は批判され、1980年代以降の市場重視主義は曲がり角(終焉)に来たと指摘される。
 ブッシュ政権は、忌み嫌っていた「政府の介入」を前面に出す救済策を出さざるを得なくなった。コペルニクス的転換のような案に、共和党保守派は戸惑い、反発する。
 ただ当面は規制強化が避けられないとしても、長期的な流れを占うのは難しい。規制だらけでは経済が委縮することを、世界は第2次大戦後の経験から学んだ。英Financial Timesは27日、"In Praise of free maeket"(自由市場礼讃)という社説を掲載。反市場主義感情の高まりに警戒を示した。
 金融危機の問いかける問題は幅広く、深く、そして重い。

(2008.9.27)

2008年39号(9.21-27 通算431号) 国際ニュース・カウントダウン

 
◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年9月21-27日
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◆米金融危機続く、政府が7000億ドルの救済策 ☆☆
・米金融危機は緊迫した状況が続いている。
・米政府は救済策を19日議会に提出。大統領選候補も交え調整に入った。
・不良資産買取に最大7000億ドルの公的資金を投じる内容。
・公的資金に否定的だった政策から、抜本転換となる。
・しかし調整は予想外に難航。1週間を経た26日までに合意に達していない。
・26日の大統領選の討論でも、金融危機が最大テーマになった。

◆米大手銀が破綻、投資銀行は消滅 ☆☆
・預金量6位のワシントンミュー・ミューチュアルが25日に破綻した。
・預金流出が引き金。JPモルガン・チェースが買収した。
・金融業界の破綻・淘汰が投資銀行(証券会社)から銀行に拡大した形。
・26日には4位のワコビアも身売りの検討に入った。
・ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは21日銀行持ち株会社に移行。
・FRBから融資が受けやすくなる。一方監督は強化される。
・1933年の銀証の垣根は完全に消滅。投資銀行は消滅する。
・モルガン・スタンレーは22日、東京三菱UFJからの出資受け入れを決めた。

◆中国乳製品の被害拡大 ☆
・中国産の乳製品から有毒物質のメラミンが検出。被害が拡大している。
・中国国内では5万人超の乳幼児が被害に遭い、治療中。1万3000人が入院した。
・シンガポール、台湾、香港などアジア各国は中国産乳製品の輸入を禁止した。
・火元は河北省の三鹿集団など。中国の安全対策の欠如が改めて表面化した格好だ。
・時間発覚後も公表は遅れた。中国当局の対応も批判にさらされている。

◆北朝鮮が核施設の封印を撤去(24日)☆
・北朝鮮は24日、寧辺の核施設の封印を撤去した。
・22日にIAEAに要請したうえで実施。IAEA職員も施設から追放した。
・北朝鮮は8月末に核無力化の作業を中断した。それに続く措置。
・6カ国協議では10月までに無力化終了を予定しているが、難しい情勢。
・米国のテロ支援国家指定解除を求め、強硬姿勢をちらつかせたとの見方が強い。
・金正日総書記の病気説流布を踏まえ、内部引き締めを狙ったとの見方もある。
・総書記の健康問題と併せ、不透明要因が増えている。

◆中国が有人宇宙船打ち上げ
・中国が有人宇宙船神舟7号を打ち上げた。
・有人飛行は3回目。27日には初の船外活動を成功させた。
・宇宙開発強化とともに、国威発揚を狙っている。

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 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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◎寸評:of the Week
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・引き続き米金融危機に世界が揺れている。

・米大統領選の討論も、当初予定のテロ・外交中心から金融危機中心に様変わり。NYでの国連総会でも、貧困対策はかすんだ格好だ。

・金融危機の陰に隠れたが、中国製乳製品禍の影響が拡大。金正日総書記の健康問題に注目が集まる北朝鮮は、核施設の封印撤去にでた。南アではムべキ大統領大統領が辞任。シリア首都のテロなど、世界は各地で動いている。

◎今週の注目: 2008年9月28日-10月4日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・米金融救済法案の調整の行方が最大の焦点。そうしている間にも金融危機は深刻化。米大手銀のワコビアやオランダのフォルテスなどの経営危機が表面化している。
・10月入り。米大統領選は投票まで1か月を切る。

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2008年9月21日 (日)

◆米金融危機と世界(2008.9.20)

▽世界の風景一変
 米金融危機で世界が震撼した1週間だった。
 週明けの15日未明、米投資銀行(証券)4位のリーマン・ブラザースが破産法を申請。米史上最大(負債総額6130億ドル)の破綻に陥った。同じ日、同3位のメリルリンチはバンク・オブ・アメリカへの身売りを発表。翌16日には米政府が保険最大手AIGを事実上管理下に置く救済策を発表した。
 いずれの会社もサブプライム問題で大幅な損失を出し、財務内容が悪化。株価急落で資金繰りが苦しくなり破たんや救済に追い込まれた。英国では不動産融資の多いHBOSをロイズが救済合併した。
 リーマン・ショックを受けて市場は混乱。市場金利は急上昇し、株価は急落した。中銀による大量の資金供給などでかろうじて連鎖破綻→金融システムの崩壊を食い止めた格好だ。しかしもちろん、不安は消えていない。
 大手金融機関がバタバタと破綻する動きは、さながら10年前の日本の金融危機を思わせ、世界は米国発金融恐慌の不安に怯えた。
 投資銀行は米経済繁栄の象徴として就職人気でもトップクラスだった。その花形産業の上位5社のうち3社が、わずかな間に独立企業として消えた(3月にはベア・スターンズが破綻)。職を失いダンボール箱を抱えて退社するエリート社員の姿が全世界に放映され、世の急変を印象付けた。
 米WSJと英Financial Timesはリーマン破たんの翌日の16日、奇しくも「世界は終わったわけではない」という同じ表現を使って社説を掲載した。こんな表現が出てきたのも、世界が地獄の入口を見たからこそ。世界の風景は、1週間で急変した。

▽見えぬ先行き
 事態が緊迫する中で関係者はギリギリの対応を重ねた。リーマンを巡っては12-14日にNYにポールソン財務長官やガイトナーNY連銀総裁、民間金融機関トップらがNYに集まり対応策を協議。企業分割による救済案なども俎上に上がったが、ポールソン財務長官はモラルハザード回避の観点から公的資金投入を拒否。結局、破綻へと進んだ。一方、AIGを巡っては金融システム全体への影響を考えた末に、政府管理下での保護を決定。結果的に180度異なる対応となった。
 米政府・当局の対応について、専門家の間ではやむを得ない判断という見方が多い。しかし、2重基準という批判は否定の仕様がない。市場は疑いの目を凝らして政策を見詰める。
 市場が動揺する中、米FRBや欧州中銀などは大量の資金を供給。動揺を抑え、資金不足からくる連鎖破綻などを抑え込んだ。財政規律などには構っていられない状況だ。
 さらに米政府・FRBは金融安定策を相次いで発表した。空売りの防止、貯蓄性の高い短期投資信託MMFの保護など矢継ぎ早だ。
 もともと米国では、金融機関の救済に公的資金(納税者のおカネ)を使うことには拒否反応が強い。公的資金投入がなければ金融不安解消は無理、という意見は早くからあったが、政治的に踏み込めなかった。
 3月のベア・スターンズ破綻時の救済や9月の住宅公社救済も、せっぱつまった状態に追い込まれた末の決定。対応は後手後手に回ることになった。
 19日のMMF保護などの決定に際しても、ブッシュ大統領は公的関与をなるべく避けたがったと伝えられる。これに対しポールソン長官は、無策の結果大恐慌を招いたフーバー大統領の2の舞になると説得したと報じられる。それだけ危機感は深刻ということだ。
 次の焦点は金融機関の不良債権(toxic assets)の買い取り機関の創設。米政府は原案を作り議会に近く提示した。しかし、調整は簡単ではない。危機対応の先行きはなお視界不透明だ。

▽パラダイムの転換
 歴史的にみれば、今回の金融危機は米国経済政策とパラダイムの転換点となる可能性がある。
 1980年代以降、米国は市場重視と規制緩和を旨とする経済政策を推進してきた。この土台の上に、金融分野では90年代以降、急速に証券化(Securitization)が進展。経済グローバル化の中で、ハイリスク・ハイリターン型のビジネスが世界に広がっていった。
 しかしサブプライム問題の表面化で、そうしたシステムの持つ脆弱さが露呈された。金融は逆回転を始め、システムの危機に直面している。
 そうした問題点が今回、ピークに達した感がある。米政府は公的資金投入を含む関与を迫られ、中長期的にも規制緩和から再規制へと流れが変わる可能性がある。英Financial Times紙は、「規制緩和の時代の終わりのように見える」と書いた。
 政治思想史的には、米政権は冷戦後を通じて市場経済と民主主義の拡大を掲げてきた。しかしイラク戦争の失敗などで、両者が歩調を合わせて実現するほど世界は単純でないことが明白になった。
 経済思想史的にも、金融危機のもたらす影響は大きい。

(20080920)

2008年38号(9.14-20 通算430号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年9月14-20日
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◆米金融危機、リーマン破綻、AIG政府管理下(15日)☆☆☆
・米金融市場が未曾有の危機に直面した。
・証券4位のリーマンは破産法11条を申請、破綻した。総負債は米史上最大。
・米大手銀のバンク・オブ・アメリカは証券3位メリルリンチ買収を発表した。
・16日には米政府が大手証券のAIGの救済策を決め、事実上管理下に置いた。
・いずれもサブプライムの損失→株価急落→経営悪化と進んだ。
・連鎖破綻の懸念から市場は混乱。株価は急落し、金利は急上昇した。
・日米欧当局は大量の資金を供給。米政府は空売り規制など安定策を発表した。
・しかし市場の動揺は収まらず、なお先行き不透明な状況が続いている。

◆ジンバブエ与野党が連立合意(15日)☆
・ムガベ大統領と野党MDCのツァンギライ議長が、連立政権樹立の合意書に調印した。
・新たに首相職を設置し、ツアンギライ氏が就任。大統領を権力を分割する内容。
・約30年続いたムガベ独裁体制に変化が生じる可能性がある。
・同国では今年前半に実施した大統領選を巡り与野党が対立。
・アフリカ諸国の仲介もあり、権力分担(Power sharing)の交渉を続けていた。
・ただ、合意がどこまで守られるかなど流動的な面も多い。

◆タイ首相にソムチャイ氏(17日)
・政局混乱が続くタイの国会は新首相にソムチャイ首相代行を選出した。
・同氏はタクシン元首相の義弟。与党の支持を受けた。
・同国ではサマック首相が憲法規定で失職。与党は再選を断念し新首相を選んだ。
・ただ反与党のPADは早期選挙などを求めており、行方はなお不透明だ。

◆イスラエル与党党首にリブニ氏(17日)☆
・与党の第1党カディマの党首選が開催。リブニ外相が当選した。
・オルメルト首相の後任として次期首相に就任する可能性が高い。
・同氏はパレスチナとの和平を担当。交渉の基本路線は維持する見通し。
・ただ現行の連立から宗教右派政党が離脱を示唆。調整は難航しそうだ。

◆パキスタン首都で自爆テロ(20日)
・イスラマバード中心部のマリオットで大規模な爆発があった。
・少なくとも40人が死亡、100人以上が負傷した模様。
・イスラム過激派の自爆テロの可能性が大きい。
・ザルダリ大統領は同日の施政方針演説でテロ絶滅を主張。
・一方で過激派との対話路線も強調した。
・演説直後のテロで、大統領のテロ対策にも影響しそうだ。

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◎寸評:of the Week
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◆米金融危機と世界

▽世界の風景一変
 米金融危機で世界が震撼した1週間だった。
 週明けの15日未明、米投資銀行(証券)4位のリーマン・ブラザースが破産法を申請。米史上最大(負債総額6130億ドル)の破綻に陥った。同じ日、同3位のメリルリンチはバンク・オブ・アメリカへの身売りを発表。翌16日には米政府が保険最大手AIGを事実上管理下に置く救済策を発表した。

◎今週の注目: 2008年9月21-27日
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・米金融危機の行方から目を離せない。当面は不良債権買い取り機関の設置など米政府の対応策が注目点。経営危機に直面する他の金融機関では、何が起きても不思議ではない。投資銀行首位のゴールドマン・サックス、2位のモルガン・スタンレーの行方も関心事だ。
・米大統領選のオバマ、マケイン両候補の討論が26日。テーマは外交中心。
・パキスタンのザルダリ大統領が23日にブッシュ米大統領と会談する。テロ対策、パキスタン内での米軍の活動など世界の安全保障のとって関心は大きい。

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2008年9月14日 (日)

2008年37号(9.7-13 通算429号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年9月7-13日
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◆米住宅公社を国が管理、公的資金投入へ(7日)☆☆
・米政府は住宅公社のファニーメイとフレディマックを管理下に置くと発表した。
・公的資金注入を前提にした決定。両社の経営陣は刷新する。
・金融システムの危機回避のためには、政府の直接支援が不可欠と判断した。
・納税者からの批判を覚悟して国家管理・公的資金投入に踏み込んだ。
・市場は今回の措置により、短期的な危機は回避できると受け止めている。
・ただ米住宅市場の悪化は続いており、長期的な不透明感は消えない。

◆金正日に重病説(9日)☆
・北朝鮮の金正日総書記が重病にかかったとの情報が流れた。
・総書記は9日の建国60周年式典を欠席。米韓メディアが一斉に報道した。
・8月に脳梗塞か脳卒中で倒れたという情報が流れているが、未確認。
・その後の経緯についても情報が交錯している。
・同国の行方、核問題など不確定要因が増加した。

◆ユーロ高基調に変化、欧州の景気減速鮮明に ☆
・欧州委員会は10日経済予測を発表。見通しを大幅下方修正した。
・ユーロ圏の2008年の成長率は1.3%に低下。ドイツなどは景気後退の恐れがある。
・これを受けて為替市場ではユーロ安が進展。対ドルで1年ぶりの安値となった。
・ここしばらく続いたドル安・ユーロ高の基調が変化している。
・NY原油先物は5か月ぶりに1バレル=100ドルを割り込んだ。

◆タイ首相が失職、政治混乱拡大 ☆
・憲法裁は9日、サマック首相に失職を求める判断を下した。
・首相在任中のテレビ番組出演が副業禁止に反するとの、反政府派提訴を認めた。
・与党は同首相の再選出を目指したが、12日の国会は欠席者多数で流会。
・この結果首相は再選出を断念した模様。
・反首相派の首相府占拠で混乱に陥っているタイ政局は、一段と混迷を深めた。

◆米軍がパキスタン領内で軍事行動 ☆
・米軍がタリバン掃討のため、パキスタン領内で軍事行動を取り始めた。
・パキスタンの自国内のタリバン取り締まりが不十分との判断による。
・軍事作戦の事前通告はするが、許可は求めないとの姿勢に転じた。
・ムシャラフ前大統領の退陣を受け、戦略を見直した。
・ただ米軍による誤爆などもあり、パキスタンでの反米感情が高まっている。
・パキスタン情勢の変化で、対アフガン戦略も困難さを増した格好だ。
・ブッシュ大統領は9日、アフガンへの増派前倒しを発表した。

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 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
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  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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◎寸評:of the Week
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 【金正日の病気情報】 北朝鮮の金正日総書記の重病説が世界を駆け巡った。8月に脳梗塞や脳出血で倒れたという情報を米国や韓国のメディアが報道。その後回復に向かっているとの続報もあるが、真偽は不明だ。後継体制を巡る議論もかまびすしい。
 政治指導者の病気が歴史を変えるケースはよくあるが、独裁国家の場合インパクトの大きさが違う。世界は深い関心を持つのも当然だ。北朝鮮を巡る議論は最近、核開発問題に焦点が当たりがちだったが、国家体制の転換や混乱リスクの重要性を改めて想起させる。

  【経済・金融変動】 世界の経済・金融は不安定かつ先行き不透明な状況が続いている。
 米政府は7日、住宅公社2社を管理下に置くと発表。タブー視されていた公的資金投入による救済を事実上決断した。これにより、2公社の破たん→金融システム危機という懸念は当面遠のいた。ただ、米住宅市場の悪化は続いており、中長期的にまた問題が表面化するのは必至だ。市場では「投資家は当面歓迎、長期的には不透明」
 
Investors welcome Fannie-Freddie rescue, Uncertainty over long-term impact

(英Financial Times紙)という見方が一般的だ。

 米

金融業界では大手証券のリーマン・ブラザースが10日発表の6-8月決算で大幅赤字を計上。救済策が山場を迎えている。
 国際為替市場では、ここしばらく続いたドル安・ユーロ高の基調が変化。ユーロは1ユーロ=1.4ドルを割り込む水準に低下し、1年ぶりの安値を付けた。欧州経済の悪化が鮮明になった
のを受けた動き。
 原油価格(NY先物)は13日、1バレル100ドルを割り込んだ。7月に150ドル近くまで上昇した後、急ピッチの下落だ。
 このほか、グルジア紛争を受けたロシアからの資金流出なども見逃せない。
 経済は米国のみならず、世界全般の悪化が隠せなくなってきた。金融システムの不安は継続し、市場は不安定な動きを続けている。当面要注意の状況が続く。

◎今週の注目: 2008年9月14-20日
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・北朝鮮の金正日総書記の病状に関する情報に注目。
・国連総会が16日に開幕する。

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2008年9月 7日 (日)

2008年36号(8.31-9.6 通算428号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年8月31日-9月6日
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◆タイで非常事態宣言(2日)☆
・サマック首相は首都バンコクに非常事態宣言を発令した。
・政権打倒を掲げる市民団体PADと親政府派市民の衝突発生を受けて決定した。
・3日には反首相派の組合がストを実施したが、参加者は限定的で不発。
・翌4日、政府は政権支持を問う国民投票の実施を閣議決定した。
・非常事態宣言後もPADは首相府選挙を継続。軍は静観のまま。
・タイ政治は混乱が長期化する見通しになった。
・株価の下落、通貨バーツの売りなど経済への影響も出ている。

◆ウクライナ政権、大統領派が離脱表明(3日)☆
・ユーシェンコ大統領支持派の政党が、連立政権からの離脱を表明した。
・対ロ政策を巡り、ティモシェンコ首相率いる政党との意見相違が表面化した。
・両党はともに親欧米派で、07年末に連立政権を樹立している。
・しかしグルジア紛争で対ロ強硬の大統領派と慎重な首相派の対立が浮上した。
・背後には大統領と首相の主導権争いもある。
・展開次第では連立組替えや議会解散があり、政局は不透明性を増している。
・EUやNATO加盟交渉にも影響する可能性がある。

◆パキスタン大統領にザルダリ氏(6日)☆
・大統領選が上下両院、4州議会議員により実施された。
・人民党のザルダリ共同総裁が当選した。暗殺されたブット元首相の夫。
・文民大統領は9年ぶり。任期は5年。
・ただ大統領選を巡り人民党とPML-Nの連立が崩壊。政局の行方は不透明だ。

◆米共和党大会、マケイン候補を指名(4日)☆
・米共和党は1-4日党大会を開き、マケイン上院議員を大統領候補に指名した。
・副大統領候補にはペイリン・アラスカ州知事を選んだ。
・政策綱領ではイラク撤退に期限を設けないこと、対ロ強硬姿勢などを主張。
・経済では法人税率の引き下げなどをうたった。
・大統領選は11月初めの投票無にけ、本番に入る。

◆米印原子力協定を承認(6日)
・原子力供給国グループは臨時総会で、米印原子力協定の承認を決めた。
・核拡散防止条約非加盟のインドに対する米の民生用原子力技術支援を認める。
・同グループの輸出管理規定に沿わない内容だが、例外を認めた。
・同協定に対しては、核非拡散の立場から反対の声もあった。
・しかし米の対インド協力などに配慮した格好。


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 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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◎寸評:of the Week
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 【市場変化】 世界の市場動向の潮目が変化している。欧州景気悪化の見通しを受けて、欧州株が下落。ユーロ・英ポンド相場は対米ドルで低下している。これまでのドル安・欧州通貨高の流れが変化した格好だ。原油価格もこのところ下がっている。先行きに予断を持つべきでないが、「流れの変化」に意識して注視すべきだ。

 【ロシアからの資金流出】 ロシアからの資金流出に注目が集まる。グルジア紛争勃発以降の資金流出は、数十億ドルとも数百億ドルともいわれる。中銀はルーブル安防止の介入をしている。
 対米欧で強硬姿勢を崩さないロシアだが、アキレス腱は経済。プーチン政権といえども、市場の動きをコントロールすることはできない。資金流出は、グルジア紛争はじめ安全保障にも影響する。

 【ハリケーン】 米南部を襲ったハリケーン「グスタフ」は共和党大会の日程を変えたが、人的被害は限定的だった。数十万人とも200万人ともいわれる非難が奏功した形。カトリーナの教訓が生きた形だが、それにしても自然災害の影響を改めて意識させる。

◎今週の注目: 2008年9月7-13日
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・9.11から7年目を迎える。この間世界はアフガン戦争、イラク戦争などを経験したが、テロの脅威にどう向き合うかはなお手探りだ。対テロ戦争に強硬策で挑んだ米ブッシュ政権は、イラク戦争のつまずきから影響力が低下。世界は指導力の欠如に直面している。そんな中で米国は次期指導者を選ぶ大統領選が佳境に入っている。
・グルジア、ウクライナ、タイ、パキスタンなど、政治の動きから目を離せない。

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