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2008年6月 9日 (月)

◆食料サミットのメッセージ(2008.6.8)

 世界的な食料危機を背景に、ローマでの国連世界食糧サミットは、これまでにない注目を浴びた。

 焦点になったのは、バイオ燃料の利用と穀物の輸出規制。いずれも最近の食料不足や価格高騰の原因とされる問題だ。しかも政策面で対応(少なくとも議論)が可能なテーマだ。

 ただ、長期的な視点から最近の食料危機を見ると、問題は構造的で複雑。バイオ燃料利用や輸出規制を議論すれば片付くような問題ではない。1980-90年代の世界は食料過剰の時代で、先進国や農産物輸出大国は増産ではなく減反を推進した。農産物貿易の歪みの元凶といわれる米欧の輸出補助金や先進国輸入規制の改革も、速度は遅かった。

 技術的には生産性上昇がスローダウンしている。「緑の革命」の1960年代、世界の農産物の生産性上昇率はに年率10%を超えていた。それが最近は1%台にまで落ち込んでいる。

 現在の食料危機の背景には、多くの要因が複雑に絡んでいる。農業貿易自由化の遅れ、先進国の農業補助政策、アフリカやアジアの政治・経済改革の遅れ、環境問題、食料安全問題(遺伝子組換え作物など)、地球温暖化、国際投機資金など様々だ。食料危機への対処は、複雑な連立方程式を解くにも似た難しさがある。

 わずか3日のサミットで語れることは限られている。実際、今回のサミットの宣言の中身も、目先の緊急支援対策を除くと具体性を欠いた。

 それでも、世界的な課題に各国の政治指導者をコミットさせた意義は大きい。食料問題に世界の注目を集めさせたことも重要だ。

 今後数年、世界は食料問題を重要アジェンダの1つに含めて動くことになる。

(2008.6.8)

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