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2008年3月15日 (土)

◆コソボ独立:パンドラの箱 (2008.2.23)

 セルビアのコソボ自治州が独立を宣言した。外向的決着がつかない下での見切りの独立。セルビアは強く反発しており、今後も不安定な状況が続くことは必至だ。

 コソボ問題は歴史、宗教、民族が入り組んで極めて複雑だ。そもそもコソボはセルビア発祥の地とされるが、オスマントルコが占領。1912年にアルバニア独立の際にセルビアに編入された。

 人口は200万人で大多数がアルバニア系。彼らの宗教はイスラム教だ。そこに10-20万人といわれる少数派セルビア系住民(正教会徒)が住む(99年のコソボ紛争後、セルビア系住民は減少している)。

 セルビアは「コソボ独立は永遠に認めない」と反発。送電停止や禁輸などの措置も辞さない構えだ。もしコソボで少数派はとなるセルビア系住民への迫害などが表面化すれば、介入する懸念もある。

 ロシア高官などが指摘するように、独立は「パンドラの箱」を開けたことにもなりかねない。それでも米国やEU諸国の多くが独立を容認し、宣言直後に承認に踏み切った。それは他にいい対応策がないからにほかならない。

 この問題に関しては、普段は論理明快な英Economistをはじめとするメディアも、いまひとつ歯切れが悪い。妙案がないからだ。

 国際社会は1999年のコソボ紛争以来、現地に治安部隊を派遣して紛争の可能性を抑え込んできた。独立で国連中心からEU中心に変わるが、国際部隊が紛争を抑え込むカギであり続ける状況に変わりはない。

 EUなどはとりあえず、その覚悟をするしかないのが現状だ。

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