2020年9月20日 (日)

◆米中対立:戦線拡大・複合化ーTikTok、ファーウエイ、台湾 2020.9.20

 米中対立が激しく揺れた。動画投稿アプリのTikTokの米国での活動を巡り、両国は水面上・水面下で攻防を展開。米国はファーウエイへの禁輸措置を強化した。台湾を巡る駆け引きも動いた。米中対立は領域を広げ、複雑に絡みながら動き、両国関係は分断(デカップリング)が進んでいる。

▼トランプ政権が規制の動き、中国も対抗

 動画投稿サイトのTokTokを巡る情勢が目まぐるしく動いた。

 同サービスは、中国の北京字節跳道科技(バイトダンス)が2017年から提供している。全世界のユーザーは8億人、米国で1億人が利用する。

 トランプ米大統領はTikTok利用者の個人情報が中国政府に流れているとして、7月末にTikTOkの禁止を表明。その後、米企業による買収かサービス禁止を迫り、9月15日までと期限を定めた。こうした中、米マイクロソフト、オラクル、ウォルマートなどが交渉に乗り出していた。

 中国は米国の動きに反発、8月には対抗策として自国の輸出規制を強化した。輸出規制の対象にはAI関係の技術やサービスも含まれ、米社とTikTokの交渉に中国がストップをかける可能性も生じていた。

▼二転三転、今後の展望なお不透明

 トランプ政権の定めた期限が迫る中、マイクロソフトは13日までに交渉中断を表明。オラクルとTikTokは14日までに、買収ではなく提携案をまとめ、米政府に示した。オラクルがTikTokのグローバル事業に資本出資し、サービスのアルゴリズムはTikTokが保有する一方、顧客データの管理はオラクルが実施するという内容。ウィルマートもオラクルと共に出資に加わる。

 提携案を受けて米商務省は18日、TikTokの米国内での新規ダウンロードや更新を20日に禁止すると発表。一方、サービス自体は11月12日まで認めるとした。

 翌19日、トランプ大統領は提携を原則承認すると発表した。商務省は新規配信の禁止を20日から27日に延期した。

 米政府の対応は二転三転している。判断の背後には、もちろん11月野大統領選をにらんだ思惑もある。中国側の反応もはっきりしない点が残る。TikTok問題がどう推移するか、なお流動的だ。

 ちなみに、ピーターパンの人食いワニは、Tick Tockと表記される。

▼テンセントやファーウェーも

 当面の焦点になっているのはTikTokだけではない。米国は中国大手ITのテンセントが提供する微信(ウィ―チャット)の利用も禁止した。

 大手通信機器、スマホのファーウェイに対しては、2018年以降何度かの決定で取引規制を京っかしている。米国から技術を盗んだなどという理由。

 9月15日には、同社に対する禁輸措置を強化。米国の技術が絡んだ半導体の同車への輸出を事実上全面禁止した。同社への直接輸出だけでなく、外国企業による輸出も制限する内容だ(同車に米国技術が絡んだ半導体を輸出した企業は、米国の制裁対象とする)。

▼米中ハイテク摩擦

 米中のハイテク分野での摩擦が強まったのは、トランプ政権2年目の2018年から。米国は中国のハイテク企業が知的所有権や侵害や技術の窃盗などをしていると主張、締め付けを強化した。次世代通信ん5Gの通信機については、ファーウェイからの導入禁止を打ち出し、欧州や日本、豪州などにも同調を求めた。

 米国は今年8月、ファーウェイ以外に通信基地やスマホのZTE、監視カメラのハイクビジョンなどとの取引を制限する法律を施行した。TikTokやテンセントへの規制強化も、同じ戦略上にある。

▼台湾との関係強化

 TikTok問題が揺れた同じ週、台湾を巡っても注目すべき動きがあった。米国のクラック国務次官が台湾を訪問。7月末に死去した李登輝元総統の告別式に参加し、蔡英文総統と会談した。行政院長(首相)や経済部長(経済相)とも会談し、米台関係経済関係の強化などを話し合った。

 米国からは8月厚生長官が訪台したばかり。相次ぐ政府高官の訪問で、米台関係強化の動きを誇示する戦略だ。

 中国は反発し、米国への批判と警告を繰り返す。19日には戦闘機19機が台湾海峡の中間線を越えて台湾側に侵入、圧力をかけた。

▼安全保障の対立

 米中関係はトランプ政権の発足以来、急速に対立を深めた。米国は2018年以降、中国からの輸入品に高率関税を導入。まず貿易戦争が勃発した。次いでハイテク分野で対立を深めた。

 加えてここに来て、安全保障分野でも対立が強まっている。6月末に香港に国家安全法が導入されると、米国は中国を厳しく批判。香港への制裁を強化するなど、警戒の姿勢をあらわにした。7月には南シナ海問題を巡り、中国側の主張は国際法的に見て違法であると初めて明言した。9月の東アジアサミット閣僚会議(ビデオ)では、ポンペオ国務長官が南シナ海問題で中国を激しく批判した。

 台湾との関係強化の動きも、この脈略にある。香港の1国2制度は国家安全法により空洞化し、香港が中国に飲み込まれつつある。台湾が同様の姿にならないように、米国は支援強化を見せつけている。

▼デカップリング

 米中関係の行方には、不透明要因も多い。11月の米大統領選で民主党のバイデン候補が当選すれば、対中政策はトランプ時代のやり方とは変わるだろう。それでも、対中警戒感の高まりは、野党民主党も含め米国に広く浸透している。

 1990-2000年代、米国は中国を国際社会に受け入れることが中国の民主化や世界の安定に繋がるという見方を取り、関与政策を推進した。この考え方はいまや完全に後退している。

 米中の分断ともいえる「デカップリング」が、経済のみならず科学技術、人的交流など様々な分野で進んだ。全世界的なサプライチェーンは、中国外しの動きが広がる。ハイテク分野では、米中それぞれが相手企業の活動を制限し、締め出す動きが加速する。新型コロナの流行は、心理的に経済的効率優先主義より製品供給の確保や安全性が重要という流れを強めた。

 新冷戦という言葉もすっかり定着した。今後の米中関係を見るうえで、対立の拡大や深まりはすでに所与の事実となっている。

◎ Tick Tockと紛争刻む時の音
◎ 戦争は「貿易」だけだった2年前
◎ 「冷戦」に違和感消えるコロナの夏

2020.9.20

 

 

2020年38号 (9.14-20 通算1054号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年9月14-20日
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◆米中摩擦、TikTok巡り過熱 ☆
・米中ハイテク摩擦が動画投稿アプリTikTokを巡り過熱した。
・TikTokとオラクルは14日までに提携案をまとめ米政府に示した。
・米商務省は18日、TikTokの米国内での新規配信を20日に禁止すると発表した。
・トランプ大統領は19日、TikTokとオラクルの提携を原則承認すると発表した。
・商務省は新規配信禁止を20日→27日に延期した。米政府の対応は二転三転している。
・トランプ氏はTikTokから個人情報が中国に漏れているとし、禁止か事業売却を要求。
・オラクルやMS、ウォルマートなどが買収交渉に乗り出していた。
・中国は対抗措置として8月末に輸出禁止措置を強化し、TikTokのAI技術売却を制限した。
・19日には中国企業に不当な制限を加えた外国企業に取引制限する措置を発表した。
・米国はテンセントのウィーチャットの利用も制限。
・ファーウェイに対する禁輸措置の強化も15日実施された。

◆コロナ感染確認3000万人、インドでは500万人(17日)☆
・新型コロナの拡大が続き、感染確認者は3000万人を超えた。死者は94万人。
・1日当たり30万人弱の感染者が確認され、5000人以上が死亡している。
・中南米や南アの感染拡大にやや歯止めがかかる一方、インドなどは高水準。
・欧米でも再増加している。夏期の経済活動再開が原因となった可能性がある。
・北半球はこれから冬を迎え、さらなる拡大が懸念される。

◆日本に菅政権発足(16日)☆
・日本の新首相に菅義偉が就任した。安倍政権から約8年ぶりの交代。
・コロナ対策のほか、行政改革や規制緩和を強調した。
・外交政策は当面安倍政権の路線を継承する姿勢を示した。
・アジア情勢は、米中対立や中国の拡大で急速に変化している。
・世界第3の経済大国である日本に一定の役割を求める要望はあるが、行方は未知数だ。

◆イスラエルとUAE、バーレーン国交調印(15日)☆
・イスラエルとUAE、バーレーンは国交正常化文書に調印した。
・米ホワイトハウスに集まった。トランプ米大統領は交渉を仲介した。
・これまでアラブ諸国でイスラエルと国交があったのはエジプト、ヨルダンだけ。
・トランプ氏は、UAEなどに続く国が出て来ると述べた。
・アラブ諸国はパレスチナ問題でイスラエルと対立、「アラブの大義」を重視してきた。
・これが空洞化。中東の対立軸がアラブvsイスラエル→イランvs反イランに傾斜している。

◆米最高裁、リベラル派のギンズバーグ判事が死亡(18日)☆
・米最高裁判事のギンズバーグ氏が死亡した。87歳。
・女性として2人目の最高裁判事に1993年就任、リベラル派として有名だった。
・判事としては珍しく一般メディアの取材にもしばしば登場。社会的な影響も大きかった。
・若き日々の歩みを描いた映画(On the Basis of Sex)(2018年) はヒットした。
・2009年にすい臓がんが見つかった後も職務を継続した。
・米最高裁は現在保守派5人、リベラル4人の構成。
・トランプ大統領は後任に保守派を推す構えだが、11月の大統領選までに決着するかは不明。
・トランプ氏は後任を女性にすると表明。女性の最高裁判事はすでに米社会の常識、を映す。

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◎寸評:of the Week
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 【米中対立:戦線拡大・複雑化】 米中関係が激しく揺れた。動画投稿アプリのTikTokの米国での活動を巡り、両国は水面上・水面下で攻防を展開。米国はファーウエイへの禁輸措置を強化した。台湾を巡る駆け引きも動いた。(→国際ニュースを切る)

 

 【重要ニュース】 トップ5以外にも重要なニュースが多かった。

 ロシアのプーチン大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領がロシアのソチで14日会談。ロシアはベラルーシ支援の姿勢を示した。ベラルーシでは13日も反体制デモが続き、情勢は予断を許さない。ロシアの反体制指導者ナワリヌイ氏の暗殺未遂を巡り欧州とロシアは対立が続く。

 EUと中国のビデオによる首脳会議が14日開かれ、EU側は香港問題などで中国に懸念を表明した。欧州委員会のフォンデアライエン委員長が16日、EUの政策を巡る演説をし、温暖化対策など環境政策に力を入れていく戦略を再確認した。英国がEU離脱に伴う国内法制定で、合意無視の対応を取った問題は、なおくすぶる。

 米FRBは2023年までゼロ金利を維持する方針を表明した。アフガニスタンで政府とタリバンの対話が12日からカタールで始まった。難航は必至だ。タイで反プラユット政権や王室改革を求めるデモが拡大した。 

 

 
◎今週の注目(2020年9月21-27日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・国連総会の各国首脳のビデオによる演説が22日始まる。
・EUは24-25日に首脳会議を開催。対中、トルコなどの対外問題や、デジタル戦略などを協議する。

 

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2020年9月14日 (月)

2020年37号 (9.7-13 通算1053号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年9月7-13日
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◆コロナ、パンデミック宣言半年、製薬会社はワクチン「安全優先」声明☆
・WHOがコロナのパンデミック宣言をしてから、11日で半年を経過した。
・感染確認者は12日現在2800万人超、死者は90万人超。
・目下はインドで感染が拡大。7日には感染者がブラジルを超え2位(420万人)になった。
・製薬各社はワクチン、治療薬の開発に努めるが、曲折もある。
・英アストロゼネカはワクチン開発を一時中断した。副作用が報告されたため。
・年内に臨床試験の結果を当局に申請する方向は変わらないとする。
・欧米の製薬9社は8日、安全を最優先するとの共同声明を発表した。
・政治的な思惑から、開発を急ぐような発言もあるためとみられる。
・ロシアは8月に同国国立研究所が開発したワクチンを承認した。見切り発車の面がある。

◆ベラルーシ、反体制派を相次ぎ拘束、抗議活動長期化で ☆
・ベラルーシ当局は反体制派指導者を相次ぎ拘束、国外追放した。
・指導者の1人ノコレスニコワ氏(女性)は7日ミンスクで連れ去られた。
・9日には別の指導者も拘束。他の指導者はウクライナへの出国を余儀なくされた。
・反体制組織の調整評議会の指導者7人中、6人が活動できなくなった。
・市民らによる日曜の抗議デモは8月中旬から継続。9月6日はミンスクで10万人が参加した。
・抗議活動の拡大に、ルカシェンコ政権は締め付けを強化している。
・一方でロシアやOSCEに対し2022年までの改憲計画を伝えるなど、危機打開策も示す。

◆米西海岸で大規模山火事 ☆
・カリフォルニア州など西海岸で山火事が拡大。被害が拡大している。
・加州では1万平方キロ以上(東京都の5倍)が焼失した。オレゴンやワシントン州にも広がる。
・サンフランシスコなど加州北部では9日、空がオレンジ色に染まった。
・映像は世界に流れ、衝撃を与えた。
・熱波が原因と見られ、地球温暖化の影響も指摘される。

◆英がEUとの合意骨抜きの姿勢(9日)☆
・英ジョンソン政権はEUとの離脱協定に関連する国内法案を議会に提示した。
・先に英・EUが合意した離脱協定に反する内容を盛り込んでいる。
・EUは国際法違反であると反発。英国に撤回を求めた。英国は拒む姿勢。
・英・EUは離脱後の通商関係を定める協定を交渉中。合意が一段と遠のいた。
・2020年末に、合意なしで移行期間終了となるリスクが高まった。
・英国が国際的な信用を失うという批判も内外から出ている。

◆イスラエル、バーレーンが国交(11日)☆
・イスラエルとバーレーンが国交正常化で合意した。仲介した米トランプ大統領が発表。
・8月のイスラエルとUAEの国交合意に続く動き。
・対イラン包囲網を強める米国の戦略の一環。
・アラブ諸国は従来、パレスチナ問題でイスラエルと対立。
・エジプト、ヨルダン以外はイスラエルと国交がなかった。
・ここに来て対立構図は、アラブvsイスラエルからイランvs反イランに変化している。

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◎寸評:of the Week
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 【重要なニュース】 前週から一転、重要なニュースが相次いだ。トップ5以外にも、ASEANを中心とする一連の外相会議(ビデオ、9-12日)で米国と中国が激しく対立。アフガニスタンでは政府とタリバンの和平会議が12日からカタールで始まった。1994年のルワンダ民族虐殺の際に多くの市民を保護し、映画「ホテル・ルワンダ」のモデルになったルサセバギナ氏が同国により逮捕された。家族はUAEで誘拐されたと主張している。同氏は、国外に居住し、ルワンダのカガメ政権を批判していた。

 

 【米西海岸の山林火災】 カリフォルニア州など米西海岸で山林火災が拡大。数十人が死亡するなど甚大な被害が出ている。9日にはサンフランシスコやシリコンバレー(世界のITの中心地)の空がオレンジ色に染まる映像が世界に流れ、衝撃を与えた。
 今年の初めには、豪州の森林火災が拡大。火傷で死亡するコアラやカンガルーなどの映像が世界を揺るがした。
 どちらも熱波など自然現象が原因とみられるが、背景には地球温暖化が指摘される。
 中国や日本などアジアでは、集中豪雨や洪水被害が広がった。こちらも温暖化との関係が指摘される。
 自然災害の警告をどう受け止めるのか。月並みにコメントすれば「人類の英知が試されている」というところだが、反応は残念ながらまだ鈍い。

◎ 天災が忘れる間もなくやってくる
◎ どう歌うカリフォルニアの赤い空
◎ ハイテク都市に自然の怒りか空黄昏

 

 【英国の協定骨抜き?の動きが波紋】 英国のジョンソン政権がEUとの離脱協定関連の国内法を議会に提示。そこにEUとの合意を骨抜きにしかねない内容が盛り込まれ、波紋が拡大している。
 英国は今年1月にEUを離脱した。英国とEUの離脱協定は、北アイルランドと南のアイルランド共和国の国境管理や通関を導入せず、代わりに北アイルランドと英国の間に通関の手続きを導入すると定めている。
 ジョンソン政権が提示した法案は、北アイルランドから英本土に出荷する際、通関手続きを省略すると盛り込んだ。
 EUはこれが離脱協定に違反すると反発。ルイス北アイルランド相も限定的な協定違反になると認めた。英国のメイ前首相も、国際的な信用を損なうと批判した。
 英国とEUは、移行期間終了後の通商関係に関する交渉をしている最中。ジョンソン政権は、交渉を有利に進めるために脅しの材料として法案を提示したとの見方もある。
 ジョンソン首相の行動は元々読みにくいし、扇動家的な要素もある。今回の動きがどこまで計算ずくのものかは分からないが、相互不信の高まり→合意なしの移行期間終了、というリスクは軽視できない。
 いずれにしろ、メディアの批判は厳しい。英FT紙は社説で、「英国の瀬戸際戦略は危険」「英国の法の順守に関する評価が危機に瀕している」などと論評。Economistは「英国は国際法を軽視する態度に出ている」と批判する。FT紙はフィリップ・スティーブンス記者の記事で「離脱協定を書き換えようとする試みは、信頼を壊し、民主主義の基盤を傷つける」と記す。

 
◎今週の注目(2020年9月14-20日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・日本の安倍首相後任の首相が決まる。
・ベラルーシのルカシェンコ大統領が14日モスクワを訪問。プーチン・ロシア大統領と会談する。
・イスラエルとUAEの国交樹立の調印が15日、米ワシントンのホワイトハウスで行われる。

 

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2020年9月 9日 (水)

2020年36号 (8.31-9.6 通算1052号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年8月31日-9月6日
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◆ドイツがロシア反体制派指導者重体事件「毒殺の試み」と断定(2日)☆
・メルケル独首相は、ロシアの反体制派指導重体事件を「毒殺の試み」と断定した。
・独政府は、反体制派指導者に対しノビチョク系の神経剤が使われたと発表した。
・事件は8月20日に発生。反体制指導者のナワリヌイ氏が国内便で意識不明に陥った。
・ドイツなどは同氏の搬送を要求。ロシアがそれに応じた。
・メルケル首相はロシアを非難、事態の解明を求めた。
・ただ、ドイツは一方でロシアから天然ガスの輸入計画を推進している。
・ベラルーシ問題なども絡み、対ロ関係の進め方は難しい問題になっている。

◆チェコ上院議長が台湾総統と会談(3日)☆
・チェコのビストルチル上院議長は1日台湾立法院で演説。3日に蔡英文総統と会談した。
・同氏はゼマン大統領に次ぐナンバー2の立場。国交のない国への訪問は異例。
・総統との会談では、民主主義を守る決意などを確認した。
・中国は動きを批判する一方、外相らが欧州を訪問するなど、対欧関係強化に努める。
・チェコでは大統領が社民党出身で親中。首相は中道の大衆主義政党を率いる。
・上院議長は野党の市民民主党所属。保守、自由、欧州懐疑主義などを特徴としている。

◆コロナ感染確認2500万人、ワクチン開発に様々な動き ☆
・新型コロナ感染拡大は続き、感染確認者は8月末に2500万人を超えた。
・ワクチン開発を巡り、各国で様々な動きがある。
・英アストロゼネカは米国で最終段階の臨床試験を始めた。英などに続く動き。
・英医学誌は、ロシアによるワクチンの初期治験が効果を確認したとの論文を掲載した。
・コロナはインドなど新興国で感染が拡大。欧州のスペイン、仏などでも再拡大している。

◆米大統領選で郵便投票の手続き開始(4日)
・米大統領選の郵便投票用紙の発送が、まずノースカロライナ州で始まった。
・新型コロナ感染の影響で、今回の大統領選は郵便投票が増えそう。
・郵便投票拡大はトランプ大統領に不利に働くと見られ、大統領は警戒を示す。
・不正行為などが発覚した場合には、選挙結果を認めないなど混乱の可能性もある。
・郵便投票は、今回選挙の特徴の1つになる。

◆セルビアとコソボが経済関係正常化で合意(4日)
・旧ユーゴのセルビアとコソボは、経済関係の正常化に合意した。
・セルビアのブチッチ大統領、コソボのホティ首相とトランプ米大統領が文書に署名した。
・コソボは2008年に独立を宣言。セルビアは認めていない。
・ただEUが加盟条件として両者の関係正常化を挙げるため、対話の動きが出てきた。
・今回の経済分野の合意が、全分野の正常化に結び付くかは不明だが、事態は動き出した。
・米国が外交成果誇示のため、仲介を強めている面もある。

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◎寸評:of the Week
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 【一服】 前週までに比べると派手な動きが少なかった。

 

 【コロナ禍下の米大統領選】 前週までの民主、共和両党の党大会でトランプ氏とバイデン氏が正式に大統領候補に指名された。大統領選はいよいよ本番に入る。

 新型コロナの感染拡大の影響で、今年の大統領選はこれまでにないことが起こりそうだ。大統領選のキャンペーンはこれまで、大規模集会開催が柱になってきた。米社会にとっては、大統領選が一種のお祭りでもあった。それが今年は様変わり。オンラインによる運動が拡大し、今後実物の集会とのバランスがどうなるか見ものだ。

 郵便投票の拡大も今年の特長。郵便投票はトランプ大統領に不利と見られ、大統領はこれまでも不正投票が多くなるなどと反対の姿勢を示してきた。仮に一部でも不正が発覚した場合、トランプ氏が選挙結果を認めないなどの観測も流れる。2000年の大統領選で、フロリダ州の開票を巡り民主党のゴア氏が共和党ブッシュ(子)氏の勝利を認めず、混乱が続いた歴史がある。似たような混乱が起きない保証はない。

 2016年の大統領選で話題になったフェイクニュースや悪質な情報操作は、形を変えて色々出て来るのは間違いないだろう。

 大統領選は様々な話題を提供し、世界に時代の変化を知らしめる。キャンペーンは佳境に入る。

 ちなみに米国の感染確認者は、9月上旬で600人超。死者は20万人弱だ。

 

◎ 選挙戦ネットのお祭りは熱気欠く
◎ 混乱の予感共有、本番入り
◎ 偽ニュース、コロナまでなら読めるけど 

 

  
◎今週の注目(2020年9月7-13日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。

 

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2020年8月30日 (日)

◆安倍首相辞任と世界の反応 2020.8.30

 日本の安倍首相が健康上の理由から辞任を表明した。2012年12月の就任から8年近く。日本史上最長の政権となった。

▼成果と弊害

 安全保障では安保法導入などいくつかの政策を実現し、2009-12年の民主党政権時代に揺らいだ日米関係を再強化した。TPP11の発足に貢献した。

 経済では金融緩和を軸にしたアベノミクスを推進し、円高是正による回復をもたらした。当初のキャッチフレーズだった「3本の矢」の中心課題だったはずの構造改革、は限定的だったとの評価が多い。

 就任前を含め国政選挙(衆院、参院)に6回連続で勝利。政権安定をもたらし、官邸主導の政治で主導権を発揮した。半面、公文書の偽造・破棄などスキャンダルも生んだ。

▼辞任会見:やり残しは憲法改正、経済改革には触れず

 辞任会見で、安倍首相は実現できなかった事として憲法改正、北朝鮮の拉致問題の解決、日ロ平和条約の実現を挙げた。一方、「経済改革」という言葉は60分の会見中1回も出ず、アベノミクスも僅かだった。

 世界の日本に対する関心は、一昔前とは比較にならないほど低下した。その中でも、アベノミクスは世界に先駆けた実験として注目された。量的緩和を中心としたリフレ政策は世界に先例がなかった。金融政策で時間を稼ぎ、経済改革を進めるという手法は世界の関心を集めた。

 しかし、アベノミクスが政策の中心から徐々に外れのに従い、世界の関心も次第に薄れていった。

 憲法改正は、海外から見れば「日本の問題」だ。安保や外交はそれなりに注目されたが、海外で大見出しになる事は多くなかった。安倍首相も、トランプ米大統領との良好な関係に焦点が当たることが多く、それ以外はあまり目立ったとは言い難い。

▼ナショナリストかリアリストか

 英BBCは安倍政権の評価を論じる記事で、"revisionist nationalist or progmatic realist?" (歴史修正主義のナショナリストか、実利主義的な現実主義者か)と題した。当初から関心を持たれていた視点の1つだが、明確な答えを出すには至らなかったようだ。海外からみた評価の一面を映している。

◎ レガシーは長期政権 平和かな
◎ 民族派か現実主義者か解けぬ謎
◎ ニュースには天災政変あと少々

 

2020.8.30

 

 

2020年35号 (8.24-30 通算1051号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年8月24-30日
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◆米共和党大会、トランプ氏を正式指名(24-27日)☆
・米共和党大会が開催。トランプ氏を大統領候補に正式指名した。
・トランプ氏は27日に受諾演説を行ったほか、24日には予告なしの演説を実施した。
・民主党のバイデン氏を極左陣営と協力しているなどと批判。対決姿勢をあらわにした。
・前週の民主党大会に比べると、党員を集めた実集会の色合いが強かった。
・大統領選は9月からのTV討論などを経て、11月3日の投票を迎える。

◆日本の安倍首相が辞任、8年ぶり首相交代へ(28日)☆
・日本の安倍晋三首相が辞任を発表した。持病の潰瘍性大腸炎悪化が理由。
・安倍氏は2012年12月の総選挙に勝利して首相就任。7年8カ月勤めてきた。
・在任期間は2006-07年の人気を含む合計、2012-20年の連続とも日本で最長。
・アベノミクスと称する経済政策で円高を修正。雇用は増加した(ただし賃金水準は低下)。
・一方、政府負債は増加。経済改革も限定的だった。
・安保関連法案整備など日米関係を強化。トランプ米大統領と個人的な関係を強めた。
・政治の安定をもたらした一方、官邸主導強化で公文書偽造などの問題も露呈した。
・国際的には政治面の安定を印象付ける一方、日本の競争力低下は続いた。

◆米で人種差別抗議再燃、スポーツ界にも波及☆
・米国で人種差別に抗議するデモが再度拡大した。
・8月23日にウィスコンシン州ケノーシャで黒人男性が警官に銃撃された事件が契機。
・抗議デモが全米各地に拡大し、27日にはホワイトハウス周辺でも大規模デモがあった。
・一部は暴徒化し、ウィスコンシン州は非常事態宣言を出した。
・大リーグの7試合が27日に中止になるなど、スポーツ界にも影響が広がる。
・米ではミシガン州での黒人男性死亡事故を契機に5-6月に抗議活動が拡大した。
・民主党は警官の実力行使規制のルール作りなどを主張する。
・トランプ大統領や共和党は、一部暴徒を念頭に法と秩序を強調する。
・人種差別と抗議活動は、形を変えて再燃し続ける。

◆TikTok米を提訴、米中問題多方面に拡大
・中国の動画投稿アプリTikTokの米運営会社は米政府を提訴した。
・同社との取引を禁じた大統領令を憲法違反と主張した。
・TikTokを巡ってはトランプ大統領が、米事業の売却あるいは禁止を求めている。
・TikTok買収劇にはマイクロソフトの他、オラクルなども参加。争奪戦が激化している。
・米は8月中旬ファーウェイへの制裁を再度追加。ハイテクで中国締付けを一層強める。

◆米株が上昇、FRBはインフレ2%超目指す
・米FRBは27日、当面2%を超えるインフレ率を目指すとの指針を発表した。
・米はインフレ率2%未満の状況が続いている。物価上昇を促す。
・2%超の容認でゼロ金利維持の制約を軽減し、金融緩和長期化の条件を整える。
・緩和長期化の観測を受け、米株式は上昇した。
・NYダウは28日、2万8653ドルとなり、半年ぶりに2019年末の水準を上回った。
・コロナで実体経済が縮小する中で、金融緩和に支えられた株高が続く状況だ。

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◎寸評:of the Week
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 【コロナの夏】 8月がほぼ終了し、秋を迎える。今年の夏の風景は、新型コロナ感染拡大の下でこれまでとは一変。人々は行動の制約を求められ、観光地は閑散とした。
 コロナ感染下で米大統領選が本番を迎えた。大統領選の戦略もあり、米中対立は一層激化。米国発の反人種差別の抗議デモが散発した。香港では国家安全法が施行され、当局が民主派の締め付けを強めた。ベラルーシでは大統領選を契機に反体制の抗議活動が拡大した。熱い夏の現象は、今年はこんなところに現れた。

 

 【安倍首相退陣】 日本の安倍首相が健康上の理由から辞任を表明した。2012年12月の就任から8年近く。日本史上最長の政権となった。(→国際ニュースを切る)

 

◎今週の注目(2020年8月31日-9月6日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。

 

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2020年8月24日 (月)

◆ベラルーシ混乱とロシアの反体制派暗殺未遂ーー旧ソ連崩壊30年の動き 2020.8.23

 1991年のソ連崩壊から間もなく30年。ベラルーシでは大統領選を受けた混乱が続き、ロシアでは反体制派指導者の暗殺未遂事件が起きた。旧ソ連ではこの手のニュースが弾発的に起きている。

▼ベラルーシ:混乱が継続

 ベラルーシの混乱が続く。きっかけは8月9日の大統領選。選管はルカシェンコ大統領の6選を発表したが、反体制派は不正があったとして抗議活動を展開。1週間を経て事態の行方は見えない。

 ルカシェンコ氏は17日、憲法改正の後に政権を移譲する案を述べるなど、一見柔軟な姿勢も見せた。一方、20日には反対派の評議会を捜査するなど、強硬な態度も崩さない。

 ロシアのプーチン大統領は表立った介入を避けている。一方、ルカシェンコ氏と連絡を取り、必要なら支援する構えを見せている。

 EUは19日オンラインで首脳会議を開きベラルーシ制裁を決めたが、直接介入は見送っている。情勢の行方は不透明だ。

▼独特な歩み

 ルカシェンコ氏は旧ソ連崩壊・ベラルーシ成立からほどない1994年に大統領に就任。以後5期、26年の間、権力を掌握してきた。欧州最後の独裁者とも評される。

 東西冷戦終了後、東欧には民主化の波な押し寄せた。旧ソ連のウクライナやジョージアなどは民主化革命で政権が転覆した。しかしベラルーシは独裁体制を維持してきた。ロシアと強い関係を持つ一方、必ずしも言いなりになっているわけではない。その動きはユニークだ。

 この傾向がまだ続くのか。それとも体制や政治の変化につながるのか。判断の材料も限られており、予断は禁物だ。

▼暗殺未遂:反体制派指導者はドイツに

 ロシアでは著名な反体制派指導者でアレクセイ・ナワリヌイ氏に対する毒殺未遂と思われる事件が発生した。同氏はシベリアからモスクワに戻る航空機内で容体が悪化。緊急着陸し西シベリアの都市の病院に運ばれた。その後、独仏が同氏受入れを表明。ドイツに搬送された。

 同氏の報道課によれば、空港で飲んだお茶に毒が入っていたという。公共の場でこうした事件が起きたことは驚きというほかない。一方、事件が迅速に報道され、ロシアからドイツへの移送が実現したのも驚きだ。

 ロシアではこれまでも、反体制派やジャーナリストなどの暗殺、毒殺事件が多数起きている。さながらスパイ映画のような状況だ。

▼暗部と混沌、情報の圧倒的欠如

 上記ベラルーシの混乱と、ロシアの反体制派毒殺未遂。ソ連解体から約30年を経て、今なお残る暗部や混沌を感じる。同時に、旧ソ連国家の情報をほとんど知らないことに改めて気付く。

 

◎ 30年経てソ連の亡霊なお徘徊 
◎ なお日常、暗殺毒殺ハッキング
◎ 国転覆デジャブのように起きてきた

2020.8.23

 

◆民主党大会から読む「バイデン政権」の行方:方向性はなお不透明 2020.8.23

 米民主党が党大会を開催し、バイデン前副大統領を大統領候補に正式指名した。現在の選挙情勢では、バイデン氏が当選する可能性はかなりある。そんな背景もありバイデン氏の演説が注目されたが、「バイデン政権」の行方を読むには不十分という印象を受ける。

▼トランプ政権を批判


 演説は選挙戦対策の色彩が強かった。トランプ大統領個人の名前を出すことは控えつつ、トランプ政権の批判を前面に出した。具体的に、コロナ対策、欧州など同盟国との関係悪化、人種問題などを挙げた。また、トランプ政権が国民の分断を進めたとし、結束を呼び掛けた。

 外交面では同盟国との協調を力説した。一方で、米国の産業や雇用の保護を重視する姿勢も見せた。通商面の「内向き」の傾向は、トランプ現政権と変わらない印象を与えた。

▼4つの危機と語らなかったもの

 バイデン氏は「4つを危機」を力説した。コロナ、経済、人種差別、気候変動の4つで、この分野でトランプ政権の政策からの転換を強調した。

 しかし、言及しなかった問題も多い。世界が最も気にする対中関係は多くを語らなかった。格差や米国の産業競争力についても同様だ(この2つは複雑に関連する)。バイデン氏は富裕層への増税などに言及したものの、貧しい白人労働者の対策などへの言及はなし。格差や貧困は4つの危機に含めず、問題を正面から取り上げる事はないような印象を与えた。

 全体的に、バイデン氏自身あるいは民主党の政策を強く訴えるというより、トランプ氏の失策を突く面が目立った。

▼バイデン氏有利の選挙戦

 米大統領選は27日から共和党が党大会を開催し、トランプ氏を正式に大統領候補に指名する。その後、TV討論などを経て、11月3日の投票日を迎える。

 コロナ感染という特殊な状況下での選挙。従来の大統領選と異なり、大規模集会などを開きにくく、オンラインでのキャンペーンが中心になる。郵便による投票など、これまでにない要素も加わる。

 国際情勢など不測の事態、TV討論の結果などによっては、事態が急変することもあり得る。ただ、現在の情勢が続けばバイデン勝利の公算が大きいと言われる。

▼見えるものと見えてこないもの

 バイデン大統領となれば、米欧関係の軋みの是正、国際協調路線の復活、パリ協定への復帰などいくつかの変化は予想される。

 しかし、コロナ感染がどうなるかは全く不透明だし、世界の枠組みを左右する米中関係へのスタンスは見えない。格差、産業競争力、大手IT規制など重要課題の方向性も不透明だ。

 演説は選挙対策上、無難にまとめたとの評価も多い。しかし「バイデン政権」の行方や期待となると、まだあまり見えてこないというのが実感だ。

20200823

2020年34号 (8.17-23 通算1050号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年8月17-23日
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◆米民主党大会、バイデン氏を大統領候補に正式指名(17-20日)☆
・民主党が党大会を開催。大統領候補にバイデン前副大統領を正式指名した。
・大会はミルウォーキーで開いたものの、事実上のオンライン会議となった。
・副大統領候補には黒人女性のハリス上院議員を選んだ。
・バイデン氏は20日に演説。欧州など同盟国との国際協調を強調した。
・コロナ対策などでトランプ大統領を批判。富裕層への増税なども主張した。
・貿易面では脱対外依存を強調し、内向き志向を示唆した。
・コロナ、経済、人種差別、温暖化を4つの危機と指摘。世界の認識を示した。
・共和党は24日からの党大会でトランプ氏を大統領候補に選出する。
・11月3日の大統領選へと進む。

◆ベラルーシ情勢。混乱拡大 ☆
・大統領選(9日投票)を受けた混乱が続く。
・労働者などの間で抗議活動が拡大。反体制派は19日会合を開き再選挙などを要求した。
・政権は応じる姿勢を見せず、当局は20日反体制派の刑事捜査を始めた。
・EUは19日臨時のビデオ首脳会議を開き、同国への制裁を決めた。
・選挙の再選挙の実施要求はしなかった。同国に影響力を持つロシアへの配慮した模様。
・ロシアは直接の介入を避けつつ、ベラルーシ情勢への西欧の介入をけん制する。

◆モーリシャスの油漏れ被害深刻、座礁船真っ二つ ☆
・モーリシャス沖で日本の貨物船が座礁。事故の被害が深刻化している。
・貨物船の船体は16日、真っ二つに割れた。流出した油は1000トン以上に上る。
・生態系への配慮から薬剤は使えず、回収は人手に頼らざるを得ない。
・マングローブの回復に30年以上かかるという見方もある。
・船は日本の長鋪汽船が保有し商船三井が手配。中国からブラジルに向かっていた。
・7月25日に座礁。8月6日に油漏れが発覚した。生態系への深刻な影響が懸念される。

◆米国株上昇、アップルは時価総額2兆ドルに(18日)☆
・ITなどハイテク分野を中心に米国株が上昇している。
・アップルの時価総額は18日、2兆ドルを突破した。年初から約6割上昇した。
・アマゾンなどハイテク企業の株価も上昇している。
・コロナ禍下の需要増を見込めるため。一方、自動車など旧来型産業の株は下落している。
・S&P500の指数は18日、史上最高を更新した。半年ぶり。
・経済のマイナス成長下の株高は、バブルとの指摘もある。

◆ロシア反体制派指導者に毒、暗殺未遂か(20日)☆
・ロシアの反体制派指導者が20日飛行機移動中に容体悪化。西シベリアの病院に搬送された。
・著名ブロガーのナワリヌイ氏で、独仏が受入れを表明。同氏は22日ドイツに運ばれた。
・同氏周辺によれば、空港で紅茶に毒を盛られた可能性が高いという。
・同氏はプーチン政権の不正追及で知られ、反体制デモの呼びかけなどを行ってきた。
・ロシアでは過去にも反体制派活動家らが毒を盛られる事件が起きている。
・プーチン体制下の闇を改めて感じさせる。

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◎寸評:of the Week
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 【民主党大会がバイデン氏指名】 米民主党が党大会を開催し、バイデン前副大統領を大統領候補に正式指名した。現在の選挙情勢では、バイデン氏が当選する可能性はかなりある。そんな背景もあり、バイデン氏の演説が注目された。(→国際ニュースを切る)

 

 【ベラルーシとロシア】 ベラルーシで大統領選を受けた混乱が続く。ロシアでは反体制派指導者の暗殺未遂事件があり、世界の関心を集める(→国際ニュースを切る)

 

 【重要ニュース】 トップ5以外にも重要な動きが多かった。米ゲームメーカーのエピックゲームズがアップルとグーグルのアプリ配信・課金システムが独占にあたるとして提訴した。NYタイムズなど有料メディアも追随した。大手IT企業の規制とも絡み、行方が注目される。アフリカのマリで大統領が辞任。軍によるクーデターの動きがあった模様。トランプ政権の元大統領補佐官で、のちにトランプ氏に解任されたバノン氏が、メキシコ国境への壁建設を巡る資金集めに絡んで詐欺の疑いで逮捕された。

 

◎今週の注目(2020年8月24-30日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・米共和党が24-27日に党大会を開催する。トランプ大統領を大統領候補に指名する。前週の民主党大会同様、実質オンラインの会合になる。トランプ氏の演説に注目。
・米カンザスシティ連銀主催の経済シンポ(ジャクソンホール会議)が27-28日開催する。世界の金融政策に関するメッセージ発信の場として注目されてきた会議だが、今年はオンライン形式の議論になる。どんな変化が表れるのか。

 

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2020年8月17日 (月)

2020年33号 (8.10-16 通算1049号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年8月10-16日
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◆米民主党、副大統領候補にハリス氏(11日)☆
・米大統領選の民主党の副大統領候補に、カマラ・ハリス上院議員(55)が決まった。
・大統領候補に内定しているバイデン氏(77)が指名した。
・ハリス氏は両親がジャマイカ系、インド系の女性。カリフォルニア州司法長官を歴任。
・当選すれば、米国初の女性副大統領になる。
・大統領選はバイデン候補がトランプ大統領をリード。投票まで3カ月を切った。
・トランプ政権が今後4年継続するかどうかは、世界の行方に大きく影響する。

◆イスラエルとUAEが国交(13日)☆
・イスラエルとUAEが国交正常化で合意した。仲介した米国を含む3カ国共同声明を出した。
・イスラエルとアラブ諸国との国交はエジプト、ヨルダンに続き3カ国目。
・UAEは安保面でイランと対立。イラン包囲網が強まる。
・パレスチナ問題での対イスラエル包囲網は弱まる。パレスチナ自治政府は合意に反発した。
・イスラエルが計画していたヨルダン川西岸の入植地の一部併合は、当面見送られる。
・サウジなども反イランでは一致。一方トルコなどは合意を批判するなど、立場は分かれる。
・今後UAEに続く国が出て来るかなどが焦点。中東の地図が変わる可能性がある。

◆香港、メディア幹部らを逮捕(10日)☆
・香港警察は蘋果日報(Apple Daily)の創業者の黎智英氏らを逮捕した。
・6月末に施行した香港国家安全維持法違反の容疑。
・同時に同新聞の幹部や、民主活動家の周庭氏らも逮捕した。
・黎氏や周氏は11日夜に保釈された。逮捕の理由など詳細などは発表されていない。
・同新聞は1995年創刊。中国に批判的な論調で知られる。
・逮捕は民主派への締め付けや、中国に批判的な報道へのけん制という見方が強い。
・香港では6月末に国家安全法が施行。中国が直接治安を規制できるようになった。
・1国2制度が形骸化し、香港の言論の自由は危機に直面しているとの見方が多い。

◆ベラルーシ大統領選、現職6選、抗議が継続(9日投票)☆
・大統領選が行われ、選管は現職のルカシェンコ氏の6選を発表した。任期5年。
・投票率84%で、ルカシェンコ氏が80%を獲得したとする。
・対立候補の主婦、チハノフスカヤ氏は不正があったと主張した。
・同氏は隣国リトアニアに出国した。背景など詳細は不明。
・不正を訴える抗議活動が全土に拡大。1週間を経過し収束していない。
・EUも不正を指摘。同国への制裁を決めた。
・ルカシェンコ氏は15日、ロシアのプーチン大統領と電話会談。支援を要請した公算がある。
・同国は人口1000万人弱。1994年以来26年、ルカシェンコ氏が大統領の地位にある。
・独裁的な色彩が強く、同氏は欧州最後の独裁者とよく報道される。

◆米厚生長官が台湾総統と会談、中国をけん制(10日)☆
・アザー米厚生長官が台湾を訪問。蔡英文総統と会談した。
・米閣僚の台湾訪問は6年ぶり。米国によれば1974年の米台断交以来最高位者の訪問。
・中国をけん制し、台湾支持の姿勢をアピールした格好。米台交流の既成事実を重ねた。
・長官は李登輝元総統の追悼場も訪問した。中国は李氏を中華民族の敵と批判している。
・中国は強く反発する。

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◎寸評:of the Week
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 【重要ニュース】 重要なユースが重なった。トップ5以外に、新型コロナの感染確認者が2000万人を突破。レバノンでは爆発事故の責任を取って内閣が総辞職した。 

 

 【イスラエル・UAEの国交】 イスラエルとUAEが国交締結で合意した。米国の仲介で実現した。アラブ諸国でイスラエルと国交を結ぶのは、エジプト、ヨルダンに続いて3カ国目だ。
 今回の合意の背後にあるのが、反イランという共通の立場。中東の対立構図としては、長らくパレスチナ問題を巡るイスラエル対アラブ諸国の対立が基本になってきた。ただ、この構図は1978年のキャプデービッド合意によるイスラエル・エジプトの和平で次第に変化している。
 中東のもう一つの対立軸が、イスラム教スンニ派とシーア派の対立だ。スンニ派陣営は盟主のサウジアラビアやUAEなど、シーア派はイランが中心になる。
 1990年の湾岸戦争(イラク対アラブ各国)、2000年代のイラク戦争、2010年代のアラブの春とその後の混乱で、さらに別の対立軸も生じている。代理戦争も各所で起きている(シリア、イエメン、リビアなど)。中東の構図は、少し前の常識にとらわれると見誤る。
 今回のUAEのイスラエルとの合意は、サウジの先駆けという見方もある。一方、UAEは安全保障や政治、宗教でイランと激しく対立する一方で、経済的にはイランとの結びつきが強い。一筋縄ではい。
 中東情勢は刻々と変化しており、行方は読みにくい。今回の合意は、中東の構図変化の激しさをいま一度想起させる。

 

 【コロナの夏】 新型コロナの感染拡大が続き、世界の感染確認者は2000万人を超えた。中南米やインドで引き続き感染拡大が続くのに加え、フィリピンなど東南アジアでも新規感染者が増えてきた。
 人々の関心がコロナに向く中でも、世界各地を揺さぶる重要な動きが起きている。
 香港では蘋果日報(Apple Daily)創業者の黎智英氏らが、国家安全維持法により逮捕された。反政府、反中国の主張や動きを力ずくで抑え込もうとする姿勢が明確になり、香港の言論の自由が危機に直面している。
 ベラルーシでは大統領選が行われ、選管によれば現職のルカシェンコ氏が6選された。しかし反対派は不正が合ったなどとして抗議活動を展開。EUも抗議を支援する。選挙から1週間を経過し、情勢は定まらない。
 レバノンでは大規模爆発の責任を取る形で内閣が総辞職。政情は不安定だ。
 コロナの夏ともいえる情勢の中で、国際地図の構図を変えるような変化が、中東のイスラエル・UAE関係も含め各地で起きている。

 

◎ 抑圧と抗議と混乱、コロナの夏
◎ 一瞬で世界の構図が変わる時代(とき)
◎ コロナ禍で世は静かだと誰が言う
 

 

◎今週の注目(2020年8月17-23日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・米民主党が党大会を17-20日開催する。初のオンライン会議になる。バイデン氏を正式に大統領候補に指名する。どんな受諾スピーチがあるか。

 

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«◆爆発事故が曝け出したレバノンの混乱 2020.8.9

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