2019年12月 8日 (日)

◆NATO首脳会談と冷戦後30年 2019.12.8

 NATO首脳会談が3-4日、ロンドンで開催。NATOと世界の置かれた現状を映した。

▼米欧の軋轢

 今回の首脳会議は、創設70年と冷戦終了30年を記念するもの。節目を機に、加盟国の結束や新時代に向けた戦略を示すのが本来の目的だった。

 実態は、全く異なる。米トランプ政権の誕生をきっかけに米欧の亀裂が安全保障、通商など様々な分野で拡大している。今回の首脳会議でも、結束よりも軋みばかりが目立った。 

 カナダのトルドー首相はトランプ米大統領のメディア対応などを揶揄。これを知ったトランプ氏がツイッターでトルドー氏を「2枚舌」と攻撃するなど、同盟国の外交舞台と思えないような軋轢が表面化した。

▼中国、ロシア、サイバー

 会議に先立ち、マクロン仏大統領は英Economist誌とのインタビューでNATOは「脳死状態」と表現。問題の深刻さを際立たせた(マクロン発言の背景には、NATOに頼らない欧州の安保機能強化の狙いもある)。

 首脳会議が採択した宣言は、ロシアの脅威や中国台頭への対応を重視。サイバー攻撃対応を強調した。テロや拡散などへの備えや、アフガニスタンなど地域問題にも言及した。しかし、米欧間で姿勢の違いが目立つイラン核問題やパレスチナ問題は触れなかった。

 宣言は、欧州諸国が軍事費拡大に努める旨を記述した。米国の意向を受けたものだ。これが第2項目に記述され、上記の世界的な課題や戦略より前に来た。印象的な構成だ。

▼存立基盤の揺らぎ

 1949年創設のNATOは、冷戦を勝利に導いた。冷戦後は機能を地域紛争対応などに転換し、西側同盟の安全保障の基盤として存在価値を維持してきた。

 しかし、近年米欧の対立が激しくなり、その存立基盤の揺らぎも指摘される。

 首脳会議は、世界の行方の不確実性を改めて映したようにも見える。

2019.12.08

 

 

2019年49号 (12.2-8 通算1013号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年12月2-8日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆NATO首脳会議、米欧の亀裂露呈(3-4日)☆
・NATOが創設70周年を記念する首脳会議を開催。ロンドン宣言を採択した。
・宇宙やサイバーでの防衛強化、中ロの脅威への対応などを強調した。
・ただ、協議では米欧の亀裂が露呈。米国は欧州に軍事費拡大を求めた。
・トルドー・カナダ首相とトランプ米大統領が、揶揄、批判し合う一幕もあった。
・NATO内ではシリア北部の攻撃に踏み切ったトルコへの批判も強まっている。
・会議に先立ちマクロン仏大統領は、NATPが脳死状態と述べた。
・NATOは1949年に創設。冷戦時代は西側の安保の柱として機能した。
・冷戦終了後は地域紛争への対応などで活動する。
・しかし米トランプ政権発足後は、内部亀裂が目立つ。

◆米下院、トランプ大統領弾劾訴へ(5日)☆
・トランプ米大統領がウクライナ疑惑で弾劾訴追される可能性が高まった。
・ペロシ米下院議長は弾劾決議案の作成を下院司法委員長に指示した。
・下院は野党民主党が多数で、年内に可決される可能性が大きい。
・トランプ氏が弾劾訴追されれば米史上3人目。舞台は上院に移る。
・同院は共和党優勢で実現のハードルは高い。それでも追訴は大きな節目だ。
・大統領選への影響も様々な形で出て来る。

◆米、仏のデジタル税を不当と断定、制裁関税検討(2日)☆
・USTRは、フランスが導入したデジタル税を巡る報告書を発表した。
・同税が米企業を不当に差別していると判断。制裁関税を検討する。
・チーズやスパークリングワインなど24億ドル分が候補。
・仏は19年7月、大手IT企業対象にネット事業売上げの3%に課税を始めた
・米国はGAFAなど米企業を狙い撃ちにしたとの批判を強めた。
・デジタル課税がOECDなどで協議が続くがなかなか結論が出ない。
・フランスは国際的議論の遅れを見て、先行導入を決めた。

◆グーグル、創業者が退任(3日)☆
・グーグル創業者の2人が持株会社アルファベットのトップを退任した。
・ラリー・ペイジCEOとセルゲイ・ブリン社長が役職を退任。
・アルファベットの新CEOは事業会社グーグルCEOのピチャイ氏が兼任する。
・ペイジ、ブリン両氏は今後、大株主や取締役として関与する。
・グーグルは1998年に設立。検索で世界をリードした。
・その後スマホOSのアンドロイドやYou Tubeなどを展開。
・世界のIT革命をリードする大手の1つだ。

◆冷戦終了のマルタ会談から30年(3日)☆
・米ソのマルタ首脳会談から30年を経過した。
・ブッシュ米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が会談。
・この年の東欧革命などを踏まえ、冷戦の終結を宣言した。
・世界はその後、米ソ2極→多極化。
・ソ連の崩壊、地域紛争やテロの多発、中国の台頭などを経験した。

   ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

 

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【NATO首脳会談と冷戦後30年】 NATO首脳会談が3-4日、ロンドンで開催した。(→「国際ニュースを切る」)

 【アフガンでの中村医師の死】 アフガニスタンで医療や灌漑事業などの支援に取り組んできた医師の中村哲氏が4日、同国東部で射殺された。NGOペシャワール会の現地代表だった。
 事件は現地にも衝撃を与え、同氏の遺体を日本に送る際にはガニ大統領も棺を担いだ。
 アフガンでは治安の悪い状況が続き、複数の武装組織が跋扈する。トランプ米大統領は11月末アフガンを電撃訪問し、タリバンとの和杯交渉再会を主張したばかり。そのタリバンは、中村氏射殺とのかかわりを否定している。
 人道支援、紛争とのかかわりなどについて改めて思う。

 【新疆ウイグルの人権問題】 米下院は3日、ウイグル人権法案を可決した。中国の新疆ウイグル自治区における少数民族ウイグル人弾圧を重要視。トランプ政権に対し、中国当局者への制裁を求める内容。
 米議会は先に香港人権法を可決。トランプ米大統領の署名を経て法案成立した。こうした米国の動きに中国は反発する。 
 米中貿易戦争は、部分合意→停戦へと進む兆しもあった。しかし人権を巡る一連の動きが交渉の行方に影響する可能性もある。米中関係の行方は、様々な要因が絡んで動き、世界全体に波及する。

 【冷戦終了30年の世界・各地の抗議活動】 世界各地で様々な抗議活動が広がっている。
 フランスで年金改革に反対する抗議活動が拡大。5日には全土で80万人がデモに参加した。
 中東ではイラクのデモがアブドルマハディ首相を辞任に追いやった。イランではガソリン価格引き上げへの広範囲なデモが起きた。
 中南米のチリでは公共交通機関値上げへの抗議デモにより、政府がAPEC首脳会議やCOP25開催を断念した。エクアドルやコロンビアでも経済政策への抗議などのデモが拡大し、社会を揺るがしている。
 冷戦終了の30年前、世界には元平和が訪れるという期待(幻想)があった。1世代を経ての現実は、対立と抑圧、抗議活動が目につく。NATO首脳会議も同じ。2019年の世界の風景として、記憶しておく必要がある。

◎ 壁消えて平和の幻想抱いた日
◎ 対立と抗議が織り成した1世代

 

◎今週の注目(2019年12月9-15日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
・英国の総選挙が12日に行われる。保守党勝利ならば、2020年1月の英国のEU離脱の道筋がほぼ見えて来る。
・スペインで開催中のCOP25が13日までの予定。終盤は閣僚会議になる。
・サウジアラビアのアラムコが11日、同国証券取引所に上場する。同社は4日、IPOの受付を締め切り、合計256億ドルを調達する。2014年のアリババを抜いて史上最大規模になり、時価総額は約1兆7000億ドルと米アップルを抜き世界最大になる見込み。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。
 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2019 INCD-club

 

2019年12月 2日 (月)

2019年48号 (11.25-12.1 通算1012号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年11月25日-12月1日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆米が香港人権法(27日)☆
・トランプ米大統領は香港人権・民主主義法に署名した。
・香港に1国2制度が機能しているかを、米政府が毎年検証。議会に報告する。
・上下院は先に同法案を可決していた。著名で同法が成立した。
・中国は内政干渉であると、激しく反発した。
・米中間の貿易交渉にも影響する可能性がある。
・香港では26日の区議会選で民主派が圧勝した後も、当局は強硬姿勢を変えない。
・11月30日ー12月1日の週末も抗議デモが続き、情勢の行方は不透明だ。

◆欧州委員会の新体制発足(1日)☆
・EUの欧州委員会の新体制が12月1日に発足した。
・欧州議会が11月27日に人事案を承認した。
・新体制はフォンデアライエン委員長以下27人。
・新委員長は、欧州のグリーンニューディールなど6本柱の政策を打ち出した。
・ミシェルEU大統領(EU首脳会議議長)も同日就任した。

◆アリババが香港上場(26日)☆
・アリババ集団が香港取引所に株式を上場した。
・初値は187香港ドルで、公開価格を6%上回った。
・5億株の新株を発行し、865億香港ドル(約1.2兆円)を調達した。
・アリババは2014年にNY証取に上場しており、重複上場になる。
・米市場依存を改善し、資金調達先を分散する狙いとみられる。
・発行株の種類を分けて経営陣の権限集中を残す形は維持される。
・ガバナンス上の問題点を指摘する声もある。

◆トランプ米大統領がアフガン電撃訪問(28日)☆
・トランプ氏はアフガニスタン東部の空軍基地を予告なしに訪問した。
・同国訪問は2017年の就任後初めて。ガニ大統領とも会談した。
・反政府武装勢力タリバンとの和平交渉再開への意欲を示した。
・米国は9月、最終段階にあったタリバンとの和平交渉を打ち切っていた。
・訪問で和平再会に道筋を開き、米軍撤退→外交の成果にしたい狙いとされる。
・ぎくしゃくしていた米軍との関係修復の狙いも指摘される。
・大統領は海軍特殊部隊員の処分に介入。軍の反発を受けていた。
・アフガンには現在、1万2000人の米兵が駐在している。
・同国では9月に大統領選が行われたが、いまだに選挙結果の公表ができない状況。

◆イラク首相が辞任、反政府デモ拡大で(29日)
・イラクのアブドルマハディ首相は、辞意を表明した。
・同国では高失業や電力不足、汚職などを背景に国民の不満が拡大。
・10月以来バクダッドなどで大規模な反政府デモが起きている。
・同国は2003年のイラク戦争後混乱が継続。ISも一時伸長した。
・現政権は2018年5月の選挙を経て、同年10月に成立した。
・イスラム教シーア派政党が首相を支持してきたが、混乱拡大で離反が目立つ。
・反政府デモを先導する組織など不明な点も多い。イラクの混乱は続く。

   ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【株高】 米国の株高が続く。NYダウは27日、前日比42ドル高の2万8164ドルと3日連続で過去最高値を更新した。世界経済は減速感を強めているし、米中貿易戦争の行方など先行き不透明な材料は多い。そうした中での株高に警戒感も出ている。

 【地球温暖化】国連環境計画(UNEP)は26日、新しい報告書を発表した。地球の気温上昇を産業革命から1.5度以内に抑えるためには、温暖化ガス排出量を2020-30年に前年比7.6%減らす必要があるとの内容。現在各国が打ち出している目標では、気温が3.2度上昇する。COP25は12月25日からスペインのマドリードで開かれる。

 【AI対人間】 囲碁の韓国トップ棋士で世界最強ともいわれたイ・セドル9段(36)が引退を表明した。AIにはどうせ勝てないことを引退の理由に挙げた。
 同氏は2016年にグーグルが開発したアルファ碁と対決して敗れ、評判となった。コンピューターはすでに1990年代にチェスで世界チャンピョンに勝利。将棋でも人間を凌ぐ結果をのこしていた。ゲームで最も難しいと言われた囲碁も、2016年に追いついた。
 これからどんな分野で「AI対人間」が注目されていくのか。ゲームのように勝ち負けがはっきりするものではないが、翻訳や文章作成、作曲なども注目される。
 レイ・カーツワイル博士がいうシンギュラリティは2045年。AI対人間は、人類の在り方や地球文明の未来にも関係する問題だ。

◎ AIvs人 白熱していた3年前
◎ 人はどこに?頭悩ます未来予想

 

◎今週の注目(2019年12月2-8日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・地球温暖化問題を協議するCOP25が2日、スペインのマドリードで始まる。13日まで。終盤に閣僚会議が行われる。
・NATO首脳会議が3-4日にロンドンで開かれる。
・WADA(世界反ドーピング機関)が9日の理事会で、ロシアの東京五輪・パラリンピック参加問題を協議する。11月25日に発表した処分案では、五輪や世界選手権などから4年間除外する。選手個人資格での参加は認める。決定に注目が集まる。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。
 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2019 INCD-club

 

2019年11月25日 (月)

2019年47号 (11.18-24 通算1011号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年11月18-24日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆香港区議会選、民主派が圧勝(24日)☆
・区議会(地方議会)選挙が行われ、民主派が圧勝した。
・議席数(全452)は選挙前の約3割→約8割に上昇。投票率は47%→71%だった。
・区議会の権限は小さいが、今回選挙は抗議デモの評価を問う位置づけだった。
・デモ支持の民意が反映された内容だ。
・選挙に先立ち香港警察は18日、抵抗運動の拠点の香港理工大に突入した。
・投降などで約1000人を撤去。逮捕者は400人を超えた。
・香港の高等法院(高裁)は18日、デモ参加者の覆面禁止が基本法違反と判断した。
・しかし中国の全人代は19日判決を批判。判断は全人代だけができると述べた。
・香港情勢は区議会選を経て新たな局面に入る。

◆米国がヨルダン川西岸入植を容認(18日)☆
・米国はイスラエルによるヨルダン川西岸での入植活動を容認した。
・ポンペオ国務長官が、国際法に違反しないと表明した。
・カーター政権は1987年に入植を違法と判断していた。この政策を転換した。
・トランプ政権はエルサレム首都などを認めた。イスラエル寄りを一層強めた。
・パレスチナやアラブ諸国、国際社会は米国を強く批判する。
・パレスチナ和平の行方は一層困難になったとの見方が強い。

◆ローマ法王が日本訪問、核廃絶訴え(24日)☆
・ローマ法王フランシスコが20-26日タイと日本を訪問。
・日本では24日、広島と長崎を訪問し、核廃絶を訴える演説を行った。
・戦争のための原子力利用は犯罪とし、核兵器のない世界を訴えた。
・海外メディアも核兵器廃絶(abolish)を求めるなどと報道。
・メッセージは世界に伝播した。

◆イスラエル連立交渉失敗、検察は首相起訴(20、21日)☆
・野党第1党指導者のガンツ元軍参謀総長は20日、連立協議に失敗した。
・リブリン大統領から組閣要請を受けていたが、調整できなかった。
・与党のネタニヤフ首相も連立交渉に失敗している。
・同国は9月にやり直し選挙を行ったが、政権樹立失敗が続く。
・来年前半にも3度目の選挙実施する可能性がある。
・一方検察は21日、ネタニヤフ首相を収賄罪などで起訴した。

◆大統領選にブルームバーグ氏出馬表明(24日)☆(^^)
・ブルームバーグ元NY市長(77)が、2020年大統領選民主党予備選に立候補した。
・予備選開始から3か月前の出馬表明は異例。
・民主党候補者選びは、本命不在の混戦が続いている。
・中道のバイデン元副大統領が息子の疑惑で失速。
・左派の政策を掲げるウォーレン上院議員の支持が伸びている状況だ。
・この時期の出馬は、民主党の混乱を映す。

   ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【香港情勢の急展開】 香港情勢は重要な動きが続いた。週初には警察が民主派の拠点(香港理工大)を制圧。区議会選の実施を危ぶむ見方もあったが、結局選挙は実施された。結果は民主派の圧勝。投票率も前回から急増した。
 区議会の持つ政治的な力は限定的だ。しかし今回の選挙は、民主化デモに対する民意を表す住民投票的な意味があると位置づけられた。選挙の結果、民意が民主化デモを支持していることが明示された。
 投票率上昇も重要な民意の表れだ。投票場の前には有権者が長蛇の列を成し、その映像が世界に流れた。有権者の民意発露への願いが表れた格好だ。
 今後香港情勢がどう動くかは予断を許さない。中国は強硬姿勢を全く変えていない。それでも、区議会選での民意表明は、歴史的来な記録も含め重い。
 米国では上下院が19、20日に香港人権法案を可決した。人権尊重や民主主義を支援する内容で、米政府に対し1国2制度が機能しているかの検証を義務付ける。人権侵害がある場合は、制裁を科せる。国際社会の動きも重要だ。

◎ 「民主化」の民意の印 見せた秋
◎ 無力でも意思の表示に足運ぶ

 

 【入植容認】 米トランプ政権が、イスラエルによるヨルダン川西岸への入植を容認した。米国はこれまで入植を不法としてきたが、国際法に違反しないと解釈を変えた。国際社会は反発した。
 トランプ政権は発足以来、イスラエル寄りの姿勢を明確にしている。エルサレムをイスラエルの首都と認め、米大使館をテルアビブからエルサレムに移転。1967年の第3次中東戦争でイスラエルがシリアから占領したゴラン高原を、イスラエル領と認めた。いずれも国際的な合意から逸脱する内容。
 そうしたGame Chageの第3弾だが、これによりイスラエルとパレスチナの和平が一層困難になるのは確実だ。
 そのイスラエルでは、9月野やり直し選挙後の連立交渉が失敗。来年前半に再度選挙を実施する可能性が大きくなっている。検察はネタニヤフ首相を汚職などで起訴した。
 これまでと違う要素を加え、不確実性が高まっている。

 

 【ローマ法王のメッセージ】 ローマ法王フランシスコが日本を訪問。長崎と広島を訪れ、平和や核廃棄廃絶を訴えた。被爆地訪問は法王の長年の願いだったといわれる。
 訪問や演説はVatican Newsでも伝えられた。(英語版 https://www.vaticannews.va/en.html)。この内容はYou Tubeでも流されている。
 全世界のカトリック信者は13億人。法王の訴えは、こうした人々には確実に届いている。その重要性を改めてかみしめる。
 トランプ米大統領からのツイッターなどのコメントは、今のところない。

◎ 被爆地から法王の声 地球(ほし)を回る
◎ 何もせぬ現実派を撃つ願いの声
◎ 法王(パパ)の声トランプの答聞いてみたい

 

◎今週の注目(2019年11月25日-12月1日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・区議会選での民主派圧勝を受けた香港情勢は要注意。
・中国のアリババ集団が26日、香港市場に上場する。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。
 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2019 INCD-club

 

 

 

2019年11月18日 (月)

◆ウクライナ疑惑、政治ショー化が加速 2019.11.17

 トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る下院の公聴会が13日始まった。高官らが証言に立ち、過去の経緯などを説明した。米メディアは連日派手に取り上げ、公聴会はさしずめ劇場のよう。2020年の大統領選をにらんだ政治ショーの色彩が強まる。

▼大統領弾劾調査

 ウクライナ疑惑はトランプ政権が、ウクライナ支援の条件としてバイデン前副大統領の息子に関する疑惑の調査を求めたという内容。バイデン氏は2020年大統領選の民主朝の有力候補の1人だ。大統領が外交に特定の政治的利益を結び付ければ、法律違反になる。

 疑惑は夏に内部告発で表面化した。野党民主党多数の下院は9月、弾劾調査の開始を決定した。公聴会もその流れで実現した。

 大統領が直接支持を出したかなど、核心部分はそう簡単に判明するものでもない。実際、公聴会でも間接情報が証言された。それを巡り与党共和党と野党民主党が別の解釈を展開、論争が続いた。

▼大統領選にらみ

 上院では共和党が多数を占めており、弾劾が実現すると見る向きは今のところ少ない。それでも民主党が弾劾調査にこだわるのは、来年の大統領選をにらんでのこと。公聴会でウクライナ疑惑に対する世間の関心を高め、トランプ大統領攻撃を高めようという狙いだ。

 ただし、この疑惑は民主党の有力候補であるバイデン氏に跳ね返ってくる可能性もあり、事態はそう単純ではない。そもそも民主党は大統領候補選びで呼名が続いている。

▼世論は2分

 米世論は2分したままだ。大統領弾劾調査への見方でも、賛否が2分している。ウクライナ疑惑の中身についても、与野党が勝手に言い分を語り、議論がかみ合わない。「米国の分断」に疑惑が影響を与えるのにはに至っていない。

 調査を巡る情勢がどうであろうと、ウクライナ疑惑が米政治をにぎわせ、大統領選の争点の一つになっている事実は変わらない。弾劾調査は政治ショー的な性格を益々強めていく可能性がある。

▼世界に影響

 そんな米国政治の現実に、世界は大きな影響を受ける。ウクライナ疑惑にどうせ注視しなければならないのならば、存分に楽しみたいと考えるのが自然。ただ、話の筋としてあまりに不毛な気もする。

◎ ウクライナ疑惑に安保も忘れがち
◎ 無駄と知り TV付ける 政治ショー

 

2019年46号 (11.11-17 通算1010号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年11月11-17日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆米議会がウクライナ疑惑で公聴会開始(13日)☆
・下院情報特別委は、トランプ大統領のウクライナ疑惑に関する初の公聴会を開いた。
・元ウクライナ代理大使と国務次官補代理が証言に立った。
・トランプ氏がバイデン元副大統領の疑惑捜査を支援の条件にした疑いなどが論点。
・両氏は疑惑の認識を抱いたとの証言をした。大統領との直接対話は含まれない。
・疑惑に関しては下院が9月に大統領弾劾の調査を開始すると決定。公聴会に至った。
・11月中旬までに合計11人が証言に立つ予定。
・野党民主党は、公聴会により疑惑に対する世間の関心を盛り上げる戦略。
・世論調査では、大統領弾劾訴追への賛否は2分している。
・米政治は来年11月に向け大統領選ムードに入っている。
・ウクライナ疑惑はそれに大きな影響を及ぼす要素。米政治の行方を左右し続ける。

◆ボリビア大統領が辞任・亡命 ☆
・モラレス大統領が10日辞任を表明。メキシコに亡命した。
・10月の大統領選での不正疑惑に抗議が拡大。軍が辞職を求めた。
・辞任表明後、継承順位上位の副大統領や上下院議長は相次ぎ辞職を表明。
・野党のアンェス上院副議長が12日、暫定大統領に就任した。
・モラレス氏は亡命後、軍によるクーデターだったと批判した。
・同氏は2005年の選挙で初の原住民出身者大統領に当選。2006年就任した。
・反米・左派の姿勢で、資源の国有化などを実現。貧困対策を推進した。
・2019年10月の大統領選で4選を果たしたが、開票を巡り不正疑惑が浮上した。
・メキシコやアルゼンチンなど中南米の左派政権は同氏支持を打ち出した。
・一連の動きには真相が不明な点も多く、今後の行方は不透明だ。

◆スペイン総選挙、与党勝利も過半数届かず(10日選挙)☆
・やり直し選挙が行われ、与党社労党(中道左派)が第1党を維持した。過半数には未達。
・定数350のうち120を確保した。最大野党国民党(中道右派)は88。
・社労党は急伸左派ポデモス(35)と連立政権樹立への基本合意を結んだ。
・ただし両党合わせても過半数には届かず、連立政権発足のめどは立っていない。
・4月の総選挙でも社労党が第1党になったが連立政権樹立に失敗。再選挙になった。
・今回も同じ構図で、政治の混乱が続く可能性がある。
・極右・反移民のボックスが52議席を獲得。第3党に伸長した。

◆香港情勢緊迫、中国主席が強硬姿勢 ☆
・中国の習近平国家主席は14日、抗議活動を徹底的に取り締まる姿勢を表明した。
・BRICS首脳会議出席で滞在中のブラジルで語った。
・抗議活動が法治と社会秩序を破壊していると批判。香港当局の取締りを支持した。
・香港の林鄭月娥行政長官は先立つ11日、強硬姿勢を改めて強調した。
・現地では抗議活動と警察隊との衝突が継続。
・中国の人民解放軍の香港駐留部隊も市内で清掃活動をするなど存在感を誇示する。

◆トルコはIS戦闘員の欧米への送還開始(11日)☆
・トルコは拘束してきた欧米出身「イスラム国」(IS)戦闘員の送還を開始した。
・ドイツや米国などに送り返した。
・ISには欧米などから4万人以上が参加したとされる。トルコは1200人を拘束した。
・欧州各国は戦闘員の国籍を剥奪するなど、概して受け入れに消極的だ。
・EUはトルコによるシリア北部攻撃を批判。キプロス沖のガス田開発でも対立する。
・こうした情勢下で、トルコは戦闘員送還で欧州に圧力をかけた面がある。
・米欧とトルコの関係は、経済や安保、難民、テロ対応などが複雑に絡み合う。

   ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【ウクライナ疑惑】 トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る下院の公聴会が13日始まった。高官らが証言に立ち、過去の経緯などを明らかにした。米メディアは連日派手に取り上げ、公聴会はさしずめ劇場のよう。2020年の大統領選をにらんだ政治ショーの色彩も濃い。(→国際ニュースを切る)

 【重要ニュース】 トップ5以外にも重要な動きが多かった。スリランカ大統領選(16日)では前大統領の弟で野党候補のゴタバヤ・ラジャパクサ元国防次官(70)が当選した。親中国の政策を進める可能性がある。サウジアラビアの国営石油会社アラムコは17日、12月に予定するIPOの売り出し規模と目標価格を発表した。最大256億ドルの調達を目論む。2014年のアリババグループの上場時を超え、世界最大を目指す。BRICS首脳会議が13-14日にブラジルで開かれ、米国の保護貿易を批判。結束をアピールした。

 

◎今週の注目(2019年11月18-24日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・香港情勢が緊迫度を増している。いつ大規模な流血事態があってもおかしくない。
・ローマ法王フランシスコが23-26日、日本を訪れ、広島や長崎も訪問する予定。どんなメッセージを発するか。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2019 INCD-club

 

 

2019年11月10日 (日)

◆ベルリンの壁崩壊30年と世界 2019.11.10

 ベルリンの壁崩壊から9日で30年を経過。ベルリンで記念式典が開かれた。30年と言えば1世代。世界の変化を振り返るのに良い機会だ。

▼分裂していた世界の統合

 1989年の壁崩壊は冷戦を終了させ、旧ソ連陣営は崩壊。東欧はその後ヨーロッパに復帰した。世界的には東西2大陣営に分かれていた体制の垣根が崩れ、全世界が1つのシステム下の体制となり、グローバル化が加速した。

 壁崩壊当初は民主主義と自由主義経済が世界の基準として定着していくという楽観論が強かった。しかし、事態はそう単純ではなかった。

▼世界金融危機とテロ・紛争

 経済グローバル化は世界の成長を加速し、人々の生活を豊かにしていくと期待された。しかし実際には格差拡大などの問題が深刻化。2008年のリーマンショックとそれに続く世界金融危機は、資本主義体制の欠陥を表面化させた。冷戦時代の東西対立に代わって地域紛争が各地で発生。世界の安全保障を揺るがした。

 2001年の同時多発テロは世界がテロ戦争の時代にある事をあらわにした。その後中東や欧州などでテロが続発する状況が続く。

 中東は混乱が止まず、世界の火薬庫であり続ける。テロの発生源である状況も変わらない。2011年のアラブの春は、結果的に混乱の拡大を生み、シリアやイエメンなどでは内戦が止まらない。混乱は「イスラム国」のような時代の鬼子も生んだ。

▼民主主義の危機

 欧米では成長の恩恵から取り残された人々の増加を背景に、ポピュリズムや反移民・難民政党が勢い付いた。民主主義が揺らいでいる。米トランプ政権の誕生、英国のEU離脱(Brexit)の動き、欧州のポピュリズムや極右政党の台頭、トルコなど強権色の強い政権の誕生などは、同根を持つ。

 民主主義に対する挑戦は、米国流の「ワシントン・コンセンサス」に対する開発独裁的な「北京コンセンサス」の挑戦という形でも表れる。共産党1党独裁の中国は、過去30年間に年率10%近い驚異的な成長を続け、2010年からは世界第2位の経済大国になった。

▼IT革命の影響、踊り場のグローバル化

 これからの世界がどう進むかを予測するのは難しい。ただ、ヒントはいくつか考えられる。

 ネットを中心としてIT革命はこの30年間加速し、人々の生活や経済を決定的に変えた。この流れが止まることはないだろう。ただし、これからは巨大IT企業や国家による情報独占や、IT技術が人の体やあり方を変えるような、非連続的な変化も想定できる。

 グローバル化は踊り場に差し掛かった。それでも、モノやサービス、情報の流れが国境を超えて加速する潮流は、長期的には変われないように見える。特に情報やサービスの国境を超えた移動は加速しそうだ。

▼消えたユーフォリア、改善点も

 民主主義が持ちこたえるのか。文明の衝突や、キリスト教徒イスラム教のような宗教の衝突はないのか。先行き不透明な「大問題」は数多く存在する。

 30年前のユーフォリア(幸福感)や楽観主義は、すっかり消え去った。それでも、30年間に世界が悪くなったとは言い切れない。技術革新の恩恵で、世界がよくなった点も多い。途上国伊置ける貧困率の減少などはそこに含まれるのだろう。

 ベルリンの壁の問いかけ。答えが見えない者は多く、問いは深く、重い。

◎ 30年(みとせ)前、世界は良くなったと思った日
◎ 冷めた夢それでも世界は持っている
◎ 民主主義「危機」と叫んでさてどう動く

2019.11.10

 

 

 

2019年45号 (11.4-10 通算1009号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年11月4-10日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆ベルリンの壁崩壊から30年(9日)☆
・ベルリンの壁崩壊から30年が経過した。
・ベルリンではメルケル首相や東欧首脳が参加し記念式典が開かれた。
・壁崩壊で東西冷戦が終結。欧州は分断→再統合が進んだ。
・世界的には東西2陣営の対立→世界一体のグローバル化が進展した。
・冷戦終了時は民主主義や自由経済の勝利がうたわれた。
・しかし2008年のリーマン・ショックは資本主義の問題点を突き付けた。
・欧米におけるポピュリズムの台頭など、民主主義も揺らぐ。
・ポスト冷戦の帰還を通じ、地域紛争やテロなどが世界を揺るがす。
・30年の節目は、世界のあり方に新たな疑念を突き付けている。

◆RCEP年内合意見送り(4日)☆
・日中印や東南アジア16カ国はRCEPの首脳会議を開催した。
・RCEPの年内合意を断念し、来年に先送りした。
・関税撤廃など巡りインドが譲歩に応じなかった。
・RCEPは2013年から交渉開始。自由貿易圏の創設などを目指す。
・ASEAN+3にインドなどを加える事で、中国の影響力突出を防ぐ政治的狙いもある。
・世界的に保護主義的な傾向が強まる。RCEP見直しはそうした中で決まった。

◆香港抗議活動で初の死者、混迷続く(8日)☆
・抗議活動の最中に立体駐車場から転落し負傷した学生が死亡した。
・香港科技大に通う22歳の男子学生。
・抗議活動に直接関係する死者は、6月に運動が始まってから初めて。
・10日にはSNSの呼びかけで追悼集会が開かれた。
・抗議活動参加者の一部は過激化し、地下鉄施設の破壊などを行った。

◆米がパリ協定離脱(4日)
・米国は地球温暖化のパリ協定離脱を国連委正式通告した。
・同協定は2016年11月に発効。3年経過の4日から離脱手続きが可となった。
・実際に離脱するのは2020年11月になる。
・トランプ米大統領は2017年に協定離脱を表明していた。
・大統領選へ民主党候補は協定再加盟を訴えており、選挙でも争点となる。
・米国は世界2位の温暖化ガス排出国。離脱となれば影響は大きい。

◆ホルムズ海峡の有志連合始動(7日)
・ペルシャ湾・ホルムズ海峡で米主導の有志同盟が7カ国で活動を始動した。
・タンカーなど民間船舶の安全を確保する狙い。
・参加国は米国の他、英国、豪州、サウジ、バーレーン、UAE、アルバニア。
・米は当初数十国の参加を目指したが、規模は縮小した。
・今年前半、ペルシャ湾航行中のタンカーへの攻撃が相次いだ。
・これを受けて米国は、融資連合の結成を訴えていた。

   ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【ベルリンの壁30年】 ベルリンの壁崩壊から9日で30年を経過。ベルリンで記念式典が開かれた。30年と言えば1世代。世界の変化を振り返るのに良い機会だ。(→「国際ニュースを切る」)

 【米中貿易戦争】 米中貿易戦争を巡り、両国の駆け引きが続く。中国は7日、発動済みの追加関税を段階的に撤廃する方針で一致したと発表した。これに対しトランプ米大統領は8日、「合意していない」と述べた。

 【イラン核問題】 イランは6日、中部フォルドゥの施設でウラン濃縮再開の準備に着手した。米国が核合意から離脱し、対イラン制裁を復活したことへの対抗措置の第4弾。中東では各地で紛争や緊張が表面化しているが、イラン情勢は最重点で警戒が必要な案件の1つだ

 

◎今週の注目(2019年11月11-17日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・スペイン総選挙が10自治実施された。11日には結果判明する。
・米議会が13日、ウクライナ疑惑で公聴会を開く。民主党は大統領弾劾をターゲットに据える。展開から目が離せない。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2019 INCD-club

 

2019年11月 4日 (月)

◆IS指導者殺害と中東情勢を眺める姿勢 2019.11.3

 米国が「イスラム国」(IS)指導者のバクダディ容疑者を殺害した。トランプ大統領が27日発表した。

▼世界を震撼

 ISはシリア、イラクの混乱の中から生まれてきたテロ組織。バクダディ容疑者は元々アルカイダ出身で、ISの指導者となりカリフを自称した。2014年にはイラクのモスルを制圧。バクダッドまで迫るかという勢いを見せた。一時はシリアからイラクに広大な地域を支配した。

 中東や世界各地から志願兵を募り組織を維持した。残虐な行為を繰り返し、捕虜を斬首する映像など拡散。世界を震撼させた。

▼IS後も消えないテロの温床

 中東情勢で利害対立を続けてきた国際社会も、まずはIS打倒で一致。シリア、イラク政府軍や米国など国際社会の反攻で、2017年までにISの主要拠点を奪還した。容疑者の死亡でISの活動は一つの転機を迎える。

 ただし、中東の混乱が続き、テロを生む構造は変わらない。ISは新しい指導者の下で活動をPRする。各地でテロ組織が活動を続ける状況は変わりがないし、第2、第3のIS登場の可能性も消えない。

▼米国のクルド人への裏切り

 IS打倒ではシリアの反政府勢力のクルド人組織(SDF)が大来な役割を果たした。米国はSDFをを支援してきた。しかし、ここにきてSDFと敵対するトルコがシリア北部で軍事行動に出てSDFを国境地帯から排除。米国はトルコの行動を黙認する姿勢をとった。

 トランプ米大統領は中東からの撤退、配備縮小を優先させる。しかしクルド人勢力からすれば米国の裏切りにしか映らない。中東における米国への不信は募る。

▼敵味方の構図が変化

 米国やイスラエル、サウジとイランの対立は激化する。ロシアは中東での影響力拡大を狙う。サウジの石油施設への攻撃など新たな脅威も現実のものとなった。敵味方の構図がくるくる変わり、偶発的な紛争のリスクも増えているように見える。

▼少ない正面からの議論

 トランプ米大統領はバクダディ容疑者殺害の様子を自慢げに米国民に報告した。あたかも「悪い奴をやっつけた」という西部劇風の感じだ。それに対し米国の少なからぬ国民が喝采を叫んだのも事実だ。

 民族や宗教、歴史が複雑に絡み合う中東問題。その問題点や対応策を真剣に論じるより、バクダディ殺害のような出来事をお祭り騒ぎのように取り上げる現実。米国や世界の現状を映す風刺画風の縮図にも見える。

◎ 中東も西部劇と見る超大国  
◎ 「悪者を殺った(やった)」の喝采に「ちょっと待て」

2019.11.3

 

2019年44号 (10.27-11.3 通算1008号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年10月27日-11月3日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆英国12月総選挙、Brexitで民意問う(10月29日)☆
・英国が12月12日に総選挙を実施する。下院が特別法案を採決した。
・EU離脱(Brexit)が最大の焦点。3年半に及ぶ混乱の末に再度国民の審判を仰ぐ。
・ジョンソン政権は10月にEUと離脱条件で合意。早期の離脱を目指す。
・最大野党の労働党は関税同盟への残留や再度の国民投票を求める。
・自民党やスコットランド民族党は残留を主張。野党内でも立場は異なる。
・英国は2016年の国民投票で離脱を決定。以後離脱方法や条件を巡り迷走してきた。
・最新の合意も下院の承認を得られず、実現のめどが立たない状況。
・離脱期限はすでに3回延長され、現在の期限は2020年1月末になっている。
・首相の保守党が勝利すれば1月までの離脱が決まる。
・ただし野党勝利となれば先行きは不明。合意なし離脱のリスクも消えない。
・合意あり離脱の場合も、地域分離など新たな動きが想定される。

◆チリのAPEC首脳会議中止、デモ拡大収拾つかず(10月30日)☆
・チリは11-12月に予定していたAPEC首脳会議とCOP25の開催を断念した。
・ピニェラ大統領が発表した。
・大規模なデモが継続し、安全確保が困難と判断した。
・同国では政府による地下鉄運賃値上げをきっかけに10月以来デモが拡大。
・10月19日には首都サンチャゴに戒厳令が敷かれた。
・同国の成長率やインフレ、失業率はIMF統計ではそれほど悪くない。
・しかし格差の拡大や低賃金などがデモの背景にあると指摘される。
・チリの人口は1800万人。1人当GDPは1万3000ドルあまり。銅生産は世界1。
・同国では1973-90年軍事政権が支配。4万人が殺害・拷問された歴史を持つ。

◆IS指導者を殺害(10月27日)☆
・米国は「イスラム国」(IS)指導者のバクダディ容疑者殺害を発表した。
・シリア北西部で軍事作戦を実行し、自爆に追い込んだ。
・容疑者はアルカイダ出身。ISの指導者となり、2014年にはイラクのモスルを制圧。
・シリアからイラクにかけて広大な地域を支配した。
・シリア、イラク政府軍や米国などの反攻で2017年までに主要拠点を喪失していた。
・容疑者の死亡でISの活動は一つの転機を迎える。
・ただ、テロを生む構造は不変。第2、第3のIS登場を懸念する見方も消えない。

◆アルゼンチン大統領選、左派候補が当選(10月27日)☆
・大統領選が行われ、左派のアルベルト・フェルナンデス元首相が当選した。
・中道右派のマクリ大統領から4年ぶりに政権交代する。
・マクリ政権は新自由主義的な政策で経済再建を目指し、国際金融市場に復帰した。
・しかし通貨ペソの下落や高インフレで経済が悪化、人々の不満が高まった。
・新大統領はペロン主義の流れの正義党所属。ばらまきへの懸念も指摘される。
・市場ではデフォルト再来の懸念が高まり、ペソ安が進んだ。
・同国は20世紀初頭には世界有数の豊かな国だったが、経済改革に遅れ停滞。
・政治的には、軍事政権時代やペロン主義政権の時代が多かった。
・パイパーインフレも経験し、国際金融市場で過去8回デフォルトを経験した。

◆トランプ氏の弾劾調査で決議(10月31日)☆
・米下院はトランプ大統領の弾劾調査に関する決議を採択した。
・ウクライナ疑惑に関し、公開証言を求める権限を下院情報特別委に与えた。
・野党民主党の賛成多数で決めた。共和党からの造反はなかった。
・決議の結果、関係者の議会証言が実現。世間に訴える劇場型の展開になる。
・大統領は「魔女狩り」と批判。与党共和党の引締めを強める。
・弾劾には上院の3分の2が必要で、今のところ成立するメドは立たない。
・民主党は世間の関心を集め、大統領攻撃→大統領選を有利にする狙いも透ける。
・11月3日には大統領選まで1年を切った。大統領の疑惑は選挙に影響する一要素だ。

   ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【IS指導者殺害と中東を見る視点】 米国が「イスラム国」(IS)指導者のバクダディ容疑者を殺害した。トランプ大統領が27日発表した。(→国際ニュースを切る)

 【米大統領選まで1年】 米大統領選まで3日で1年となった。現職のトランプ大統領はロシア、ウクライナと続く疑惑で揺れる。野党民主党主導の米下院は、弾劾の調査に関連して決議を採択。議会で公開証言を求めることを決めた。今後調査が劇場型になる可能性もある。一方、野党民主党の候補者選びは左派のウォーレン候補が優位になる情勢だ。一つ一つ動きから目を離せない。

 

◎今週の注目(2019年11月4-10日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・ベルリンの壁崩壊から9日で30年を迎える。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2019 INCD-club

 

 

 

«◆ボリビアの混乱と中南米の不条理 2019.10.27

2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

ウェブページ