2019年10月13日 (日)

◆トルコのイラク北部攻撃と中東の混乱拡大 2019.10.13

 トルコがシリア北部に攻撃を開始した。クルド人勢力を攻撃するもので、中東の戦火がまた一つ広がった。背後には、米国の中東における存在感が低下し、力の空白が各地に生じている事情もある。

▼クルド人攻撃

 トルコによるシリア北部の攻撃は9日に始まった。この地域にいるクルド人勢力のSDFに対し空爆などを実施。多数の死傷者が出ている。

 トルコは国内に1000万人以上のクルド人を抱え(全人口は8000万人)、国外のクルド人との連携を警戒している。SDFに対しても過激派と決め付け、敵対関係にある。

 シリア内戦によりトルコには約400万人の難民が流入している。トルコはシリア北部に安全地帯を作り、ここに難民を移送する計画を持っている。今回の攻撃も、こうした構想の中で行われた。

▼エルドアン・トランプの電話会談

 攻撃に先立つ6日、米国のトランプ大統領とトルコのエルドアン大統領は電話会談。シリア情勢などを協議した。トランプ米大統領は翌7日、「部隊を帰還させる時が近づいた」とシリア北東部からの撤退を示唆する情報をツイッターで発信した。これに対し米政府高官が、撤退ではなく配置交換と修正するなど、説明は混乱した。

 トルコの攻撃開始後、エスパー米国防長官は10日、トルコ国防相に攻撃中止を要求した。しかし、何より目立ったのは米国の中東政策の混乱だ。

▼米国の迷走

 米国のシリア政策は、2011年に同国で内戦が始まってから迷走し続けてきた。オバマ大統領はシリアのアサド政権が化学兵器を使用すれば攻撃に踏み切ると公約していたのにも関わらず、2013年に介入を見送った。

 2014年以降に「イスラム国」(IS)が台頭した後、米国は対ISでクルド人主体のシリア民主軍(SDF)を支援してきた。しかし、ISが2017年にシリアの拠点を失った後に、支援の姿勢は曖昧になっている。

 トランプ米大統領は基本的に中東からの撤退を実現したい立場。2020年に大統領選をにらんで実績を目に見える形で示したい意欲も強く、撤退に前のめりになりがちだ。今回のトルコによる攻撃に際しても、そうした姿勢が浮き彫りになった。

▼複雑な関係

 攻撃されたシリアのクルド人(シリア民主軍=SDF)は、対IS(イスラム国)で米国が支援してきた組織。SDFにしてみたら、米国に裏切られた感じがしてもおかしくはない。

 シリア情勢は、ロシアやイランがアサド政権を支援。一方の反体制派は寄合所帯で、米国やサウジが支援しているものの、その本気度や距離感は情勢によって変化している。トルコはアサド政権と対立する一方、反体制派陣営の一部のSDFとは敵対してきた。事情は複雑だ。

▼中東の紛争

 中東で現在戦闘や衝突が続いているのは、イエメン内戦、パレスチナ、シリア、リビア、レバノンなど。ここにイランとサウジやイスラエルの対立や各国国内の対立、アルカイダやISなどの過激派の活動などが加わる。敵と味方が複雑に絡み合い、構図がすぐに変化する。

 背後につく外国の立場も流動的だ。ロシアや米国、欧州諸国、中国などが自国利益の拡大を狙い関与する。

 表に出ている情報がすべてを語っているわけではない。知られていないことが多数ある事も常に意識しておく必要があるだろう。それにしても、中東が世界の火薬庫であることを改めて想起させる。

2019.10.13

◆エチオピア首相にノーベル平和賞の意味 2019.10.13

 ノルウェーのノーベル賞委員会は11日、2019年のノーベル平和賞をエチオピアのアビー・アハメド首相に授賞すると発表した。国内の民族融和やエリトリアとの和平など地域安定に取り組んできた功績を評価した。

▼人口1億人、多民族のエチオピア

 エチオピアは人口1億人を超えるアフリカの大国の一つ。80以上の民族が暮らす。最大民族はオモロ人で、アムハラ人、ティグレ人などが暮らし、民族関係は複雑だ。

 宗教的にはエチオピア正教などキリスト教徒が半分を占めるのが特徴。その他にイスラム教徒や伝統宗教の信仰者がいる。

 1974年に皇帝を追放するクーデターで軍事政権が樹立されて以来、不安定な政情が続いた。1991年の政変以来エチオピア人民革命民主戦線が権力を掌握しているが、ここでは少数民族のティグレ人が政治・経済を掌握してきた。

▼若い指導者のアビー氏

 アビー氏は2018年4月に41歳で就任し、現在43歳という若い政治指導者。オモロ人のイスラム教徒として生まれ、エチオピア国内や英国で教育を受けた。博士号はエチオピアの開発問題で取得しているが、コンピューターなども学んでいる。

 与党であるエチオピア人民革命民主戦線で政治活動を始め、2018年に首相に就任した。国内では民族対立の緩和に努め、政治・経済改革を推進した。

▼エリトリアとの和平

 エチオピアは隣国エリトリアと1998年から国境紛争を抱え、2000年までに10万人が死亡。その後も緊張が続いた。アビー首相は就任から4か月の2018年7月に国交正常化で合意した。

 2019年には軍と市民グループの対立が続くスーダンで仲介を推進。民政以降に向けた合意形成に貢献した。

▼貧困と高度経済成長

 エチオピアは他のサハラ以南(サブサハラ)の国々と同じように経済発展が遅れ、1人当のGDPは1400ドル程度(2014年)。国連開発計画委員会の2017年発表のリストでも、後発開発途上国に留まる。

 しかし過去10年あまりの経済成長は顕著で、平均10%前後の成長を続ける。近年の経済発展の背景には、中国による投資も大きい。

▼ノーベル賞のメッセージ

 近年のノーベル平和賞授賞は、地域の和平促進や全地球的な問題(環境問題、女性の教育など)への取り組みを後押しする意味合いを込める事が多い。今回のアビー氏への授賞もそうした脈略で捉えられる。

 地域和平の促進は、ノーベル賞の授賞後に頓挫・後退したケースも多い。エチオピアやアフリカ情勢の今後に注目だ。

 参考に、過去10年のノーベル平和賞をリストアップする。

・2010 劉暁波(中国) 中国の人権活動家
・2011 エレン・ジョンソン・サーリーフ(リベリア)、レイマ・ボウィ(リベリア)、
    タワックル・カルマン(イエメン) 女性の権利
・2012 EU 欧州の発展と安定
・2013 化学兵器禁止機関 化学兵器排除の活動
・2014 マララ・ユスフザイ(パキスタン)、カイラシュ・サティーアーティ(インド)
    女性や児童などの権利の擁護、教育の権利
・2015 チュニジア国民対話カルテット 同国民主化に対し
・2016 サントス大統領(コロンビア) コロンビア内戦の和平推進
・2017 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN、スイス) 核兵器廃止条約への貢献
・2018 デニス・ムクウェゲ(コンゴ民主共和国)、ナーディーヤ・ムラード(イラク) 
    戦時の性暴力
・2019 アビィ・アハメド(エチオピア)

◎ノーベル賞ニュースにアフリカ考える
◎サブサハラ貧困と笑いが十重二十重

2019.10.13

 

2019年41号 (10.7-13 通算1005号) 国際ニュース・カウントダウン

 

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年10月7-13日
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◆トルコがシリア北部の攻撃、米は対応迷走(9日)☆
・トルコ軍はシリア北部のクルド人勢力への軍事行動を開始した。
・トルコはクルド人主体のシリア民主軍(SDF)を過激派との立場を取る。
・シリア北部に安全地帯を設置し、ここにシリアから流入した難民を移す計画といわれる。
・米国や欧州は攻撃を批判した。
・ただトルコの判断の背景には米国の中東政策の混乱もある。
・攻撃に先立つ6日、トルコのエルドアン大統領とトランプ米大統領は電話会談。
・トランプ氏は7日シリア北東部から撤退を示唆。米政府高官が修正したが混乱が目立った。
・シリアはアラブの春の後、アサド政権、反体制派、イスラム国(IS)が内戦を展開。
・米国は対ISでクルド人主体のシリア民主軍(SDF)を支援してきたが、IS解体後は距離を置く。
・米国の中東政策混乱と存在感の低下は、同地域の情勢不安定を一層高めている。

◆ノーベル平和賞にエチオピア首相(11日)☆
・2019年のノーベル平和賞はエチオピアのアビー・アハメド首相に授賞する。
・ノルウェーのノーベル賞委員会が発表した。
・同氏は2018年に41歳で首相に就任。国内の民族対立の緩和に努めた。
・周辺国との関係改善にも努め、エルトリアと2018年7月に国交正常化した。
・スーダンでは軍と市民グループの対立の仲介に動いた。
・エチオピアは人口1億人を超えアフリカ第2。80以上の民族が住む。
・最近10年は急速な経済成長を遂げているが、1人当GDPは約1400ドルと貧しい。

◆ペイパルなどがリブラ参加見合わせ ☆
・FB主導で懸隔しているデジタル通貨「リブラ」への参加見送りが相次ぐ。
・ペイパルが4日に見送りを発表。ビザとイーベイも11日に追随した。
・リブラ計画は6月に発表。当初28の企業・団体が参加を表明していた。
・しかし各国中銀などが計画への懸念を表明。実現への課題が大きくなった。
・リブラ協会は14日にジュネーブで設立総会を開く予定。
・どんな方向を打ち出すか注目だ。

◆アップルが香港で地図ソフト停止、中国抗議で(10日)
・中国共産党の人民日報は8日、アップルの地図ソフトを批判した。
・香港で同ソフトにより警察の位置情報が分かり、デモ隊が活用しているため。
・アップルは10日、ダウンロードを停止した。
・中国はティファニーの広告へも批判を展開。同社は広告を撤回した。
・広告はモデルが右目を覆う構図。デモ参加者の右目負傷事件を連想させるため?
・中国大手企業は相次ぎNBAとの連携を中止した。
・ヒューストン・ロケッツ幹部が香港の抗議デモ支持をネットに掲載したため。
・中国による香港の情報管理が形を変えて強まっている。

◆イランのタンカーが爆発(11日)
・紅海でイランのタンカーが爆発を起こした。
・タンカー保有会社はミサイルによる攻撃を受けたと主張した。
・中東では5月以来、ペルシャ湾で各国のタンカーが攻撃される事件が続発。
・9月にはサウジの石油施設が攻撃を受けた。
・米国はいずれもイランが関与したと主張。緊張が高まっている。
・今回のイラン船攻撃で、軍事衝突などのリスクが一層高まる。

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◎寸評:of the Week
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 【米中貿易交渉】 米中貿易戦争を巡る閣僚級の協議が10-11日にワシントンで開かれ、農産物や為替など一定分野で合意した。世界景気や米中国内景気の減速などを踏まえ、当面の摩擦激化は回避した格好。次の焦点は、11月中旬にチリでAPEC首脳会議の際に開かれる予定の米中首脳会談に移る。

 【トルコのシリア北部攻撃と中東の混乱】 トルコがシリア北部に攻撃を開始した。(→国際ニュースを切る)

 【ノーベル平和賞】 ノーベル平和賞がエチオピアのアビー・アハメド首相に授与される。(→国際ニュースを切る)

 

◎今週の注目(2019年10月14-20日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・EU首脳会議が17-18日に行われる。英国のEU離脱(Brexit)を巡る大詰めの協議が行われる。

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2019年10月 6日 (日)

◆中国建国70周年が映す現状 2019.10.6

 

 中国が10月1日に建国70周年を迎え、北京の天安門広場で盛大な式典が行われた。

 式典では雛段上に習近平国家主席以下幹部が並び、軍事パレードでは最新兵器を誇示した。習主席は中国が強国を目指す姿勢を改めて強調した。

▼大国の誇示

 会場の天安門広場は、1949年に建国が宣言され、1989年には天安門事件で民主派の弾圧が行われた場所だ。

 中国は1949年の建国の後、1970年代まで文化大革命やその後の政治闘争など混乱が続いた。しかし、鄧小平の指導の下に1978年の開放改革路線が始まってから、急速な経済成長を実現。その後約40年間の高成長を続け、今や世界の経済大国に成長した。

 影響力の拡大は経済にとどまらない。安全保障面では南シナ海などで軍事的な存在感を強めている。アフリカでは存在感と影響を拡大。一帯一路構想では中央アジアや中東などとの関係を強化する。

 式典ではこうした大国の誇示が随所に表れた。

▼中国型モデル

 10年ほど前までは、中国が経済成長すれば政治的な民主化も進むとの希望的観測が強かった。1党独裁の政治体制下で、経済成長がいつまで続くわけがないとの見方もあった。しかし、そうした見方は外れ続けた。

 1989年の天安門事件で、中国は政治的な民主化を徹底的に弾圧した。それにも関わらず、経済成長はむしろ加速した。「社会主義的資本主義」「国家資本主義」など、矛盾したような概念がまかり通る状況になった。

 アジアやアフリカの途上国などでは、中国的な開発独裁的経済発展モデルへの支持や受け入れが広がった。背後には、リーマン・ショックとその後の政治・経済の混乱により、欧米が誇示してきた「民主主義・自由経済」のモデルの魅力が減退したこともある。「北京コンセンサスvsワシントン・コンセンサス」の論争でも、必ずしも劣位ばかりでなくなった。

▼高度監視社会

 10年前と違うもう一つの面が、高度監視社会の実現だ。SNSやコンピューター・データの規制、監視カメラによるモニターなどを通じ、中国は世界でも先端を行く高度監視社会の一つになった。それが政治的な自由や民主化活動を妨げている面がある。

 SFに表現されるディストピア的な世界ともいえる図式。世界全体がその方向に向かう中で、中国は先頭を走る。

▼米中新冷戦

 もちろん、中国にとって都合の良い話ばかりではない。米国はトランプ政権の成立後、中国に対する警戒をむき出しにし、経済戦争を仕掛けた。ハイテク分野での規制も強化している。米中は新冷戦の時代に入ったとの指摘もある。

 貿易戦争の影響で中国経済は減速を強め、債務膨張などのリスクも拡大している。生産拠点の中国から東南アジアなどへの移転加速する。それでも中国経済が6%前後の成長を続けている点は、留意しておく必要がある。

▼香港問題の問い

 70周年式典に直接問いを投げかけたのが香港問題だ。同地では6月に始まった抵抗運動が続き、1日にもデモ隊と警官が衝突し、18歳の高校生が実弾で撃たれる事件が起きた。香港の混乱は長引き、収束の展望は見えない。

 1997年の香港返還の時には、その後50年間の1国2制度が約束された。しかし中国の支配強化が進み、1国2制度は有名無実化が進む。抵抗運動は、中国式の政治システムに対し香港の人々の懸念がいかに強いかを改めて示した。

 中国はその気になれば香港の抗議活動を力ずくで抑え込むことも容易だろう。しかしその場合、世界で中国への批判が強まり、中国型モデルの魅力が傷付く可能性が高い。

▼歴史の一幕

 ソ連は72年で崩壊した。それに比べ中国の体制が強固であることは間違いない。しかし、より長期的な将来がどうなるかは、分からないとしか言いようがない。

 2029年の建国80周年に、中国と世界がどんな姿になっているのか。そして建国70周年の映像はどのように見られることになるのか。世界にとって大きな命題だ。

◎ 祝賀の広場(ば)、建国、弾圧去来する。
◎ 自由なき発展に世界がまた唸る
◎ 香港の声押さえ込む記念の日

2019.10.6

 

2019年40号 (9.30-10.6 通算1004号)国際ユース・カウントダウン

 

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年9月30日-10月6日
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◆中国が建国70周年、北京で大規模軍事パレード、香港で抗議(1日)☆
・中華人民共和国の建国から70年が経過。式典が行われた。
・北京では大規模な軍事パレードを実施。最新鋭の兵器を公開した。
・習近平国家主席は共産党の指導を改めて強調。強国路線を力説した。
・1国2制度の堅持するとも演説した。
・香港では逃亡犯条例繁多に端を発する抗議活動が継続した。
・台湾の大陸委員会は1国2制度を受け入れないとの声明を表明した。
・70周年を機に中国の発展、大国化、課題などに改めて焦点が当たった。

◆香港、覆面デモ禁止、緊急条例を発動(4日)☆
・香港政府はデモ参加者が顔を隠すのを禁じる覆面禁止法の制定を発表した。
・緊急状況規則条例も発動した。行政長官権限であらゆる規則を定める仕組み。
・議会の手続きを経ずに規制でき、発動は英国支配時代の1967年以来だ。
・覆面禁止条例発動後の5日にも、抗議デモは続いた
・中国建国70周年の10月1日には、警官がデモ参加者に実弾を発砲した。
・香港の抵抗運動は収束のメドがつかないまま混乱が続く。

◆米がEUに報復関税、エアバス補助金で(2日)☆
・米国はEUに対し、エアバスへの補助金で報復関税の発動を表明した。
・WTOが同日、最大75憶ドルの報復関税を承認したため。
・EUも報復を検討中で、米中貿易摩擦が激化する懸念がある。
・米国とEUは航空機メーカーへの補助を巡り2000年代から係争を続ける。
・WTOはエアバス、ボーイング双方への補助が違反との判断を下した。
・ETOは米EUを仲裁する形で、報復関税に上限を定めることを決めた。
・今回の決定はWTOのルール内での報復関税で、一方的措置とは異なる。
・EU側は報復合戦を避けるべきとの意見を表明していたが、回避できなかった。

◆英がBrexitで「最終案」、合意なし離脱大詰め(2日)
・英政府はBrexitに関する新提案をEUに提出した。
・北アイルランドで農産物や工業製品について、当面EUのルールを受け入れる。
・移行期間後にルールに従い続けるかは、4年ごとに北アイルランドが判断する。
・メイ前首相とEUは、英国全体が関税同盟に残るとしたが、否定する。
・南北アイルランドの国境チェックはなくすとするが、施行策は抽象的。
・EUないでは、提案には問題が多いとの見方が強い。
・英国の離脱期限は10月31日。合意なし離脱に進むかは不透明な状況が続く。

◆サンダース氏が大統領選選挙活動停止(2日)
・民主党のサンダース上院議員(78)が2020年大統領選の選挙活動を停止した。
・動脈閉塞が見つかり、緊急手術を受けたた。
・同氏は民主党の指名争いの有力候補。左派で格差是正などを訴える。
・高齢でもあり、健康問題の顕在化は支持低下の可能性がある。
・その場合、同様に左派のウォーレン上院議員に支持が回るとの読みがある。
・サンダース氏の健康問題は、選挙戦の図式に影響を与えそうだ。

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◎寸評:of the Week
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 【中国の建国70周年と香港問題】 中国が10月1日に建国70周年を迎え、北京で盛大な式典が行われた。(→国政ニュースを切る)

 【北朝鮮のミサイル発射】 北朝鮮が2日SLMBミサイルを発射。日本の排他的経済水域に着水した。米国は短距離ミサイルならば黙認の構えを示しているが、今回のミサイルは微妙なところ。北朝鮮は、米国や日本、韓国の出方を見る狙いとの見方が強い。
 こうした中で米国と北朝鮮は5日、スウェーデンのストックホルムで実務者協議を行った。米朝協議は神経戦が続いている感じだ。

 

◎今週の注目(2019年10月7-13日 &当面の注目)
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・香港情勢は緊迫が続く。
・米中貿易摩擦を巡る閣僚級の協議が開かれる。
・ノーベル賞の発表が7-14日に行われる。
・ポルトガルの総選挙が6日実施。結果が出る。

 

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2019年9月29日 (日)

2019年39号 (9.22-29 通算1003号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年9月22-29日
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◆トランプ大統領にウクライナ疑惑、下院が弾劾調査開始へ(24日)☆
・トランプ氏に絡み、ウクライナへの調査依頼や情報隠蔽の疑惑が浮上した。
・野党・民主党のペロシ下院議長は、弾劾の調査を開始すると表明した。
・民主党バイデン元副大統領の息子関連の調査を同国に不当に依頼した疑い。
・バイデン氏は2020年大統領選の候補で、トランプ氏のライバルとなる。
・トランプ氏が、バイデン氏に不利な情報を得ようとしたと疑われる。
・トランプ氏は25日、ウクライナ大統領との電話記録を公表した。
・下院特別委は26日、疑惑に関する内部告発文書を公開した。
・疑惑の真相は不明だが、米政治を揺るがす事態になっている。
・政権はロシア疑惑に続きウクライナ疑惑を抱え、疑惑が続く格好だ。

◆英議会閉会に違法判断(24日)☆
・英最高裁はジョンソン英首相による約1か月の議会閉会を違法と判断した。
・EU離脱前の重要な時期の長期閉会は、審議の議会を奪っていると断じた。
・訴訟にはメージャー元首相(保守党)も加わっていた。
・首相は9月10日-10月13日の閉会を決めた。判断を受け下院は25日に再開した。
・違法判断は首相の強行姿勢に打撃を与えた。
・ただBrexitの行方は不透明。首相と議会の攻防が局面を変えて続く。
・ジョンソン首相は以前10月末離脱の姿勢を替えていない。

◆国連で気候サミット(23日)☆
・国連本部で気候行動サミット(Climete Action Summit)が開催された。
・スウェーデンの女子高生環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(16)が登壇。
・各国指導者に「失敗は許さない」などと警告した。
・グテレス国連事務総長は2050年に温暖化ガス排出をゼロにすると約束した。
・しかし、参加各国からの具体的な約束は乏しかった。
・会議に先立ち世界各地で若者らのデモが展開された。
・トゥンベルさんの活動とデモは、温暖化問題の節目の出来事として記録される。

◆国連総会、イラン問題は前進なし
・国連総会で各国首脳の演説が行われ、併せて首脳外交が展開された。
・イランのロウハニ大統領は25日、国連演説で制裁下では交渉に応じないと表明。
・米国は同日イランへの追加制裁を発表し、対立姿勢を強めた。
・両国の首脳会談は実現しなかった。
・サウジ石油施設への攻撃に関し、英独仏もイランに責任があると批判した。

◆スペイン連立組閣断念、再選挙へ(24日)
・連立政権樹立交渉が失敗。解散→再選挙となった。
・4月の総選挙ではサンチェス首相の社会労働党(中道左派)が第1党となった。
・しかし過半数には届かず、急進左派のポデモスなどと連立協議を続けた。
・憲法規定の23日までに過半数の支持を確保できず、再選挙となる。
・同国では15年末選挙後も組閣ができず2016年に再選挙を実施。
・サンチェス政権は2018年に少数与党で成立したが、19年4月選挙に追い込まれた。
・混乱の背景には政党支持の多極化があり、政治安定は大きな課題だ。

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◎寸評:of the Week
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 【ウクライナ疑惑】 米トランプ大統領を巡る疑惑がまた表面化した。バイデン元副大統領の息子が絡んだ調査を、ウクライナのゼレンスキー大統領に不当に依頼したという内容。民主党のペロシ下院議長は24日、大統領の弾劾に関する調査を始めると発表した。
 大統領選に有利になる働きかけを外国にするのは犯罪。民主党はこれに加え、トランプ政権が情報隠蔽に走ったなどとも指摘する。米国ではこの「ウクライナ疑惑」が、連日ニュースのヘッドラインを飾っている。
 ペロシ議長の表明を受け、トランプ政権は25日に電話記録を公開。これに対し議会の特別委員会は26日、内部告発文書を公開した。SNSやメディアでの発信も含め、情報戦も過熱する。
 事の真相は今のところ不明だが、それでもきな臭さを感じさせるには十分。トランプ大統領の場合、少し前まで「ロシア疑惑」が燃え盛っていたばかり(今は下火だが依然くすぶる)。
 大統領就任前ならとにかく、就任後は新たな疑惑には人一倍注意するのが普通。それなのに、という感じだ。トランプ政権の場合、疑惑があるのが通常のような体質すら感じる。
 今回の場合、2020年大統領選の有力候補であるバイデン氏にも疑惑が飛び火する可能性がある。そうなれば情勢は一層混乱するし、米政治の劣化が一層際立つ。
 トランプ政権の発足から2年半以上が経過した。米国第一や国際協調軽視に対し政策面から批判があるが、政権の運営や体質については酷評を超え、呆れるような場面も目立つ。くるくる変わる陣容、朝令暮改が日常のような大統領の発言、疑惑の続出などだ。
 ウクライナ疑惑は今後しばらく、嘆息をつきたくなるような話題を提供するのだろう。

◎ ウクライナ、ロシアは疑惑の関連語
◎ 弾劾の攻防内向き極まれり

 
 【重要ニュース】 2014年の香港の雨傘運動開始から26日で5年を経過した。香港では逃亡犯条例改正をきっかけに6月に始まった抗議活動が現在も続く。アフガニスタンの大統領選が9月28日に投票された。19世紀に団体旅行の時代を切り開いた英トーマス・クックが23日破産した。シラク元仏大統領が死亡した。

 

◎今週の注目(2019年9月30日-10月6日 &当面の注目)
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・中国が10月1日に建国70周年を迎える。米中貿易戦争や香港での抵抗運動が続く中での記念日。習近平主席はどんなメッセージを発するか。
・アフガニスタンの大統領選が9月28日に終了したが、各地でタリバンによる妨害テロも起きた。開票の経緯や結果はどうなるか。
・ポルトガルの総選挙が10月6日に行われる。
・米中貿易摩擦を巡るの閣僚級の協議が10月第2週に開かれる予定。

 

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2019年9月22日 (日)

◆サウジ石油施設攻撃の衝撃 2019.9.22

 サウジアラビアの石油施設が14日攻撃を受け、大規模な被害を受けた。事件により中東の緊張が一気に高まっている。

▼石油の心臓部を攻撃

 攻撃を受けたのはサウジ東部にあるアブカイクとクライスにある石油施設。事件後に公開された情報によると、原油から不純物を取り除く施設などが被害を受けた。被害は深刻で、専門家によれば復旧まで数か月かかるとの見方が多い。

 両施設はサウジの石油施設の心臓部。攻撃により同国の石油生産は半分がストップした。全世界の生産量の5%に当たる。

▼米はイラン批判

 攻撃直後にイエメンの反政府組織フーシがドローン10機による実行を表明した。しかし関係者の情報では、攻撃はイエメンのある南方からではなく、北方から飛来したドローンやミサイルにより行われたという。

 米国はイランの関与を主張。トランプ大統領もツイッターで「イランがきっと関与した」などと表明した。

 イラン国内の強硬派は、米国との対決を強調。対話を模索する穏健派の動きを封じようとしている。強硬派が穏健派潰しの狙いも込めて攻撃した、というのが「イランによる攻撃」を主張する人々の見立てだ。

 5-6月にはホルムズ海峡付近で日本を含む外国籍のタンカーが攻撃を受けた。これもイラン強硬派による行為とする見方が、米国内では強い。ただし、明確な証拠が示されたわけではない。

 イランはいずれの攻撃への関与も否定する。真相は今のところ、分からない。

▼首脳会談の可能性後退

 米トランプ政権はイラン核合意から離脱。同国への経済制裁を復活するなど、イランとの対決姿勢を強めてきた。しかし、一方でイランとの戦争や軍事衝突は避ける姿勢を貫いてきた。

 8月のフランスでのG7サミット以降、トランプ大統領はロウハニ大統領との首脳会談実現に前向きな姿勢を示すようになった。9月末にNYでの国連総会の場を利用し、両国首脳会談が開催されるとの見方も強まった。しかし、可能性も後退したように見える。

 米国は、サウジ石油施設攻撃を受けてイランへの制裁を強化。20日には同国中銀などを制裁対象に加えた。

 イランは反発し、最高指導者のハメネイ師は米国との当面の対話を否定する発言をした。

▼偶発的事件発生の懸念

 当面対話が進まないとなれば、緊張軽減の機会は期待しにくい。米国、イランのいずれも戦争や軍事衝突は望まないが、ボタンの掛け違いによる重大事態発生の可能性はある。

 攻撃者が誰であるにせよ、タンカーへの新たな攻撃やサウジの石油施設への新たな攻撃の懸念が消えない。

 1週間前に比べはるかに危険な状況になった。全体像が見えない緊張が続き、偶発事件発生の懸念が高水準で推移する。

▼サウジ増派

 米国はペルシャ湾でのタンカー防衛に有志連合形成を表明。7月には関係国への説明会を開いた。しかし調整事項は多く、なお本格的に動き出していない。緊張の高まりを受けて、改めて有志連合結成を急ぐ構えだ。

 米国は同時にサウジ防衛の支援を強化。エスパー国防長官は20日、ミサイル防衛部隊の増派を表明した。

 トランプ大統領の政策は、対外派兵の縮小が大原則。しかしこれを貫通できるほど、中東情勢は甘くない。今回の動きはそんな現実をも映し出す。

▼世界経済に悪材料

 経済への影響も大きい。サウジの原油生産減少で、原油価格は一時急騰するなど乱高下した。地政学リスクの高まりも強く意識されるようになった。

 世界経済は米中貿易摩擦や、米国の金融緩和に端を発する新興国市場の不安定懸念の高まりなどで減速懸念が強まっている。中東の緊張増加で不安材料がまた一つ増えた。

2019.9.22

 

2019年38号 (9.16-22 通算1002号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年9月16-22日(アジア22日午前まで)
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◆サウジ石油施設攻撃、米がイラン非難、緊張高まる ☆
・サウジの石油施設攻撃(14日)の波紋が広がっている。
・トランプ米大統領はイラン関与を示唆。米国はイラン制裁を拡大した。
・米は20日、サウジへの米兵を増派すると発表した。
・原油価格は攻撃前より一時15%以上上昇するなど強含みで推移する。
・攻撃でサウジの原油生産は半減。同国は早期の復旧を主張するが不透明だ。
・イランのハメネイ最高指導者は17日、米国との対話に否定的な発言をした。
・国連総会を利用した米・イラン首脳会談の可能性が指摘されたが、後退した。
・中東の緊張は高まり、不測の事態への懸念が強まる。

◆米追加利下げ(18日)☆
・米FRBは政策金利の引き下げた。FF金利誘導目標を2-2.25%→1.75-2%にする。
・利下げは7月に続き連続。経済の悪化を防止する狙い。
・パウエル議長は景気が悪化すればさらに利下げすると述べた。
・ただし米経済の行方は不透明で、金融政策の行方も見通しにくい。
・米国は昨年までの超緩和是正→今年に入り、緩和に転換している。
・米に追随する形で欧州中銀やアジア各国が金融緩和を実施。
・世界の金融市場は米政策の影響振れ幅が大きくなっている。

◆世界各地で気候変動対応デモ(20日)☆
・気候変動への対応を求める若者らのデモが世界各地で行われた。
・23日からの国連気候行動サミット(UN Climete Action Summit)を前にしたもの。
・スウェーデンの女子高校生、グレタ・トゥンベリさんが始めた金曜デモが土台。
・NYやロンドンなど世界150か国以上の都市で行われ、計数百万人以上が参加した。
・環境関係のデモとしては史上最大の規模だ。

◆イスラエルで再選挙、過半数勢力なし(17日)☆
・総選挙が実施され、中道野党「青と白」が第1党になった。
・ネタニヤフ首相の与党・右派「リクード」は第2党に後退した。
・いずれの陣営も協力勢力を合わせても過半数に達せず、新政権の行方は不透明だ。
・同国では4月の選挙でも過半数を制する勢力がなく、連立協議が行き詰まった。
・このため初の再選挙が実施されたが、同様の結果になった。
・ネタニヤフ首相は大連立を提唱したが、青と白のガンツ党首は拒否した。
・ただ、ネタニヤフ氏が首相続投を断念すれば可能性はあるとの観測も流れる。

◆国連総会が開幕(17日)
・第74期の国連総会がNYの本部で開幕した。
・23日に気候行動サミットが開かれる。24日から各国首脳の演説が行われる。
・焦点は気候変動問題とイラン情勢だ。
・イランのロウハニ大統領の出席は後退したとの見方が強い。

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◎寸評:of the Week
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 【サウジ石油施設攻撃の衝撃】 サウジアラビアの石油施設攻撃(14日)で、中東の緊張が一気に高まっている。(→「国際ニュースを切る」)

 

 【温暖化デモ】 地球温暖化対策を求めるデモが20日、全世界的に行われた。23日の国連温暖化行動サミットをにらんだ動き。スウェーデンの女子高校生グレタ・トゥンベリさんの始めた金曜日デモ(Frideys for Futures)が原動力になって実現した。
 参加者などの正確な数字は確認されていないが、全世界150か国の都市で、数百万人が参加したと推測される。環境関係のデモとしては文句なしに史上最大規模だ。
 NYの集会には25万人が参加し、トゥンベリさんも参加した。ロンドンやベルリンなどは各10万人以上が参加した。東京は3000人だった。
 地球温暖化は様々な要因が絡み合い、単純な話ではない。しかし、何らかの行動が必要だろう。全世界的なデモはその意思表示になる。
 スウェーデンの女子高生の活動が、こうした流れを生み出したという事実も重要だ。
 トランプ米大統領の反応は、今のところまだマスメディアでは伝えられていない。ツイッターの発信を見てみたい。

◎ 環境を守れのデモの輪 世界回る
◎ 「おかしい」と少女の抗議がドミノのボタン
◎ トランプのツイートが見たいデモの秋

 

◎今週の注目(2019年9月23-29日 &当面の注目)
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・国連の地球行動サミットが23日に開催。どんなメッセージが出されるか。
・アフガニスタンの大統領選が9月28日に予定される。当初3月の予定だったが、治安悪化のため延期された。今回は予定通りに行われるか。実施された場合、現職のガニ氏が再選を目指すが、情勢は読みにくい部分も多い。
・2014年の香港の雨傘運動から26日で5年を迎える。運動は制圧されたが、5年後の2019年(今年)には政治犯引渡し条例に端を発した抵抗運動が拡大。現在も継続する。香港情勢を再度見直す機会だ。

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2019年9月16日 (月)

◆米、GAFA規制を強化へーー米IT政策の曲がり角 2019.9.15

 

 GAFAに代表されるIT大手に対する規制が、米国でも強まる。テキサス、NYなどの州政府は、グーグルとFBそれぞれに対し、独禁法違反の疑いで調査を開始すると発表した。IT業界のあり方を変える可能性がある。

▼州政府が調査開始

 テキサス州など50州・地域は9日、グーグルが広告事業で独禁法(反トラスト法)に違反している疑いがあるとして、調査開始を発表した。

 NY州など9州・地域は6日、FBが収集データを利用して利用者の選択を制限したり、広告価格を不当に引き上げた疑いで捜査開始を発表した。

▼欧州の規制

 大手IT企業の情報独占に対する批判は、欧州を中心に数年前から強まっていた。EUは2018年、グーグルに対しスマホのOSアンドロイドの抱合せ販売の疑いで43億ユーロの支払いを命じるなど、競争法を使った規制を強めている。また、優遇税率を利用した課税逃れ防止にも熱心で、アップルとアイルランド政府に143億ドルの支払いを命じている(欧州司法裁判所で係争中)

 こうした欧州の動きに対し、米国はこれまでIT産業の育成を優先し、規制には及び腰だった。しかし今年に入り独禁法適用の姿勢を厳格化すると表明するなど、規制強化の方向を打ち出していた。

▼GAFAの巨大化

 GAFAが世界のIT業界を牛耳る形になったのはここ10年余り。2010年代に入ると4社にマイクロソフトなどを加えた米大手の存在は圧倒的になり、過去数年は時価総額ランキングでも上位5社程度を独占する。グーグルやFBのユーザー数は数十億人。もはやGAFAなしには世界経済が成り立たないような状況になっている。

 一方で、後発の新興企業を早期に買収するなど、新たな新陳代謝の芽を摘んでいるとの弊害も指摘されるようになった。グーグルによるユーチューブの買収、FBによるWhat's upやインスタグラムの買収などが典型例だ。

 大手IT企業の創設年を見ると、マイクロソフトやアップルが1970年代。グーグルやアマゾンが1990年代。フェイスブックが2004年。創業15年のFBを除けば、他社は20年以上を経過する。挑戦者だった新興企業の文化が変わっていっても不思議ではない。

▼独禁法の威力

 当局の規制は、米IT産業の行方にとって決定的に重要だ。旧ATTは1970-80年代の係争を経て1984年に分割。米通信業界はそれまでの独占→競争の時代に入った。マイクロソフトは1990年代の独禁法を巡る司法省との争いでビジネスの制約を受け、アップルやグーグルなど新興企業が発達する背景になった。

 米当局によるGAFAなどへの規制が今後どう推移するかは、現時点では見通し難い。しかし、潮目が変わったのは間違いない。重要な動きだ。

◎ GAFA独占「でも便利」から「おかしいぞ」
◎ ITの お触書替え 3回目

 

2019.9.15

2019年37号 (9.9-15 通算1001号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年9月9-15日
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◆グーグルとFBを独禁法で捜査、米州政府など(6-9日)☆
・テキサスなど50州・地域は独禁法違反でグーグルの調査を始める。9日発表。
・広告事業で独禁法違反がないか調査する。
・NY州などはフェイスブックを独禁法違反で調査する。6日発表した。
・利用者の選択制限や広告価格の引き上げなどを調べる。
・GAFAなど大手IT企業に対し情報独占などへの批判が年々強まっている。
・EUは数年前から競争法違反で罰金を命じる例を重ねている。
・米国はIT産業育成を重視してきたが、今年に入り競争重視に政策転換した。
・大手ITの今後のビジネスに影響を与えるのは必至だ。

◆ボルトン大統領補佐官を解任(10日)☆
・トランプ米大統領はボルトン安保担当補佐官を解任した。
・アフガニスタンやイラン、北朝鮮政策などでの対立が指摘されていた。
・ボルトン氏は2018年3月にマクマスター補佐官に変わって就任。
・政権内で最もタカ派で、イランや北朝鮮との対話に慎重だった。
・アフガン問題ではタリバンとの対話に反対していた。
・同氏解任でトランプ政権の外交政策が変わる可能性がある。
・ボルトン氏は解任ではなく辞任を申し入れたと主張している。

◆サウジの石油施設に攻撃(14日)☆
・サウジ東部の石油施設2か所が無人機の攻撃を受け出火した。
・イエメンの武装組織フーシが無人機10機で攻撃したと発表した。
・火災は鎮火したが、サウジの原油生産は日量570万バレルに減少した。
・同国の生産量のほぼ半分で、世界の石油供給量の5%に当たる。
・ポンぺオ米国務長官は攻撃の背後にイランがいたと批判。イランは否定した。
・中東情勢は一層緊迫。世界の原油市場にも影響を与える。

◆欧州委員会、次期体制(10日)☆
・フォンデアライエン次期委員長は欧州委員の人事案を発表した。
・委員長以下27人(英国は委員なし)で、13人が女性。
・気候変動やデジタル政策などを重視。上級副委員長を充てる。
・通商担当にはアイルランドのホーガン氏を任命する。
・同氏はBrexit後の英国との通商交渉も担当する。
・通商やITなどで米国と渡り合い、欧州の利益を守る姿勢を見せた。
・EUは英国離脱や、各国における反移民・反EU政党の台頭などの課題に直面する。
・新体制は統合戦略の立て直し、民主主義や自由貿易維持などに取り組む。

◆ロシア地方選与党が勝利、広範に選挙介入(8日投票)☆
・地方選が行われ、プーチン大統領の与党「統一ロシア」が勝利した。
・サンクトペテルブルクなど16に首長選で与党候補が勝利。
・注目のモスクワ市議会選でも与党が過半数を維持した。
・プーチン政権は対立候補排除など露骨に介入。強引に体制安定を維持した。
・同国では経済低迷や年金改革などで国民の不満が募っている。
・与党の支持率も低下しており、プーチン体制の行方に不透明感も漂う。

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 【韓国情勢:政権vs検察】 韓国の文在寅大統領が側近の曺国氏の法相任命を強行した。曺国氏は娘の大学院進学に関し疑惑を抱え、検察が家族を捜査・起訴。指名に世間の批判もあったが、大統領は強行した。
 問題の背景には政権と検察の対立(権力闘争)が指摘される。韓国では検察の権力は強大で、時には政治的に動くとの指摘もある。特に文政権のような革新系政権には厳しい、との見方がもっぱらだ。
 今回の指名に対し、野党などは大統領を厳しく批判するが、半数近い世論が政権を支持しているのも事実だ。政権vs検察(保守の野党)。韓国社会の分断の象徴例であるのみならず、政権不安定や政治混乱の懸念を強める。

 

 【9.11から18年とアフガン情勢】 2001年の同時テロから18年を経過した。米国のNYやワシントンなどでは追悼の式典が例年通り行われた。
 一方、テロのもう一つの舞台になったアフガニスタンはその後混乱が続く。当時のタリバン政権は、9.11を実行したテロ組織のアルカイダをかくまっていたことから、米国などが同国を攻撃。アフガン戦争に発展した。その後、米国など国際社会の支援を受けた非タリバン政権ができたが、情勢は安定しない。政権vsタリバン勢力の内戦状況が続く。
 米トランプ政権はタリバンと水面下の和平交渉を模索したが、今のところ立ち消え状況だ。アフガン戦争から間もなく20年。展望が見えないまま、駐留だけが延びる手詰まり状況が続く。

 

 【欧州追加緩和】 欧州中銀が12日の理事会で金融緩和を決めた。2018年12月に打ち切った量的緩和を再開するほか、マイナス金利の幅を拡大する。金融緩和は3年半ぶり。米国は7月末に10年ぶりの利下げに踏み切っており、世界的な金融緩和が広がる。
 欧州中銀はユーロ圏の景気減速に対応して緩和を決めた。マイナス金利は、銀行が中銀に余剰資金を預ける際の金利をマイナス0.4%→マイナス0.5%に拡大する。

 

 

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・米FRBが17-18日に公開市場委員会(FOMC)を開く。追加の金融緩和が焦点。
・国連総会が17日開幕する。

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