2021年4月11日 (日)

◆アリババへの罰金と中国の情報管理 2021.4.11

 中国当局がアリババに巨額の罰金(182億元)を科した。同社がネット通販で独占的な地位を乱用したという理由で、中国独禁法による罰金としては過去最大だ。

 中国当局の狙いや今回の罰金の位置づけは不明な部分が多い。しかし、中国のIT戦略や情報管理政策が曲がり角を迎えていることは認識しておく必要があるだろう。

▼独禁法違反

 中国当局は制裁の理由について、同社がネット通販で、取引先に対し競合相手と取引をしないように求めるなど、独占的な地位を乱用したためとする。これが同国独禁法に違反するという説明だ。

 アリババは決定に従うという声明を発表。社会的な責任を果たしていくとも表明し、恭順の意を表した格好だ。

▼政策の舵切り

 中国当局の、大手ITに対する姿勢の変化が目立ち始めたのは昨年後半。大手IT各社への規制を強め、中でも電子商取引最大手のアリババへの動きが際立つ。昨年11月には、アリババ傘下の金融会社アントが上場を予定していたが、延期(中止)を余儀なくされた。当局の意向が働いたとの見方がもっぱらだ。当局はその後アリババ本体への調査に着手。半年に満たない調査で今回の決定だ。

 テンセントなど他のIT大手に対する調査も始め、罰金も科している。ただ、金額などはアリババがけた違いに多い。

 中国はこれまでIT企業の育成を重視。電子商取引ではアマゾンなど米大手を中国市場から占め出し、その恩恵でアリババなどが育った。中国当局が自国のIT企業を応援した形だ。ここに来て、支援から規制に舵を切ったようにも見える。

▼様々な憶測

 事実関係や中国当局の真意には、分からない部分も多い。

 大手ITに対する規制強化は世界的な流れ。EUは数年前から様々な試みをしている。米国も昨年後半、司法省がグーグル、FTCがフェイスブックをそれぞれ提訴するなど、基本スタンスを規制強化の方向に変えた。

 ただ、中国の規制強化を欧米と同じ脈略(論理)で捉えるのは、打倒でないように見える。

 アントの場合、Fintechの分野で急成長し、当局の金融規制が及ばなくなる恐れがある。アリババ本体にしても、あまり影響力を拡大すると、当局の思うがままに動かなくなるーーこんな警戒が、規制強化につながったとの見方がある。アリババやアントの株主に、党長老につながる人脈が含まれており、政治的な警戒を呼んだという情報も流れる。真偽のほどはいずれも不確かだ。

▼国家による情報管理

 真相がつかめない中でも、注意すべき点がある。中国の国家・党による情報管理や情報独占の動きだ。

 中国はかねてネットを使った国民の情報収集や管理を強めている。TVカメラを通じた国民の行動監視やデータ収集、SNSの発信内容の把握など様々だ。

 一方、アリババなど大手IT企業は、国民の買い物情報、個人の健康情報など膨大なデータを蓄積している。これが国家にが取り込まれたらどうなるのか。管理社会は一段レベルが高まる。

▼情報化・監視社会の行方

 高度管理社会や情報独占の懸念は、コロナ後の世界で益々重要なテーマになる。そしてこの問題を論じるき、焦点になるのは中国だ。

 アリババの罰金には、分からない部分が多く残る。「社会のIT化」や「高度監視社会化」の潮流をしっかり押さえて、個々の動きやニュースを追って行く必要があるだろう。

◎ 党の声、アリババ「凄い」が「大丈夫?」
◎ また一つ監視社会が進む春

2021.4.11

 

 

2021年14号 (4.5-11 通算1082号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2021年4月5-11日
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◆中国当局がアリババに巨額罰金(10日)☆
・中国の規制当局はアリババに対し182億元(3000億円)の罰金を科した。
・取引先に対し競合企業との取引をしないように迫ったと判断した。
・中国独禁法違反の制裁金としては過去最大。昨年12月から調査に入っていた。
・アリババは決定を受け入れるとの声明を発表した。
・アリババ参加の金融会社、アントは昨年11月、上場延期に追い込まれた。
・中国はこれまでIT育成を重視してきたが、ここに来て規制強化が目立つ。
・判断や事実関係に不明な点もあるが、中国のIT政策が転機にあると感じさせる。

◆英米で経済活動再開の動き ☆
・英国は8日、新型コロナ感染防止の規制を一部緩和。学校を再開させた。
・米国もNYで5日、映画館が再会するなど規制緩和が一部で進んだ。
・両国はワクチン接種が比較的順調に進み、感染拡大に歯止めが見られる。
・仏伊など欧州大陸諸国の多くは感染拡大が続き、ロックダウンを強化する。
・英国は7日、30歳未満へのアストロゼネカのワクチン投与を制限すると発表した。
・スペインなども同社製ワクチンの年齢制限を表明。安全性や有効性に対する判断が揺れる。

◆北アイルランドで対立再燃 ☆
・プロテスタント系とカトリック系住民の対立が再燃。懸念が広がっている。
・プロテスタント系住民は2日、英国による統治強化を求めるデモを実施。
・これをきっかけに火炎瓶の投げ合いなど暴動が発生。連日続いている。
・北アイルランドでは1960-90年代に紛争が続き、3500人が死亡した。
・1998年のアイルランド和平は、南北アイルランド間の通行自由が前提だった。
・英のEU離脱後は、南北の通行自由を維持する一方、北ア・英本土間に通関を設ける。
・これに一部プロテスタント系住民などが不満を抱き、今回の事態につながった。
・Brexitは北アイルランド問題を詰めずに決まった。矛盾がリスクとして表面化した形だ。

◆ヨルダンで前皇太子軟禁(4日)
・アブドラ国王の異母弟で前皇太子のハムザ王子が軟禁常態にある事が表面化した。
・サファディ副首相によると、王子が国家を不安定にするため外国勢力とやりとりをした。
・王子に近い人物など14-16人を拘束したという。
・BBCが入手した動画によると、王子は軟禁状態にある。政府の腐敗などを批判した。
・ヨルダンは人口1000万人。多数のパレスチナ難民が住む。
・アブドラ国王は1996年即位。99年に王子を皇太子に据えたが、2004年に長男に替えた。
・中東諸国は相次ぎ、国王支持を表明した。
・状況の詳細は、なお不明な点も多い。

◆英フィリップ殿下が死去(9日)
・エリザベス女王の夫のエジンバラ公フィリップ殿下が死去した。99歳。
・ギリシャの王子の息子として生まれ、政変で国外に。1947年女王と結婚した。
・夫として女王を支える一方、慈善団体の会長など多数の公務を務めた。
・英国や欧州の王室のあり方を語る上でも、存在感があった。

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◎寸評:of the Week
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 【アリババへの罰金と中国の情報管理】 中国当局がアリババに巨額の罰金(182億元)を科した。何が起きているのか(→国際ニュースを切る)

 【世界の動き】 コロナは引き続き、感染拡大とワクチン接種の進展などがキーワード。ミャンマー情勢は軍の強硬姿勢が加速。流血拡大が続く。

 

◎今週の注目(2021年4月12-18日 &当面の注目)
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・引き続きコロナ、ミャンマー情勢、米中などに関心。

 

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2021年4月 4日 (日)

2021年13号 (3.29-4.4 通算1081号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2021年3月29日-4月4日
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◆欧州ロックダウン下のイースター、南米、インドなどでも感染拡大(4日)☆
・欧州大陸でコロナ感染が再度拡大。各国が行動規制を再導入した。
・フランスは31日、外出制限を全土に拡大すると発表した。全国規模規制は3回目。
・イタリア主要都市は3月中旬からロックダウン中。独でも行動規制が続く。
・欧州は広域で都市封鎖下のイースター休暇となっている。
・ワクチン接種で先行する英国は、感染拡大に歯止めがかかる傾向もみられる。
・中南米、インド、米国などでコロナ感染が再度拡大している。
・世界的な新規感染者は、1月上旬の山→2月は減少→3月から再び増加の形。
・新規感染は変異種の割合が高まっている。
・主要国のワクチン接種は、英が4割、米が3割、EU諸国が13%程度という状況だ。

◆ミャンマーのクーデター2カ月、情勢は一段と悪化(1日)☆
・クーデターから2カ月を経過。市民らの様々な形の抵抗と、軍による抑圧が続く。
・3月27日の国軍記念日にはデモ隊に治安部隊が発砲し100人以上の死者が出た。
・その後市民は散発的な抗議活動や、職場放棄などの不服従の抵抗を続ける。
・東南部の少数民族カイン族居住区では軍が空爆実施。住民3000人が隣国タイに逃げ込んだ。
・北東部化カチン州などでも少数民族と軍の衝突が起きている。
・周辺国のタイ、マレーシア、バングラディシュなどは避難民流入に揺れる。
・国内ではATMからの現金引き出しが一部制限されるなど、経済的打撃も広がっている。
・情勢は収拾の見通しがないまま混乱が拡大している状況だ。

◆スエズ運河、貨物船離礁(29日)☆
・座礁していた大型コンテナ船が離礁。運河の通航が再開した。
・23日の座礁から6日間で復旧した。
・座礁で一時400隻以上が足止めを食らっていた。
・エジプトの運河庁は再開後、通航量を通常の2倍に引上げ渋滞解消に当たった。
・事故は海上輸送ネットのリスクに改めて焦点を当てた。

◆バイデン政権が大型インフラ投資2兆ドル提案(31日)
・バイデン政権は大規模なインフラ投資計画を発表した。
・向こう8年間で総額2兆ドルを投じ、道路や鉄道、製造業振興に投資する。
・財源は連邦法人税を21%→28%に引き上げて賄う。
・計画は米国雇用計画(American Jobs Plan)と銘打って大統領が発表した。
・大統領は雇用を増やし、中国との競争に打ち勝つとも強調した。

◆中国全人代、香港の選挙制度見直し正式決定(30日)
・中国の全人代常務委員会は、香港の選挙制度見直し案を可決した。
・立法会(議会)に立候補者が「愛国者」かどうかを審査する仕組みを新設。
・事実上、民主派の締め出しを可能にする。
・中国は3月初めの全人代で方針を打ち出していたが、正式決定された。
・香港の1国2制度の空洞化が決定的になった。

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◎寸評:of the Week
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 【コロナのイースター】 キリスト教圏ではイースターを迎えた。通常なら欧米でイースター休暇がにぎわうところだが、今年はコロナの影響で、前年に引き続きお祭りを祝える状況でない。
 フランスはイースターに合わせて全土でロックダウンを実施。ドイツは23日に厳しいロックダウン実施を発表した後、翌24日になって撤回するなどドタバタを演じた(一定水準の行動規制は残る)。イタリアは3月中旬から、主要都市にロックダウンが導入されている。
 コロナ感染拡大の状況は国によりまちまちだが、大陸欧州では昨年-1月にかけて感染の山を越えた後、2月ごろは落ち着いた。それが3月以降再び拡大している。
 ここに来ての感染拡大は、ブラジルなど中南米やインドなどでも目立つ。昨年末から世界各地でワクチンの接種が始まったが、感染の拡大に追い付いていない状況だ。
 イースターは日本語では復活祭。キリストの復活を祝うものだが、春の本格的な訪れを祝うゲルマン民族などの伝統と重なっている。通常なら夜が明るくなる感じだが、今年はとてもそんな感じではない。
 2年連続の厳しい復活祭。過去を振り返れば、ペストなどの疫病、戦争など、悲劇の下での謝肉祭はもちろんあったと。そんな当たり前のことに改めて気付く。
 コロナのイースターは、歴史的視点を少し思い出させてくれる。
 
◎ 無人の街コロナ下2度目のイースター
◎ 再度の春復活の願い繰り返す
◎ 疫病禍を何度見てきたか復活祭

 

◎今週の注目(2021年4月5-11日 &当面の注目)
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・引き続きコロナ、ミャンマー情勢、米中などに関心。

 

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2021年3月29日 (月)

◆米欧の対中制裁と中国の対抗 2021.3.28

 米EU英カナダがウイグル問題で対中制裁を発動した。前週に米中外交協議で激しくやり合ったのに続く動きだ。米国を中心として西側の陣営と、中国(およびその陣営)の対立は、様々な外交戦を繰り返しながら深まっているように見える。

▼ウイグル問題で人権侵害を批判

 ウイグル問題での制裁は、EU、英国、米国、カナダが22日に相次ぎ発表した。中国のウイグル人の扱いが、人権侵害に当たるという理由だ。

 今年に入り、ウイグル問題は相次ぐ動きを見せた。

 米国は1月に中国によるウイグル人弾圧がジェノサイドと認定。新疆ウイグル自治区で生産された綿製品の輸入を禁止した。

 2月には中国が、ウイグル問題を報じた英BBCインターナショナルの放映を禁止。カナダやオランダの議会が、中国によるウイグルの扱いをジェノサイドとする決議をした。

 そして今回の制裁だ。制裁の対象はウイグル問題の関係者など。実際の効力は限定的だ。それよりも、中国に対する「強い姿勢」を示す意味合いが大きい。

▼米中対立

 米国はトランプ政権下で中国に対する強硬姿勢を強め、高率関税の導入やハイテクでの締め出しを図った。南シナ海問題で中国の主張を違法と断じるなど安全保障面でも対決姿勢を強めた。

 2020年に中国が香港国家安全法を導入し、香港の直接統治を強めると、米港は「香港自治法」を採択。当局者への制裁などを実施した。

 バイデン政権はトランプ政権時代と異なり、欧州など同盟国との協調を強調する。また、地球温暖化問題などでは中国に協力を呼びかけている。しかし、中国に対し強い姿勢で臨むことは変わらない。

 今回の制裁で、米国および欧州同盟国と中国の緊張が一層高まった。

▼中国外相の中東訪問
 
 一方中国は前週、王毅外相がトルコ、サウジアラビア、イランを訪問した。イランとは通商や安保協力で25年間の協定を結んだ。

 イランも核問題などを巡り、米国との対決が続く。協定には、中国とイランが協力して、共に米国に対抗する姿勢を示す狙いがあるとみられる。

 外相はトルコでは新型コロナのワクチン協力などを協議し、サウジとも経済などの協力を協議した。

▼マスク・ワクチン外交

 中国は昨年以降、マスクやワクチン外交で東南アジアやアフリカとの関係強化に努めてきた。今回の中東外交も、この脈略で捉えるべきだろう。

 中国はロシアとの関係強化にも余念がない。世界が米国を中心とした陣営と、中国を中心とした陣営に分かれいがみ合うーーこんな冷戦時代のような関係も、荒唐無稽ではない状況だ。

▼中国の存在感

 一連の動きからは、中国の存在感の拡大も改めて感じる。そもそも米国がこれだけ対中警戒を強めるのは、中国の経済力、国際的影響力が急速に拡大しているからだ。

 今回の中東外交も、中国の国際的な地位向上を感じさせる。王毅外相は楊チエチー中国共産党政治局員に次ぐ中国外交のナンバー2だが、25人いる政治局員でもなく中国内の序列は高くない。

 しかし今回の訪問で、トルコではエルドアン大統領、サウジではムハンマド皇太子、イランではロウハニ大統領と、いずれも国のトップと会った。米国務長官級の扱いと言っていいだろう。

 既存の外交秩序が変わっていることは、明らかに見て取れる。

◎ 中国をキーワードにして地球(よ)は回る
◎ 外相と元首の会談が大見出し

 

2021.3.28

 

 

2021年12号 (3.22-28 通算1080号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2021年3月22-28日
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◆米EU英加が対中制裁(22日)☆
・米国とEU、英国、カナダはウイグル問題で対中制裁を発動した。
・中国のウイグル族への扱いが人権侵害に当たるとし、政府当局者らに制裁する。
・制裁は象徴的な意味合いが強いが、欧米が一致して対応する政治的意味は大きい。
・中国は反発。4カ国・地域に対し報復制裁措置を発表した。
・米バイデン政権は同盟国と協調して中国に対し強い姿勢で臨む方針。
・ウイグル問題については1月にジェノサイドと認定した。
・地球温暖化など一部分野では中国との協力姿勢も示す。
・中国は2月、ウイグル問題を報じた英BBCワールドの放映を禁止した。
・米欧と中国の対立は、厳しさを増し新段階に入りつつある。

◆中国がイランと経済・安保で25年協定(27日)☆
・中国とイランは経済・安保を巡る25年に及ぶ協定を結んだ。
・中国からイランへの投資や、イランから中国への原油・ガス提供などを含む模様。
・王毅外相が同国を訪問、ロウハニ大統領やザリフ外相と会談し合意した。
・中国、イランは安保政策などを巡り米国や欧州などと対立する。
・協定には、共に米国などに対抗する意味合いがある。
・王毅外相はトルコ、サウジも訪問。ワクチン供与などで協力を約束した。
・ワクチン外交ともいえる手法で中東との関係を強化。米に対抗する狙いが見える。

◆スエズ運河で大型コンテナ船座礁(23日)☆
・スエズ運河で大型貨物船が座礁。他の船が運河を通行できない状況になった。
・運河周辺に100隻以上の船が立ち往生。欧州・アジア間の物量に打撃を与えている。
・座礁船は日本の正栄汽船が所有し台湾のエバーグリーンが運航するコンテナ船。
・全長400メートル、幅59メートルで、2万TEU(20フィートコンテナ2万個積載能力)。
・エジプトのスエズ運河庁が復旧を目指すが、28日現在メドが立たない。
・スエズ運河は年間1万8000隻が往来し、世界の貿易量の10%が通る。
・事故を受けて原油価格が上昇するなど、経済への打撃が懸念される。

◆ミャンマー衝突、100人以上死亡(27日)☆
・国軍記念日を迎え、軍が首都ネピドーでパレードを実施した。
・国民は各地で抗議活動を継続。治安部隊と衝突し、100人以上の死者が出た模様。
・2月1日のクーデター以来最大の被害となった。

◆北朝鮮が弾道ミサイル(25日)
・北朝鮮は新型ミサイル2発を日本海に発射した。短距離弾道ミサイルとみられる。
・バイデン米大統領は同日、発射が国連決議に違反すると述べた。
・北朝鮮は21日には、短距離ミサイル2発を発射した。バイデン政権発足後初。
・米朝間の対話は、2019年のトランプ大統領と金委員長の会談以来前進がない。
・バイデン政権は非公式な接触をしていると伝えられるが、大きな動きはない。
・北朝鮮がミサイル発射で米国の出方をうかがった可能性もある。

 

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◎寸評:of the Week
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 【米欧の対中制裁と中国の対抗】 米EU英カナダがウイグル問題で対中制裁を発動した。前週に米中外交協議で激しくやり合ったのに続く動きだ。(→国際ニュースを切る)

 【スエズ運河の座礁】 スエズ運河で大型コンテナ船が座礁。運河の通航が止まった。不通が長引けば、世界経済への影響も拡大する。
 それにしても、こうした事故があると、世界の物流の現状がよく見えて来る。

 【コロナ感染】 新型コロナは欧州や南米などで感染が拡大。新たな感染の波かと懸念される。米国でも地域により、再び感染拡大の兆しがある。

 

◎今週の注目(2021年3月29日-4月4日 &当面の注目)
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・スエズ運河の座礁は、復旧が実現するか。
・コロナ感染のとワクチン接種の推移も注目。
・ミャンマーは、クーデター発生から2カ月を経過する。

 

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2021年3月22日 (月)

2021年11号 (3.15-21 通算1079号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2021年3月15-21日
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◆欧州でコロナ感染再び拡大、仏伊で規制再導入☆
・フランスやイタリアなどで新型コロナ感染が再び拡大している。
・英国型などの変異種の感染が中心で、全体の5-7割を占める。
・伊は15日から都市封鎖を拡大。仏はパリなどに3度目の外出制限を決めた。
・仏伊などは昨年末に感染の一山を超えたが再燃した。英国は減少傾向にある。
・ワクチン接種は英国や米国がEU諸国より進んでいる。
・世界ではブラジルなども感染が再拡大している。
・コロナは昨年末からワクチン接種が始まった。ただ普及には時間がかかる。
・変異種登場もあり、感染収束のメドは立たない。

◆米中外交協議、激しい非難合戦(18-19日)☆
・米国と中国の外交トップの協議がアラスカで開かれ、激しい応酬を繰り広げた。
・ブリンケン国務長官、楊貴(ヤン)ジエチー中国共産党政治局員らが参加した。
・国務長官は新疆ウイグル、香港、台湾などを挙げ、人権などの観点から批判した。
・楊氏は内政干渉だなどと反論。報道陣カメラの前で1時間以上もやり合った。
・米バイデン政権発足後初の協議だったが、価値観の対立が表に出た。
・バイデン政権は前政権に続き、中国に対し強い態度で臨む姿勢を示す。
・米は欧州や日本など同盟国と対中戦略で協力する姿勢も強める。

◆ミャンマー軍部締め付け、死者200人超
・クーデターから1月半以上が経過。国民の抵抗が続き、軍は締め付けを強める。
・デモ隊に対する発砲も続発。国連担当者によれば、死者数は累計200人を超えた。
・経済への影響も広がり、工場などの操業停止も相次ぐ。

◆オランダ選挙、ルッテ首相与党勝利(15-17日)
・下院選(定数150)が行われ、ルッテ首相のVVD(自由民主党)が第1党を維持した。
・ルッテ氏は4期目を目指し連立交渉に入る。
・VVDは中道右派で親EU。ルッテ氏は2010年から首相を務める。
・コロナ危機下の情勢が与党に有利に働いた。
・反移民・反EUの自由党は2017年選挙の第2党から第3党に後退した。

◆バイデン米大統領、ロシア大統領を人殺し(17日)
・バイデン氏はロシアのプーチン大統領が「人殺し」との認識を示した。
・米テレビインタビューで「そう思う」と答えた。
・プーチン氏は18日、バイデン氏の健康を祈るなど皮肉交じりに反応した。
・首脳外交の始まった段階で、「人殺し」のような表現の使用は異例。
・ロシアは駐米大使を一時召還した。

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◎寸評:of the Week
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 【米中関係】 バイデン政権発足後初の米中のハイレベル外交協議が行われ、テレビカメラをの前で激しい非難合戦を演じた。

 冒頭ブリンケン米国務長官は、新疆ウイグル、香港、台湾、サイバー攻撃などの問題に触れ、中国が世界の安定秩序を脅かしていると非難。これに対し中国外交トップの楊ジエチー共産党政治局員は内政干渉であるなどと反論し、逆に米国の民主主義が信頼を失っているなどと批判した。

 米中関係はトランプ前大統領の時代に悪化。貿易戦争やハイテク、安保分野で対立を強め、米中冷戦や米中デカップリング(経済面などで陣営が分かれる事)が指摘された。バイデン政権は地球温暖化など特定分野では協力を模索するが、全体的には対中強硬姿勢を崩していない。

 初の外交協議も、今後の波乱を予想させるに十分の展開になった。米中新・冷戦時代の第2ラウンドの幕開けという感じもする。

◎ G2が地球儀回しつつなじり合い
◎ 新冷戦TV中継で2幕入り

 

◎今週の注目(2021年3月22-28日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・EU首脳会議が25-26日に開かれる。コロナ対応、英国との通商・国境管理問題などを協議する見込み。

・東京五輪の聖火リレーが25日、福島県からスタートする。五輪・パラリンピックについては20日のIOCと組織委員会などの協議で、外国人観客の受け入れ断念を決めたところ。聖火リレーが動き出す中で、五輪開催の行方はどうなるか。

 

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2021年3月15日 (月)

◆福島原発事故10年とエネルギー問題の推移 2021.3.14

 東京電力福島第1原発の事故から10年が経過した。世界の環境、エネルギー政策に与えた影響は大きい。少したどってみたい。

▼原発廃止国と推進国

 福島の事故の後、世界における原発、エネルギー政策については色入りな議論があった。実際の動きも様々だ。

 ドイは脱原発を決定。2022年に原発ゼロを実現するメドを立てた。ベルギーやスイス、台湾なども脱原発を進め、イタリアやオーストリア、豪州などは原発ゼロの政策を確認する。

 一方、米国や英国、フランスなどは様々な条件の下で原発維持の姿勢だ。ロシアは新規建設を進める。核保有国は安保上の理由からも、原発を維持せざるを得ない面がある。

▼アジア、中東で建設

 中国はすでに50基弱の原発を稼働。今後も建設を進め、2030年には米国と並び世界最大の発電量とする見込みだ。インドも原発拡大を基本政策とする。

 ただ、ベトナムで2016年に原発建設の予定が中止になるなど、国により情勢は異なる。

 中東でも原発建設が進む。UAEは昨年8月、同国西部にバラカ原発を稼働させた。アラブ諸国初の原発だ。トルコは2か所に原発を建設中だ。

 一方、イランは核開発を巡り揺れる。同国は平和利用目的と主張するが、米国やイスラエルなどは核兵器開発の疑惑を主張する。

 原発は各国のエネルギー事情に加え、安全保障上の問題も加わり、一筋縄ではない。 

▼議論が少なく

 福島事故の直後、原発の安全性や是非を巡る議論は活発になった。しかし時間の経過とともに、正面切った議論も少なくなった印象を受ける。

 もちろん、原発の議論は事故のリスクや温暖化ガス排出が少ないメリット、経済性など様々な要素を考慮して行う必要があり、容易に結論が得られるものではない。ただ、議論をしていると隠されていた情報や新しい視点などが出て来ることもある。

 年月の経過とともに正面切った議論は国内的にも国際的にも少なくなり、原発を巡る政策決定は「先に結論ありき」の感じが強まっている。1

▼再生可能エネルギーへの移行

 こうした中で、確実に進んでいるのが再生可能エネルギーへの移行だ。

 1次エネルギーで見た全エネルギー消費中に再生エネルギーが占める割合は、2010年の10%から2019年には16%に上昇した(再生可能エネルギーには薪のように伝統的なものも含む)。原発の占める割合は、同期間中に4.7%から3.99%に低下した。それに比べると対照的だ(BPのデータをベースにアワー・ワールド・イン・データがまとめた資料から)。

 特に欧州では太陽光や風力などへの移行が進む。英国やドイツでは2020年、再生可能エネルギーによる発電が化石燃料による発電を上回った。

▼大きな変化

 原発を含むエネルギーの行方は、単純ではない。地球温暖化、安全保障、経済情勢など様々な要因が絡む。しかし過去の延長線では語れない大きな変化が起きていることは間違いない。

 エネルギー問題はデータが複雑で(意図的に隠されることもあり)、スッキリしない面もある。福島原発事故10年など節目をきっかけに、論点整理してみることも大事だろう。

◎ 事故10年 福島アイコンになったけど
◎ いつの間にか熱い議論より既成事実
◎ あえて無視?原発拡散大丈夫?

2021.3.14

 

 

2021年10号 (3.8-14 通算1078号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2021年3月8-14日
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◆コロナ、パンデミック宣言1年(11日)☆
・WHOが新型コロナのパンデミックを宣言してから1年が経過した。
・1億1000万人超の感染が確認され、260万人以上が死亡した。
・昨年末からワクチンの接種が始まったが、全世界的に普及するまでには時間がかかる。
・ここに来て変異種の感染が拡大。欧州やブラジルなどでは新たな感染の波が懸念される。
・ブラジルの新規感染者は米国を超え世界最大に増加。変異種の感染が拡大している。
・イタリアは12日、行動規制強化を発表した。

◆米が1.9兆ドルのコロナ対策追加、ワクチン接種希望者は5月初めまで(11日)☆
・米国で総額1.9兆ドルのコロナ対策が成立した。議会が可決し、大統領が署名した。
・1人当り最大1400ドルの現金給付(年収8万ドル以下の人対象)や中小企業対策を含む。
・コロナ感染開始以来の対策は合計6兆ドルになる。
・バイデン大統領はテレビ演説し、5月1日までに全希望者にワクチン接種すると述べた。
・米国の接種回数は12日までに累計1億回を超え、全人口の1割の3500万人が完了した。
・ただし米国には接種拒否や慎重な人も多く、集団免疫のレベルに達するメドは立たない。

◆中国、香港の選挙制度見直し決定(11日)☆
・全人代は香港の選挙制度見直しを決定し、閉幕した。
・親中派の多い行政長官の選挙委員会に議会(立法会)選の候補者指名の権限を持たせる。
・民主派の立候補を大きく制限する内容だ。
・香港の1国2制度は昨年の国家安全法施行で空洞化したが、さらに決定的になった。
・1国2制度の終焉を指摘する見方も多い。

◆福島原発事故10年(11日)☆
・日本の東京電力福島第1原発事故から10年を経過した。
・廃炉のメドは立たず、汚染水処理の方向なども定まらない。
・日本には事故時原発が54基あったが再稼働は9基に留まる。エネルギー政策も定まらない。
・ドイツは2022年原発廃止を遂行。アジアや中東では新設も進む。世界全体では微増だ。
・欧州などでは再生エネルギーへの移行が急速に進んでいる。

◆記事使用巡り米議会で公聴会(12日)
・大手IT企業による報道機関の記事使用を巡り、米下院で公聴会が行われた。
・報道機関が連携して、IT企業に対価を求める交渉ができるようにするかを議論する。
・グーグルやフェイスブックなどは報道機関の記事利用を拡大。広告収入を増やしている。
・一方、中小報道機関の経営は悪化。閉鎖も相次いでいる。
・報道機関が記事使用対価について交渉する際に、不利な立場に置かれるのが現状だ。
・EU諸国や豪州はメディアと大手ITの交渉に法的枠組みを制定。必要なら政府が介入する。
・健全な報道機関の存続は民主主義維持の基礎。議論は政治や社会のあり方にも影響する。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
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◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【パンデミック1年】 WHOが新型コロナのパンデミック宣言をしてから1年が経過した。1億人以上の感染が確認され、260万人以上が死亡。変異種も登場し、今なお収束のメドは立たない。世界の風景は1年で大きく変わった。
 今週は過去1年を回顧する報道もあったが、いかにも途中経過という印象のものが多い。コロナの影響について総括できるのは、まだまだ先の話、という感じだ。

 

 【福島原発事故10年】 東京電力福島第1原発の事故から10年が経過した。(→国際ニュースを切る)

 

◎今週の注目(2021年3月15-21日 &当面の注目)
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・ブラジルや欧州の一部の国でコロナの感染再拡大が懸念される。動向に注目。
・オランダ総選挙が17日に行われる。コロナ下でどんな判断が下されるか。5年前は極右政党の動向に注目が集まった。
・ミャンマー情勢に引き続き注意。

 

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2021年3月 7日 (日)

2021年09号 (3.1-7 通算1077号)交際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2021年3月1-7日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆中国全人代、成長目標6%以上、香港選挙制度見直し(5日)☆
・全人代が開幕。李克強首相は政府活動報告で、2021年の成長目標を6%以上とした。
・香港の選挙制度見直しを表明。民主派の活動封じ込めを一層強化する。
・国防費は前年比6.8%増を計上した。
・2021-25年の5か年計画は失業率削減、温暖化対策などを強調。成長目標は示さなかった。
・全人代には全国から2900人が参加。出席者は事前のワクチン接種をした。
・2020年に中国が主要経済国唯一のプラス成長だった指摘。コロナ対策の成果を強調した。

◆米が安保戦略の指針、中国は国際秩序に挑戦(3日)☆
・ホワイトハウスは国家安全保障戦略をまとめた。
・中国について、経済や技術などで既存の国際秩序に挑戦する唯一の競争相手と位置付けた。
・新しい国際規範や合意は、米国が形成すると明言している。
・ただし、気候変動など必要な分野では中国と協力していくとする。
・戦略はバイデン政権の当面の外交・安保の政策方針を示すもの。
・中国に対し基本的に強硬姿勢を維持しつつ、トランプ政権時代より柔軟性を見せる。

◆米がワクチン増産策、メルクがJ&Jのワクチン生産(2日)☆
・製薬大手メルクは、J&Jが開発した新型コロナワクチンを生産する。政府の要請に応えた。
・バイデン大統領が発表した。
・大統領は5月までに、米国の全成人分のワクチンを確保できると語った。
・米国では昨年末にワクチン接種が始まったが、国民の大半に行き渡るまでには時間がかかる。
・途上国では接種がさらに遅れる。国際的なワクチン供給枠組みも、まだ十分機能していない。
・ワクチンを巡る格差も表面化。中ロは途上国等に提供するワクチン外交を展開する。

◆英国が法人税を引上げ、2024年に19→25%(3日)☆
・英政府は大企業向け法人税率の引き上げを発表した。2023年に19→25%にする。
・コロナ対策で進んだ財政悪化に対応するため。
・法人税率引上げは1974年以来。過去40年あまり続けた引き下げから転換する。
・特に金融危機後の2010年以降は、経済テコ入れのため税率を28→19%に下げていた。
・法人税率の引下げ競争は世界的な潮流になっていた。
・コロナによる財政悪化などを契機に、世界的な流れが変わる可能性がある。

◆ローマ教皇がイラク訪問(5日)
・フランシスコ教皇がイラクを訪問した。教皇の同国訪問は初。
・歓迎式典で対話と中東和平の促進を訴えた。
・同国イスラム教シーア派最高権威シスタニ師と6日、聖地ナジャフで会談した。
・少数派キリスト教徒を慰問、ミサも予定している。
・教皇はかねてイスラム教など異なる宗教との融和に意欲的。
・コロナ感染拡大後は外遊を控えていたが、再開した。

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◎寸評:of the Week
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 【中国全人代】 中国の全人代が始まった。新型コロナの影響で昨年は2か月余り延期したが、今年は予定通り。全国から2900人が参加した。参加者は事前にワクチンを接種。壇上の習近平主席や李克強首相はマスク着用なしだった。
 冒頭の政府活動報告で、李首相は中国が2020年、主要経済で唯一プラス成長を実現したと、コロナ封じ込めを自賛。その上で2021年の成長目標を6%以上とした。国防費は6.8%増と、引き続き高い伸びを維持した。
 注目された香港問題では、香港の選挙制度見直しを表明。民主派が選挙で議席を獲得する可能性を一段と小さくする。
 昨年6月の香港国家安全法の施行で香港は中国が直接統治することになり、1国2制度の形骸化が指摘された。選挙制度の見直しで中国による直接支配がさらに強まり、沿う制度は「死」を迎えるといの見方も多い。李首相は報告で1国2制度の重要性を指摘したが、白々しく聞こえる。
 2021-25年の5か年計画では、マクロ経済の成長のほか、デジタル化、研究開発強化などをうたった。一方、産業政策として国有企業の強化なども強調している。
 首相の報告からは中国の現状と戦略、世界への影響力拡大の意欲などが透けて見えて来る。内容には、従来の延長線上のものと、この1年で大きく変化したものが共に含まれる。様々なメッセージの中でも、コロナ対応における自信とコロナを国家戦略に使おうという姿勢、そして香港における妥協を許さない強硬姿勢が際立つ。

◎ コロナの下、統制と強気の全人代
◎ コロナの年1国2制度死語になる

 

 【ミャンマー】 ミャンマーの抗議活動が継続。軍による強行な押さえ込みで、死者は50人を超えた。国際社会の対応も一致しない。事態収拾の行方が見えないまま、犠牲者だけが拡大する状況が続いている。

 

◎今週の注目(2021年3月8-14日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・WHOが新型コロナのパンデミック宣言をしてから11日で1年が経過する。感染確認者は世界で1億人超。死者は250万人以上。変異種の感染拡大が当面の懸念材料の1つだ。ワクチン接種が昨年末から始まったが、広く行き渡るまでにはまだ時間がかかる。
・日本の東日本大震災、福島第1原発の事故から11日で10年が経過する。世界各国の原発政策はまちまちだ。
・ミャンマー情勢は緊迫の状況が続く。

 

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2021年3月 1日 (月)

2021年08号 (2.22-28 通算1076号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2021年2月22-28日
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◆世界的に金利上昇、インフレ警戒も ☆
・世界の金融市場で長期金利が上昇。米10年物国債利回りは25日1.6%台になった。
・英国、カナダ、豪州などの金利も上昇。ドイツもマイナス幅を縮めた。
・景気回復やインフレ進展を予測する見方が広がっていることが背景。
・コロナ対策で大量のお金が市場に流れ、回帰回復→インフレが連想できる状況になった。
・世界経済は不況懸念だけでなく、加熱やインフレの可能性も加え不確定要因が増えている。

◆ミャンマーのクーデターから1カ月、抗議活動続く ☆
・ミャンマーのクーデターから約1か月が経過した。抗議活動が続く。
・22日にはヤンゴンやマンダレーなどで最大級デモが実施された。
・ゼネストの呼びかけに応じ、多くの企業や商店が休業した。
・軍や治安当局は取締りを強化するが、抗議活動は止まらない。事態の行方は不透明だ。

◆国際枠組によるワクチン配布開始、接種で低所得国遅れ懸念(24日)☆
・新型コロナワクチン分配の国際枠組みCOVAXに基づく配布が始まった。
・第1号として24日にガーナで開始した。アストロゼネカ製を配布した。
・低所得国92カ国には無償でワクチンを配る計画。
・ただ、新興国へのワクチン配布は先進国に比べ遅れ、ワクチン格差が際立つ。
・中国やロシアはアフリカやアジア新興国にワクチンを供給。ワクチン外交を展開する。
・低所得国からはワクチン・ナショナリズム批判や欧米先進国への非難も目立つ。

◆米が記者殺害事件で報告書、サウジ皇太子関与と結論(26日)
・米政府は2018年に起きたサウジの著名ジャーナリスト殺害事件の報告書を公表した。
・サウジのムハンマド皇太子が殺害計画を承認したと結論付けた。
・トランプ前政権は結論を曖昧にしてきたが、転換した。
・バイデン大統領は25日、サウジとの電話会談の相手にサルマン公王を選んだ。
・皇太子とは距離を置いた形。トランプ大統領時代には皇太子と対話した。
・米国の対サウジ政策が変化する可能性をにおわす。

◆米コロナ死者50万人超(22日)
・米国の新型コロナによる死者が50万人を超えた。
・発生から1年で、第2次大戦の死者(約40万人)を大きく上回った。
・新規感染のペースは1月をピークに鈍化しているが、変異種の感染が増えている。

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◎寸評:of the Week
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 【コロナと世界経済】 新型コロナの影響が世界経済の様々な形で及んでいる。
 2020年は感染拡大と行動規制により、経済の停滞・縮小が深刻化した。世界の多くの国がマイナス成長に落ち込み、飲食やサービス、旅行などの産業は苦境に陥った。各国は経済の底抜けを避けるため、大規模な財政出動や金融緩和を繰り返した。その結果、世界はカネ余りになり、財政赤字は急拡大した。
 2021年はこうした懸念に加え、インフレ懸念や財政問題、金融システムの安定など新たな課題が加わる可能性がある。
 多くの国で、経済成長はプラスに戻るとの見方が多い。前年度マイナス成長の反動に加え、ワクチンの効果が出てくれば経済活動も軌道に乗るとの期待だ。その景気回復が、加熱になるとの見方もある。市場はカネ余り。ひとたび上昇気流に乗れば、速度は速いとのシナリオだ。
 状況によっては、インフレに火が付いてもおかしくない。足元、米国などで長期金利が上昇してきたのも、こうしたインフレ警戒が強まっているためだ。
 もちろん、別のシナリオも考えられる。コロナの変異種が拡大し、ワクチンの効果が期待したほどでなければ、景気回復は遅れそうだ。物価に下方圧力がかかる可能性もある。財政問題や金融不安が表面化すれば、経済に一気に水を差すかも知れない。
 確実に言えることは、経済の先行きは依然不透明で、様々なシナリオが描けること。そして様々なリスクが待ち構えていることだ。市場では、様々な説が飛び交う状況が続くだろう。

◎ 不況下のカネ余りの先不安増す
◎ すわ非常時と、ツケ先回しで来たところ

 

◎今週の注目(2021年3月1-7日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・ミャンマー情勢は緊迫の状況が続く。
・中国の全人代が3月5日に開幕する。
・米下院が1.9兆ドルのコロナ対策を可決した。上院の審議がどう進むか。市場や経済への影響はどう表れるか。

 

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